飲食店が「平日の集客を増やしたい」と思ったら。意識したい課題点と対策

飲食店で注文したラーメンを店主から受け取るお客さんのイラスト

多くの飲食店にとって、平日の集客は店舗を維持する上で大きな課題です。「どうしたら平日に集客ができるのか」「お店の何が原因なのか」と悩んでいる飲食店経営者もいるかもしれません。

集客の難しさや対策を通して「平日ならではの需要」を分析するとともに、LINE公式アカウントの利用や客層の分類など、身近なところから始められる集客アップの方法を紹介します。

こんな人におすすめ

  • 平日でも一定の来客数を確保したい人
  • 平日の営業時間の拡大を考えている人
  • ランチ・アイドルの利用からディナーの集客につなげたい人

なぜ平日の集客は難しい?

なぜ、平日の集客は難しいのでしょうか。

平日は仕事をしている人が多く、ランチに確保できる時間が短くなる傾向にあります。ディナーの場合でも、翌日に仕事があれば早めに切り上げる人も多いでしょう。ディナーや飲み会は少人数で短時間の集まりになることが多くなるため、集客が難しい要因のひとつとなっています。

株式会社MS&Consultingが実施した「行ったことはないけど◯◯なお店」に行きたいと思う比率のアンケート結果

また、株式会社MS&Consultingが2021年に行った調査を見てみると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、新規顧客の獲得が難しい状況にあることが分かります。よって「リピーターの育成」が、平日の集客のひとつの鍵を握っているといえるでしょう。

なぜ平日に集客ができない? 考えられる理由

平日に集客できない原因について、その理由を考えていきましょう。

1. 店の特色を出し切れていない

飲食店が集中するエリアではターゲットが重なりやすく、また、営業形態が似通った競合店が多くなりがちです。他店との差別化を図るために大切なのは、店の特色を出すことです。そのお店に行かなければ食べられないメニューがあるなど、「お店のオリジナリティーがきちんと感じられる飲食店であるか」ということが重要になります。お客さんにとってこだわりが感じられない店は目にとまりにくいでしょう。

2. アイドルタイムの対策が確立できていない

アイドルタイムとは、来店の少ない時間帯のことを指します。業種・店舗によって異なりますが、一般的にランチ後の14時から17時までの時間帯です。

ランチからディナーまで続けて営業する「通し営業」を行っている店では、アイドルタイムに集客の下降が多く見られます。アイドルタイムの集客法を確立できなければ、売り上げの上昇も期待できません。アイドルタイム限定メニューを出すなど工夫しましょう。

どうしても利益が出せない場合、思い切って短縮営業をする、お客さんに食べ終わった食器を片付けてもらう、または水などの飲み物を自分で取ってもらうといったセルフサービスを導入し、コスト削減を考えることも大切です。

3. 店のロケーションや客層を捉え違えている

集客が伸び悩む原因のひとつとして、ロケーションに応じた店づくりができていないことも考えられます。

例えば、学生街で飲食店をオープンする場合、一般に「手頃な価格」「量」「見栄えの良い商品と店舗」などがキーワードとして考えられます。また、「どういった学生が多く集まる場所なのか」ということも重要です。仮にスポーツが盛んな学校がある地域なら、「ご飯大盛りのメニューがある」「打ち上げで使いやすい」といった特長のある店が好まれるでしょう。

お店の場所の特色や利用者の事情を理解していなければ、ニーズをくみ取った経営はできません。丁寧なリサーチやターゲット分析が平日の集客、さらにはリピーター獲得へとつながります。

平日の集客アップにつながるアイデア

平日の集客を増やすためのアイデアを4つ紹介します。

  1. 時間限定のサービスを設ける
  2. ランチからディナーへの誘導を強化する
  3. お一人さま・フリー客が入りやすい店づくりを心がける
  4. テイクアウトメニューを充実させる

1. 時間限定のサービスを設ける

アイドルタイムの代表的な販促例として「ハッピーアワー」が挙げられます。居酒屋などでは夜の営業開始から1〜2時間ほど行われることが多く、顧客は時間限定で「一部メニューの値引き」「ドリンク1杯目は半額」などのお得なサービスを受けられます。

集客面で有効な方法ですが、自店舗がハッピーアワーを実施しても店舗のイメージを損ねることはないか、お店の利益は確保できるかといった視点が重要です。

2. ランチからディナーへの誘導を強化する

ランチでは、お手頃価格のメニューを提供しているケースが一般的です。そこから、ディナーに誘導できるようなプラスアルファの工夫が求められます。

例えば、ランチの定食にディナーメニューの試食をサービスで付けたり、ディナー専用のサービスチケットを発行したりすることが考えられます。ランチは、ディナーに足を運んでもらうきっかけとして捉えましょう。

3. お一人さま・フリー客が入りやすい店づくりを心がける

時間帯や性別を問わず一人で食事を取ることも一般的になりました。そのため、一人でも入店しやすい環境づくりへの需要が高まっています。

まずは店頭に看板メニューを設置したり、外から店内の様子が分かるようにしたりと、「入りやすい店」を目指しましょう。その上でお店の特長に合わせて1人席を設けたり、カウンター席に敷居を取り付けたりなど、ひとり客でも安心して食事できる環境を整えることが大切です。

onaji.me

4. テイクアウトメニューを充実させる

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、テイクアウトの需要は一気に高まりました。

ファンくる(株式会社ROI)が実施した、コロナ禍で飲食店のテイクアウトを利用したかどうかのアンケート調査

ファンくる(株式会社ROI)調べ

株式会社ROIが2020年に実施した調査を見ても分かるように、コロナ禍でテイクアウトを利用したことがある人は全体で89%にのぼるなど、感染が落ち着きつつある現在でもテイクアウト需要は一定数あります。

店内が満席でも、テイクアウトを用意しておけば機会損失を防げる可能性もあるため、コロナ禍後でもテイクアウトメニューを引き続き充実させる必要があるといえるでしょう。

客層別に見る平日の集客対策

飲食店における客層を5種類に分け、それぞれに対して行うべき平日の集客対策を紹介します。

  1. 会社員
  2. 学生
  3. 主婦
  4. シニア層
  5. フリーランス・個人事業主

1. 会社員

ビジネス街や繁華街の飲食店は、働く人のランチ利用が平日の利用者の多くを占めています。ディナーでは接待や仕事仲間との飲み会での利用が考えられるため、昼夜で提供メニューを変える必要もあります。

また、会社員のお昼休憩は1時間程度と短いため、混雑時には店先にメニューを設置して先にオーダーを取れるようにしておくと良いでしょう。

2. 学生

街中にある大学や専門学校の場合、昼休みに外食をする学生も多くいます。学生をターゲットにする場合、ランチでの大盛り無料や割引など、金銭的にお得さを感じてもらうサービスが効果的です。

学生限定のサービスメニューを提供することで、学生同士の口コミやSNSでの拡散が期待できます。拡散力の強いTwitterなどのSNSで、クーポンを発行するのも良いでしょう。

3. 主婦

主婦層は、ママ友同士のランチ利用が期待できます。レディースデイやレディースセットなど、女性を意識したサービスを用意しましょう。

また、座り心地の良いクッションを置くなど、リラックスして会話を楽しめるような空間づくりも大切です。キッズメニューやキッズコーナーなど、子どもに配慮した工夫があるとリピートしてもらいやすいでしょう。客単価のアップにもつながります。

4. シニア層

平日・休日問わず時間に融通がききやすいシニア層は、お店の工夫次第でリピーターとなる可能性があります。例えば、健康志向のメニューを提供したり、エアコンなどで室内の温度を最適に保ち、居心地の良い空間を作ったりという工夫が挙げられます。

また、メニューの読みやすさも大切です。タッチパネル式なら拡大ボタンを、ブックタイプなら写真や文字を大きくしたページを用意するといった配慮が重要です。

5. フリーランス・個人事業主

ランサーズ株式会社が2021年に実施したフリーランス人口の調査

ランサーズ株式会社が2021年に実施した調査によると、国内のフリーランス人口は1,577万人となっています。働き方改革やコロナ禍の影響もあり、フリーランスの事業者は増加傾向にあります。カフェでは飲食だけでなく、作業スペースとしての利用も考えられます。フリーランスは一人で行動する場合が多いため、一人席を設けることが有効です。

また、Wi-Fi環境を整えたり、ドリンクのおかわり一杯無料や「○○円で飲み放題」といったように、作業に適したサービスをアピールしたりすることで、集客につながりやすくなるでしょう。

LINE公式アカウントで情報を発信し、平日の集客アップを狙う

月間利用者が9,500万人(2023年3月末時点)存在するLINE(LINE公式アカウント)では、情報発信や予約受付など、集客につながる作業が簡単に行えます。クーポンやショップカードの利用を促すことで、平日の集客に結び付けることができます。

1. メッセージ配信

LINE公式アカウントのメッセージ配信では、お店のアカウントを友だちとして追加しているユーザーに向け、新規サービスやお得な情報を送って来店を呼びかけることができます。友だちに追加しているユーザーを年齢や居住地域、性別などで分類できるため、マーケティングの手段としても有効です。

また、個別対応ができるチャット機能もついているので、顧客と1対1のコミュニケーションを取ることができます。チャットで対話を重ねることで店舗を身近に感じてもらいやすくなるため、リピーターの育成に効果的です。

2. クーポン配信

クーポン配信は使用可能な回数や有効期限などを詳細に設定できるため、「1ドリンク無料クーポン」「先着〇〇名に〇〇をプレゼント」というように、お店の状況に合ったクーポンを提供できます。クーポンを発行することで、Web経由での予約数が増加する例もあり、予約促進効果が期待できます。

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3. ショップカード機能

ショップカード機能は、お店のデジタルポイントカードとして利用できます。紙製のポイントカードと比較して、カードの製作費を削減できるだけでなく、押印の手間も省けるため、従業員の作業も効率化できます。ポイントを貯めたことによる割引やサービス提供は、来店への動機づけとして有効です。

まとめ:LINE公式アカウントで顧客分析し、集客・リピーター獲得に活用しよう

平日は多くの方が働いているため、休日との売り上げの差が明確に出てしまいがちです。平日の集客を成功させるためには、「お店の客層とロケーションの分析・対策」をしっかりと行った上で、ターゲットに響く情報を発信する必要があります。

顧客分析がしやすいLINE公式アカウントなら、ターゲットに合わせたお得情報の発信ができるだけでなく、チャット機能でお客さんと交流もできます。多くの人が普段使いしているLINEだからこそ、LINE公式アカウントもなじみやすく、情報が届きやすい仕組みが整っています。

まずはLINE公式アカウントを利用して、効果的なアカウント運用を行ってみましょう。