飲食店経営が難しい9つの理由。失敗しないポイントと開業に必要な手続きや資格を解説

飲食店経営者がスタッフにレクチャーしているイラスト

「開店して数年で半数が廃業する」といわれるように、飲食店経営には独特な難しさがあります。お店をオープンさせ、持続的なビジネスにするためには、さまざまな知識や施策を駆使して「難しさ」に対応していく必要があります。

これから飲食店を開業したいと考えている人に向け、経営が難しいとされる要因を伝えるとともに、失敗しないための開業準備の方法、流れ、必要な資格や届け出などについて解説します。

すでに飲食店を経営している人にとっても、より安定した経営を実現するためのヒントが見つかるかもしれません。

こんな人におすすめ

  • 飲食店経営が難しいといわれる理由、失敗しないための方法を知りたい方
  • 飲食店の開業を検討しており、準備や手続きの方法を知りたい方

飲食店経営が難しい9つの理由

飲食店の経営が難しいとされる9つの理由について解説します。

  1. 競合となる店舗・業態が多い
  2. 売上が不安定
  3. 顧客が飲食店に求めるハードルが高い
  4. 在庫管理が難しい
  5. 長時間労働で休日も取りづらい
  6. 開店費用・ランニングコストが高い
  7. 人材確保が難しい
  8. 高利益率体質につくりにくい
  9. 集客に苦戦しやすい

1. 競合となる店舗・業態が多い

飲食店業界は新規参入が多く、それだけ競合の多い業界といえます。中小企業庁が発表したデータ「2021年版 小規模企業白書(HTML版) 第2章 第3節『開廃業の状況』」を見ても、「開業率」に含まれる「宿泊業・飲食サービス業」が占める割合は他の業態を抑えトップです。飲食業界は競争が激しい業界であることが分かります。

同じエリアに同業態の競合店が複数あれば、もちろんお客さんの取り合いが激しくなることを意味し、経営の難易度は高くなります。また、コンビニやスーパーなど、飲食店でなくとも食品を取り扱う店舗も場合によっては競合になり得ます。

2. 売上が不安定

店舗の認知拡大に時間がかかるため、開業当初は売り上げが不安定になりがちです。天候や災害など自然的要因に売上が左右される部分が多いだけでなく、新型コロナウイルスのような未知のウイルスが発生した場合に営業自粛を求められるケースもあります。安定した売り上げを得るのが難しいということも、飲食店経営の難しさのひとつといえるでしょう。

3. 顧客が飲食店に求めるハードルが高い

日本は飲食店の数が多く、諸外国に比べて飲食店のレベルが高いといわれています。その分、顧客が飲食店に高い質を求める傾向にあります。

味だけでなくコストパフォーマンスや接客品質も高い水準が求められ、こうした要求に応えられなければ顧客が得られないという点も、飲食店の難しさです。

4. 在庫管理が難しい

生鮮食品を扱う飲食店では、来店者数が減ると食品を廃棄せざるを得ず、コストがかさみがちです。一方、予想より来店者が増えると在庫が追いつかなくなり、売上が頭打ちになってしまいます。来客数は季節や天候といったコントロールできない要素も影響するので、飲食店の在庫管理は簡単ではありません。

5. 長時間労働で休日も取りづらい

ランチとディナーのどちらも営業すると、どうしても労働時間が長くなってしまいます。また、休日を増やすと売上が落ちるため、開業後、売上が安定するまで休日を取りにくくなってしまいます。こうした労働環境整備が困難であることも、飲食店経営のハードルを上げる一因です。

6. 開店費用・ランニングコストが高い

飲食店を開業するためには、設備投資や物件の契約、店内のリフォームや家具の購入など、初期費用が高額になりがちです。焼肉店ならばロースターや客席ごとの換気扇が必要といったように、業態に応じて特別な設備が必要な場合もあるでしょう。

さらに、毎月の家賃、水道光熱費、食品の仕入れなどの支払いがあり、ランニングコストがかかります。

7. 人材確保が難しい

近年、盛んに報道されているように、人手不足も飲食店経営の課題のひとつです。人材が必要になったときに募集をしても人が集まらない可能性があり、休業を余儀なくされる深刻なケースも散見されます。

また、仮に集まっても、適切な人材を見極めて確保することは簡単ではありません。採用できても短期間で辞めてしまうなど、慢性的な人材不足に陥ってしまう飲食店は少なくありません。

8. 利益率や売上アップが難しい

古いデータですが、経産省発表資料「商工業実態基本調査」(1998年調査)によると、飲食店の平均利益率は8.6%。同資料には小売業の平均的利益率は2.1%とあり、他業種と比較すると飲食店の利益率は高いと読み取れます。

しかし、さらなる高利益率を追求しにくいのが飲食店経営の難しさです。利益率を求めて値上げしようにも、品質が伴わなければ顧客は得られません。

逆に値段はそのままに原価を下げると、今度は品質低下の可能性があり、顧客離れが懸念されます。提供するサービスと価格のバランスを取るのが難しい面があるといえるでしょう。

また、飲食店は売上アップが難しい側面もあります。小売業ならば「商品をたくさん売る」というアプローチが可能ですが、飲食店の場合、客席が限られていることから「お客さんを倍増させる」といった戦略が取りにくくなってきます。客席の回転数を上げることで来客数を増やすことはもちろん可能ですが、前述の通り多くの来客をさばくための人材確保が困難という課題もあるでしょう。

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9.集客に苦戦しやすい

マーケティングや経営の経験がない場合、集客に苦戦してしまう可能性があります。前述のとおり、飲食店は特に競合が多い業種です。集客においては、「誰をターゲットにするか」「どのように情報を伝えるか」といった戦略が必要になります。

飲食店経営で失敗しないための4つのポイント

飲食店のテーブルを拭く女性スタッフの写真

飲食店の経営に失敗しないための4つのポイントについて解説します。

  1. ターゲット顧客に合わせてコンセプト・メニュー・集客施策を考える
  2. 初期投資や販促にお金をかけ過ぎない
  3. 人件費がかからない経営方法やオペレーションを考える
  4. 飲食店の売上管理や在庫管理など、経営にまつわる要素を学び経験を積んでおく

1. ターゲット顧客に合わせてコンセプト・メニュー・集客施策を考える

お店のメニューや業態から顧客となるターゲットを絞り、それに合わせてお店のコンセプトを考えましょう。お店のターゲットを明確にすることで、顧客が求めるものと提供するものをマッチさせることができます。コンセプトを明確にしたうえで、メニューやお店の雰囲気を調整し、集客施策を検討しましょう。

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2. 初期投資や販促にお金をかけ過ぎない

飲食店経営には開業資金などの初期投資だけでなく、人件費や原材料費などの運転資金も必要です。初期投資にお金をかけ過ぎると、運転資金を確保できなくなる可能性があります。販促もコストをかけない方法を考えるといいでしょう。

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3. 人件費がかからない経営方法やオペレーションを考える

飲食店を経営するための運転資金で、特に大きな割合を占めるのが人件費です。大勢のスタッフを雇う前提で経営をすると、月々の負担が大きくなります。運転資金をなるべく低減するためにも、まずは人件費があまりかからない方法で開業しましょう。

4. 飲食店の売上管理や在庫管理など、経営にまつわる要素を学び経験を積んでおく

飲食店での就業経験や調理の技術があっても、経営の知識や経験が不足しているケースもあります。売上や管理についての知識を身につけておくことは、経営にあたって大きな武器になります。飲食店以外でもいいので、店長業務などを経験し、店舗の売上と在庫を管理して利益率を確保するノウハウを学んでおく必要があります。

飲食店の開業はどう進める?必要な手順と資格は?

飲食店開業までに必要な資格や許可申請、集客方法についてお伝えします。

飲食店の開業に必要な6つの準備

飲食店を開業するための事業計画書をまとめる写真

開業までには以下の準備が必要です。

  1. 事業計画の策定
  2. 資金調達
  3. 物件や設備、仕入先やメニューの設定
  4. 資格取得や各種届出の提出
  5. 集客・従業員の雇用
  6. 各種保険への加入
1. 事業計画の策定

開業にあたってどれくらいの資金が必要かに加え、家賃、水道光熱費、人件費、仕入れなど、1カ月あたりのランニングコストを考えましょう。ランニングコストからお店の目標客数を割り出し、達成するためにはどのような立地で、どのようなコンセプトの飲食店を開業すればいいのかを検討し、計画書に落とし込みます。

事業計画書があることで経営を客観視できるようになります。また、金融機関に融資を求める場合にも事業計画書が必要です。

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2. 資金調達

初めての開業だと、銀行から融資を受けるのが難しいことがあります。こうした場合、政策金融機関の「日本政策金融公庫」で、開業資金の支援申請をしてみましょう。

事業計画書をもとに、実現可能なビジネスプランかどうか、経営能力があるか、といった要素が審査され、支援の可否が決まります。申請にあたっては、ある程度の自己資金を確保しておきましょう。

3. 物件や設備、仕入先やメニューの設定

事業計画に基づき、物件や設備、内外装を決めていきます。人気エリアの場合、飲食店向け物件は争奪戦が激しく、順番待ちということも考えられます。また、物件が決まったとしても昨今の木材不足、半導体不足などの影響で店舗立ち上げにはかなりの時間が必要になるケースもあります。事業計画が形になったらできるだけ早く立ち上げに取りかかれるように準備しておきましょう。

店舗立ち上げと並行し、仕入先の確保、メニューと提供価格の設定も重要です。

4. 資格取得や各種届出の提出

開業にあたり、必要な資格を事前に取得しておきましょう。保健所に届けを出す「食品営業許可申請」は全ての飲食店に必要です。その他業態によってさまざまな手続きがあるので、自分のお店の業態で必要となる資格や届出を早めに調べて準備をしておくと安心です。

5. 集客・従業員の雇用

開業前であっても集客施策に取り組むことは可能です。開業日までに少しでも商圏内での認知を高めておくべく、SNSのアカウントやウェブサイト、ポスティングなど、オンライン、オフラインで施策を実施しましょう。

また、人材確保も必要です。前述のとおり最近は人手不足が叫ばれています。オープニングスタッフの募集は早めに始めましょう。

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6. 各種保険への加入

厨房で火を取り扱う飲食店を開業するなら、火災保険に加入しておくべきです。その他にも店舗休業保険や賠償責任保険など、さまざまな保険があります。お店の業態に合った保険に加入しましょう。

飲食店の開業に必要な資格と許可申請

飲食店を開業するために必要な資格と許可申請について見ていきましょう。

  1. 食品衛生責任者
  2. 防火・防災管理者選任届
  3. 飲食店営業許可
  4. 深夜酒類提供飲食店営業届
  5. 個人事業の開業・廃業等届出書
  6. 青色申告承認申請書
1. 食品衛生責任者

「食品衛生責任者」は飲食店経営には必須の資格で、店舗に1人は同資格所有者がいる必要があります。取得するには講習を受けなければなりませんが、自治体によってはオンラインで講習を開いている場合もあるので確認しましょう。資格取得費用は1万円程度です。調理師免許などの資格を持っていれば、講習が免除となる場合もあります。

2. 防火・防災管理者選任届

火事を防ぐための「防火・防災管理者」の資格は、店舗の規模によって不要な場合があります。もし開業するお店が30人以上収容する可能性がある場合は、防火管理者の資格を持つ人が1人必要になります。店舗の規模に応じて「甲種」「乙種」に区分され、消防署などで1~2日の講習を受講して届け出ます。

3. 飲食店営業許可

飲食店営業許可を受けるには、管轄の保健所に申請して検査に合格する必要があります。検査基準は飲食店の業態や管轄の保健所ごとに異なるため、内装工事に入る前に施設や設備要件について管轄の保健所に相談しておくといいでしょう。

4. 深夜酒類提供飲食店営業届

深夜にお酒を提供する飲食店には、「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書」の提出が必要です。深夜0時から午前6時までの間にお酒を提供する飲食店を開業する場合は、オープンの10日前までに所轄の警察署に届け出ましょう。

5. 個人事業の開業・廃業等届出書

業種は問わず、個人事業主として開業する場合は、国や自治体に開業したことを知らせるための「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出が必要です。開業日から1カ月以内に、納税地の税務署へ提出しましょう。

6. 青色申告承認申請書

確定申告を青色申告で行う場合、上記の「個人事業の開業・廃業等届出書」と一緒に「所得税の青色申告承認申請書」も税務署に提出しなければなりません。

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開業前に準備したい集客・販促の6つの方法

飲食店経営に重要なのが集客です。開業前に準備したい集客と販促の6つの方法をお伝えします。

  1. ポスティングの準備
  2. グルメサイトを利用した集客
  3. SNS広告やアカウントの運用
  4. ポータルサイト・クーポン配信サイトの活用
  5. Google ビジネス プロフィールの登録
  6. LINE公式アカウントを活用した集客
1. ポスティングの準備

利用客が住むエリアで効率よく宣伝できるポスティングは、飲食店の集客に適しています。お店の魅力が伝わるようなチラシを制作して、お店に人を呼び込みましょう。休日前日や複数回ポスティングするなどの工夫をすると、より効果が出やすいでしょう。

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2. グルメサイトを利用した集客

グルメサイトでお店を見つけてもらうことも、集客につながります。写真映えのする料理や、季節・行事に合わせたメニューなど、掲載情報を工夫し、より多くの人にお店の魅力を伝えましょう。

3. SNS広告やアカウントの運用

お店のSNSアカウントを開設して、コンテンツをできるだけ毎日投稿しましょう。ハッシュタグやキーワードをうまく盛り込み、開業前にできるだけ多くの人に認知してもらう工夫が必要です。SNS広告の出稿もお店のプロモーションや集客に適した方法です。

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4. ポータルサイト・クーポン配信サイトの活用

グルメサイトだけでなく、地元情報やテイクアウト情報などさまざまな情報をまとめたサイト(ポータルサイト)はたくさん存在します。無料で情報を登録できる場合もあるので、こうした情報集約サイトに登録し、お店の情報やお得なクーポンを配信することも、来店のきっかけづくりになるでしょう。積極的に活用しましょう。

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5. Google ビジネス プロフィールの登録

Google ビジネス プロフィールは、無料でお店の情報を登録・発信できるツールです。Google検索やGoogleマップ検索の結果に表示されるお店の情報を管理できるので、営業時間や定休日など、お客さんにとって必要な情報をできるだけ詳しく掲載しましょう。

6. LINE公式アカウントを活用した集客

店舗用のLINE公式アカウントは、無料で便利な機能がたくさんあります。友だち追加したユーザーへのメッセージ送信はもちろん、ユーザーとのチャットも可能です。また、クーポンの配信や、ポイントカードの機能を備えたショップカードの作成もできます。開業前にホームページやSNSなどでLINE公式アカウントについて宣伝し、友だち登録者を増やしておくといいでしょう。

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関連記事:飲食店におすすめのWeb集客とは?試してみたい5つの方法(制作中記事なので、公開後に差し込みます)

まとめ:LINE公式アカウントでの集客で飲食店の経営を安定させよう

飲食店の開業にあたっては、さまざまな準備が必要で、経営を成功に導くためにはどれも重要です。また、飲食店経営に必要なのは料理の技術だけではありません。お店の運営管理、集客や販促施策、マーケティング活動など、経営に関するさまざまな知識も要求され、開業前の事前準備も必要です。

開業前にしっかり準備をし、万全の態勢でオープンしお客さんを迎えましょう。


飲食店経営に役立つLINE公式アカウント

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LINE公式アカウントを開設している写真