飲食店にとってお客さん、とりわけ「おなじみ」の存在はとても重要です。
そうした常連客の心をつかむお店には、どのような工夫があるのでしょうか。また、お客さんから見て、どんなお店が「通いたくなるお店」なのでしょうか。
今回お話を伺ったのは、『酒のほそ道』(通称・酒ほそ)などで知られる漫画家・ラズウェル細木さん。先生は25年以上にわたって「酒ほそ」で、酒と肴、そして酒場の人々を描き続けています。
そんな先生が「通いたくなるお店」とは? 本インタビューでは「お店それぞれなので、一言では表現できない」と語っているものの、具体的なお店のお話から、明日の店舗運営に生かせるヒントがきっとあるはず。
インタビューの舞台となったのは、ラズウェル細木さんが長年通っている酒場「ふじよし」(東京・練馬)。聞き手はラズウェル細木さんの“飲み仲間”である酒場ライター・パリッコさんが務めます。
※取材は、新型コロナウイルス感染対策を講じた上で実施しました
- 酒場の「雰囲気」はさまざまな要素が複合してできあがる
- 「波長」の合う酒場には何度も通う
- ラズウェル細木先生的、「いい店」のポイント
- 立地のおかげで“落ち着き”がある「ふじよし」
- 一定の距離感を保つ接客 「神ぐら」
- フランクで居心地がよい「但馬屋」
- 常連客と一見客の分け隔てなく、が理想
酒場の「雰囲気」はさまざまな要素が複合してできあがる
―― 今日は酒場の達人であるラズウェル細木先生に、「通いたくなるお店とはどのようなものか?」を中心にお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします!
ラズウェル細木さん:はいはい。そんなに役に立つようなことが言えるかどうか分かりませんけど(笑)。ひとまず、いただきま〜す! ……あ〜、うまい!
―― さて、僕は今日、インタビュアーとしてこの場にいますが、実はラズ先生とは10年近くプライベートでもお付き合いさせてもらっていて、一緒に飲みに行く機会も多いですよね。僕は勝手に「心の師匠」と思っているんですが、ラズ先生は僕のことを「飲み仲間」と表現してくださいます。
ラズウェル細木さん:まぁ、ともに酒を飲む仲間。シンプルにそうですよね。共通の飲み仲間も多くて、けっこう年齢の差もある。だけどみんなに一貫しているのは、「酒の前では平等」っていう考え方。みんな酒が好きで集まっていて、「今日も楽しく飲みましょ」って。それだけだもんねぇ。
そもそも「大衆酒場」っていうのがそういう場所ですよね。会社の飲み会で上司と飲むなんてのは別だけど、店に自然と集まってくる人たちってのは、年齢も性別も職業もバラバラで、つまりは誰もが平等な、1人のお客というわけで。
ただね、パリちゃんに関しては、いいお店を教えてもらったりとか、むしろ情報源として仕事に役立てさせてもらっているところはあります(笑)。
―― 面白いお店があるとラズ先生にご連絡して、「今度ご一緒しませんか!?」とお誘いしていますね(笑)。
ところで僕は以前、何気なくラズ先生に「いい酒場の条件ってなんですかね?」と聞いたことがあります。そのとき、「まぁ、酔えればなんでもいいよね」と返ってきて、いたく感動したことを覚えています。大御所なのにまったく気取ったところがないし、あと目的にブレがなさ過ぎる! と(笑)。
ただやっぱり、個人的な好みの傾向などはありますよね。また、職業柄、お店のことはよく観察されるんじゃないかと思うのですが。
ラズウェル細木さん:最終的な目的は「酔えればいい」(笑)。だけど、実際にいろいろな店へ行くと、すぐに出たくなったり、「もう来なくていいかなぁ」って思ったりするお店もあるわけで。ただ、そんなに観察しているわけではないですよ。どっちかって言うと直感的な部分の方が大きい。とにかくいろいろな要素が絡んできますからねぇ。
僕はよく「雰囲気」という言葉を使うんだけど、やっぱりそこは大きいですよね。
雰囲気って、たとえばインテリアや音楽みたいにお店側で演出できる部分もあるけども、そうじゃない部分もある。店主、店員に加え、自然と集まる常連さんたちとか、その他無数の要素が複合してできあがっていくんですよね。だから、必ずしも店主の「こうありたい」という理想のとおりにはいかないのが、酒場の面白さでもあって。
あとね、個人的には、「ここと、ここと、ここにこだわってます!」みたいにコンセプトを感じすぎると、逆に引いちゃうこともあって(笑)。どうしても「自然のなりゆきに任せていたらこうなりました」みたいなお店に面白みを感じることは多いですよね。だから酒場の店主には、「当初の理想とは違ってきているけど、まぁいいか」みたいなラフさも意外と重要なのかな。
「波長」の合う酒場には何度も通う
―― お店側でコントロールできない部分も雰囲気に大きく関わっているという話、分かります。同じ街にふたつ並びである同じような価格帯の店でも客層がまるで違っていることがありますよね。これは酒場の七不思議のようにも感じます。
ラズウェル細木さん:酒を飲むのが主な目的であるという特殊な業態なので、不確定な要素はたくさん入りこみますよね。それに、食堂やレストラン、または寿司屋さんとかうなぎ屋さんみたいな専門店と違って、どんなものが置いてあるかが外からは分からない店も多いでしょ。だからこそ、客からすると意外な料理に出合う楽しさがある。最近はネットで検索するとたいていの店のメニューが分かってしまう時代で、あれは便利な反面、ちょっとつまんないなって思いますよね。
特に我々なんか、ハシゴ酒の2~3軒目となると、まったく予備知識のないなるべく怪しげな店に「ちょっと入ってみますか」なんてどんどん行くでしょ。ああいうのが楽しくてねぇ!
……と考えると、あえて外観を謎っぽくしておくというのもひとつの手かもしれない(笑)。
―― すすんで怪しげな店に入ってみたい我々のような酒飲みは、どちらかというと少数派な気もしますが(笑)。
ラズウェル細木さん:外観から中の様子が想像できないと、確かに我々のように、入ってくる客は限られるね。
まぁそれは冗談としても、お店側としては、ベロベロに酔っぱらった客とか、傍若無人な客にはなるべく入ってきてほしくないわけでしょ。だけど「誰でもどうぞ」と門戸を広げておかないと、商売としては成り立たないという考え方もある。
そのあたりの葛藤というか、難しさはあるでしょうね。酒場経営というのは。極端な話、知り合いの紹介のみで入れる会員制にすれば、いつ誰が入ってくるか分からない怖さからは解放されるわけだけど。
―― 不確定な要素が絡み合ってお店が形作られる。だからこそさまざまな魅力があるのが酒場というか。
ラズウェル細木さん:そして、その店の雰囲気が自分にぴたりと合って、「あぁここはいいな、落ち着くな」となると、その後、何度も通う店になるわけですよね。お店としてはそういう人をなるべくたくさん掴みたいわけだけど、これはもう出会いなのでね。相性、波長みたいな領域になってくる。
それがよく実感できるのがね、友人に「本当にいい店だから一緒に行こう!」って連れて行ってもらったお店が、自分にはいまひとつなこともあって(笑)。
いや、その店が悪いというんじゃなくてね。誰かにとってはすごくいい店が、自分にはそうでもなかったりするのがまた、酒場の面白さで。だからね、ほんっとに難しいんですよ! 「いい店とはこう」って言葉で言い表すのは!
ラズウェル細木先生的、「いい店」のポイント
―― まさしく「いいお店とは何か」を一言で表すのって難しいですよね(笑)。ただ強いていえば、「お店の人が優しい」みたいな、ごく当たり前、かつ誰もが共感できる良さもありませんか?
ラズウェル細木さん:もちろんね。だけど世の中には、「怖い女将さんに叱られたい」という理由で酒場に通う人もいるからなぁ〜。ひとつ確かなのは、じゃあ客を叱れば人気になるかというと、そうではないところ(笑)。
東京の下町なんかに特に多いイメージだけど、その店独特のルールがある店っていうのもあるでしょう。初めてだと注文の仕方も分からないような。僕はどちらかというと、めんどくさいなと思っちゃう方なんだけど、そういう店を好む人もいますしね。
でもね、さんざん「難しい」って言っちゃったけど、個人的に、できればこうあってほしいというポイントはあるにはあって。それは「厨房がきれいなこと」と「旬の食材と手書きメニューがあること」なんですよ。
厨房がきれいであってほしい!
ラズウェル細木さん:あのね、厨房じゃない側、つまり客席の方は、多少散らかっていたっていいんですよ。小上がりが物置になってても、そこで店主の子供が宿題をやってても、別にいいんですよそんなのは(笑)。店全体がきれいな必要はない。
だけど、厨房は料理を作る場所なので、よく手入れしてあってほしい。いいなと思う酒場で料理人を見ていると、ひとつの料理を作るごとに、こまめにあちこち拭いていたりするでしょ。
だから僕も、家の中はごちゃごちゃなんだけど、台所の水回りとガス台の周りだけは、いつもきれいにしておこうと心がけている。まぁこれも、あくまで僕の好みはという話ですけどね。
―― 今日のインタビュー場所の「ふじよし」さんも、厨房がピカピカですよね。
ラズウェル細木さん:そう。一人で来ると厨房前のカウンター席に座るんだけど、どうしても厨房が目に入りますよね。ここはいつもピカピカです。
旬の食材と手書きメニューがあってほしい!
―― 旬の食材や手書きメニューという話も出ましたね。確かに、ラズ先生の作品には、登場人物たちが酒場のつまみで季節感を味わうようなシーンが多数登場します。
ラズウェル細木さん:やっぱりこれが理想的です! 黒板とかホワイトボードに、旬の食材を使った手書きの日替わりメニューがあれば、そこから頼みたい。ばっちり印刷されたメニューから選ぶより気分が上がるでしょ。あのボードはぜひあってほしい。
でね、その中の1~2品がもう品切れで、ボードから消されているなんてことがあると、余計にグッとくる。「は、早く頼まなきゃ〜!」って。
―― この「ふじよし」さんもみごとに手書きメニューですね。しかもメニューがどれも魅力的!
ラズウェル細木さん:ここは本当にどれを頼んでも美味い! 毎年4〜5月くらいに、東北の山で採れる細長いたけのこを皮つきのまま焼いたのが出るんですよ。それをむきながら食べるんだけど、食感がキュッキュッキュッとしてね、も〜たまらない! この店の春ならではの楽しみですね。
こうやって「そろそろあの店のあれが出る頃だから~」と考えるのが楽しいんだよね。それに釣られてお店に行くわけで。
もちろん、スーパーで旬の野菜を買ってきて自分で料理するのも楽しいんだけど、自分じゃあとても作れないプロならではの技というのは確実にある。だからお店には、旬のものをぜひ、積極的にそろえていただきたいですね(笑)。
―― 僕が今日、物珍しくて頼んでみた「ペソラ漬け」は、山形県の郷土料理のようですが、居酒屋って、聞き慣れないメニューと出合えたりする楽しさもありますよね。店によってはそこにしかないオリジナルのものがあったり。
ラズウェル細木さん:うん。「当店名物『〇〇焼き』」みたいな耳慣れぬ料理があったりするとつい、「これなんですか?」って聞いちゃいますよね。で、まんまと頼んじゃう。
ただし、そればっかりじゃなくて定番のちゃんとしたものも欲しい。例えば「煮込み」はいつ来ても同じ味で、他にも居酒屋の定番はそろっていて、加えてちらほらと変なメニューがあるとかね。
こうして話していると、酒飲みって本当にわがままだよねぇ(笑)。お店は、そんな客たちを相手にしなきゃいけないんだから……。
立地のおかげで“落ち着き”がある「ふじよし」
―― 「ふじよし」さんは、先生にとっての「いい店」ポイントをみごとに満たしていましたね。ラズ先生と「ふじよし」の出合いはどのようなものだったんでしょう?
ラズウェル細木さん:昔よく行っていたカウンターだけの小さな店が、この近くにあったんです。そこも常連さんがたくさんいて、理由は単純、完全にママの魅力。酒場の中でも特に、カウンターだけの小料理屋なんかは、お店の人の魅力というのが非常に大きな要素になりますよね。料理がどうのこうのよりもむしろ、ママや顔見知った常連さんたちとの会話を楽しむみたいな。
最初はそのママがここへ連れてきてくれたんです。10年くらい前かな。だからさっきの話じゃないけど、人から教えてもらった店に、まさかここまで長く通うことになるとは思ってなかった。そういうこともあるんですよね。こういう出合いは本当にラッキーだと思います。
―― 最初の方で、「波長」という話がありましたが、ふじよしさんとは波長がピッタリと合ったのですね。
僕も数回来たことがあるのですが、ふじよしさんは本当に素晴らしいお店だと思っていまして。「雰囲気はお店側の演出だけで作り上げるものではない」という話もありましたけど、ここはきちんとマスターが雰囲気をコントロールできているお店のように感じます。
ラズウェル細木さん:練馬駅から少し離れた、しかも用事のある人以外は誰も通らない路地裏という立地もあって、ふらりと一見客が入ってくるようなお店じゃないんですよね。いわゆるごちゃごちゃっとした場末のお店とは違ってピシッとした空気もあり、だけど居心地がいい。
ここの魅力はやっぱり、この立地による隠れ家感ですよね。知らず知らず紹介制のようになっている落ち着きというか。必然的に客層もいいんですよ。俗に言う「あんまり人に教えたくない店」です。
―― 雰囲気もいいし、厨房もきれいだし(笑)。
ラズウェル細木さん:そう!(笑) そして、料理が美味くてリーズナブル。
マスターの食材の目利きから料理までが素晴らし過ぎるんですけど、ぜんぜん偉そうにしていないのがまたいい。つまり人柄の良さですよね。僕の東京でのホームグラウンドです。
一定の距離感を保つ接客 「神ぐら」
―― この「ふじよし」の他にも、よく行くお店として京都の「酒房 神ぐら(かぐら)」を事前に挙げてもらっていました。こちらはどのようなお店なのでしょう?
ラズウェル細木さん:ここは、祇園四条にある「日本酒バー」なんです。京都にはけっこうそういう形式のお店があって、とにかく日本酒にこだわりのある店主が、自分なりの品揃えをしている。
もともとそこの女将が僕の漫画のファンだったそうで、Twitter上でフォロワーさんやその女将とやりとりしているうちに「じゃあ一度行ってみましょうか」ということになったんですね。
で、祇園の日本酒バーって聞くと、それなりに威厳のある女将さんがやっているようなお店だと思うじゃないですか。ところが行ってみたら、若いお姉さんがひとりカウンターの中にいるんで、最初はアルバイトの人かと思ってた(笑)。しばらくして「今日は女将さんは?」って聞いたら、「私です」って言うもんで、「えー!」なんて。
ラズウェル細木さん:あそこはひとえに、女将の魅力で人が集まってくる店。美人女将としても有名で、どのくらいかっていうと、女性の常連客たちが「こんなところでひとりでお店をやって危ない目に遭わないように」って「さすまた」を寄贈したくらい。お店にさすまたが置いてある(笑)。
だけど女将自身は、誰に対してもクールなんですよね。特定の客を特別扱いしたりしない。だから、客同士の嫉妬みたいなものも生まれないんじゃないかな。そういう、一定の距離を保つ接客というのは、ひとつのポイントかもしれませんね。
フランクで居心地がよい「但馬屋」
―― 「神ぐら」のほかに、大阪で飲む際には大衆酒場の「但馬屋(たじまや)」に必ず寄られるということで。
ラズウェル細木さん:「但馬屋」はいかにも大阪らしい大衆酒場で、6年前くらいにパリちゃんと一緒に大阪でハシゴ酒をしている時に開拓した店だよね(笑)。実はあの時まで、本格的に大阪で飲んだことがなかった。共通の飲み仲間のライター、スズキナオさんが大阪在住で、彼の案内で大阪の天満、京橋あたりの酒場を巡ったんですよ。
で、1泊2日飲みツアーの2日目、まだまだ飲むぞ! と、朝の9時にまた天満の駅前で待ち合わせた。今から考えるとちょっと朝早過ぎて、いくら午前中から飲める街といえど、さすがにほとんどの店が開店前。それでもぷらぷらしていたら「但馬屋」だけが9時オープンで。
―― きっかけは、ただただ「開いていた」から。そういうこともありますね(笑)。
ラズウェル細木さん:そしたらここが、すごく魅力的でねぇ。誰が来ても受け入れてくれるフランクさというのかなぁ。店にも客にも、大阪らしいカラっとした居心地の良さがあって。
何よりもメニューが豊富。壁一面にびっしりと並ぶ短冊メニューは圧巻ですよ。
その時、「キムチの天ぷら」という、初めてのメニューに出合って、これがまた美味しくてね。それは若い店員さんが、余りがちなキムチを有効活用しようとして思いついたメニューらしいんです。名物にしようと突飛なものを考えたわけじゃなくて。
我々がたまたまそれに注目して、行くたびに頼むようになったもんだから、仲間うちでは「但馬屋=キムチの天ぷら」みたいになっちゃった(笑)。今や大阪で飲むとなると、朝はまず「但馬屋」に集合。あの店との出合いもラッキーでしたね。
……というように、僕が特に好きな3つのお店のことを話しただけでも、その魅力は見事にバラバラなんですよね。それが酒場というもので。
常連客と一見客の分け隔てなく、が理想
―― バラバラなようではありますが、どこか共通項があるような気も……。先生から見て、常連の多いお店にはどんな特徴があると思いますか?
ラズウェル細木さん:いろいろと話しましたけど、お店の人は常連客と一見客を分け隔てなく、そして、常連客は一見客に気を遣うのが理想だと思いますね。
お店の人は常連客に何かサービスすることもあるかもしれない。でもそれは、絶対に他の客の見えないところで、分からないようにやってほしい!
―― まさに、今日教えていただいた3店に共通していそうなお話じゃないですか! ……と今は思っているけど、そのうち例外が出てくるのかも(笑)。やはり酒場の魅力というものは、到底一言で説明できるものではないということが身に染みて分かりました。
それでも最後にあえて、「ラズ先生が通いたくなるのはどんなお店ですか?」と聞いてみたいのですが。
ラズウェル細木さん:そもそもね、初めてのお店にふらりと入って、そこが長い付き合いの店になるなんて方が珍しいことであって、たいがいは「ちょっと違ったな」とか「失敗したな」みたいなことの方が多いですよ。
だから、酒飲みとしての心構えは、酒場に過度な期待をしないこと。外れても当然みたいな気持ちで入って、その過程も楽しむくらいがいいと思います。
一方、お店側には、少し偉そうに聞こえるかもしれないんだけど、「こうしておけば客がたくさん来るんでしょ?」みたいな、安易な姿勢であってほしくはないかな。できることを精一杯やっていると、きっとお客さんは来るんじゃないかなと。それはもう、自分自身も含め、どんな仕事でも同じですよね。人生、精一杯やっているとどこかで道が開けてくるっていうことが、やっぱりあると思います。
【お話を伺った人】
ラズウェル細木さん
1956年、山形県米沢市生まれ。食とジャズをこよなく愛する漫画家。代表作『酒のほそ道』は四半世紀以上続く超長寿作となっている。その他の著書に『パパのココロ』『美味い話にゃ肴あり』『魚心あれば食べ心』『う』など多数。2012年、『酒のほそ道』などにより第16回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した。
Twitter:ラズウェル細木 (@roswellhosoki) | Twitter
【取材先紹介】
旬味 ふじよし
東京都練馬区練馬1-22-1 カマンベール
取材・文/パリッコ
1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半よりお酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『つつまし酒 あのころ、父と食べた「銀将」のラーメン』『ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある』『晩酌わくわく!アイデアレシピ』『天国酒場』『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』『ほろ酔い!物産館ツアーズ』『酒場っ子』『晩酌百景 11人の個性派たちが語った酒とつまみと人生』、スズキナオ氏との共著に『のみタイム』『“よむ”お酒』『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』『酒の穴』。
Twitter:パリッコ (@paricco) | Twitter
撮影/関口佳代
編集:はてな編集部
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