飲食店集客のアイデアまとめ。SNSやツール活用に失敗しない考え方も紹介

飲食店の店員が集客のアイデアに悩んでいるイラスト

SNS、ホームページ、グルメサイト、チラシ……飲食店の集客方法にはさまざまなアイデアがありますが、何から始めれば効率的なのか分からないという人もいるかもしれません。

飲食店の集客アイデアを探している経営者や店主向けに、どんな集客方法があるのか、集客で失敗しないために理解しておくべきことを紹介します。優先度の高い内容を解説するので、ぜひ「最初に注力すべきこと」の参考にしてみてください。

広告での集客方法については、以下の記事で細かく紹介していますので、あわせて参考にしてください。

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こんな人におすすめ

  • 飲食店の集客アイデアを探している人
  • どんな集客方法が自分の店に合っているか分からない人
  • 他のお店ではどんな集客成功例があるのか知りたい人

飲食店集客は、3ステップに分けて考える

飲食店の集客には3つのステップがあり、ステップごとに適した集客方法を考えるのが効率的です。ステップは次のとおりです。

  • ステップ1:初来店
  • ステップ2:再来店(リピート)
  • ステップ3:継続利用(常連化)

以上の3ステップから、自分のお店はどのステップに課題があるのかを分析しましょう。そして、分析をもとに「まず着手すべき集客方法」を選ぶことで、効率的なアプローチが可能になります。

例えば、「集客は広告に依存しがちで初来店のお客さんは多いけれど、なかなかリピートが得られない」という状況を考えてみましょう。こうした状況にもかかわらず、延々と初来店向けの集客を続けても、顧客資産は増えていきません。つまり、課題は再来店や継続利用のステップにあり、必要なのはお客さんにリピートしてもらい、常連化へとつなげる施策です。

やみくもに施策を講じるのではなく、まずは自分の店がどのステップにおいて課題を抱えているのか理解し、適切な集客アイデアや施策に着手するのが大切です。

次に、3つのステップそれぞれにどのような施策があるか、具体的に解説していきましょう。

ステップ1:初来店のお客さんを増やす方法

飲食店の店員とお客さんが描かれたイラスト

初来店客の集客方法は非常に多岐にわたり、その全てを実施するのは現実的ではありません。必要な費用だけでなく、実際に施策にあたるスタッフの労力や心理的負担も考えながら、効果の高い手法を見極めて実施する必要があります。

  1. グルメサイトへの掲載
  2. Google ビジネス プロフィールの活用
  3. SNSの活用
  4. 立て看板の活用
  5. チラシの配布
  6. 営業時間の拡大
  7. テイクアウトやデリバリーの導入

1. グルメサイトへの掲載

グルメサイトへの掲載は王道の方法で、高い効果が期待できます。また、必ずしも高額な掲載プランである必要はなく、最低限のプランで十分な場合もあります。

販促費に余裕があれば複数のグルメサイトに掲載する、コストを抑えるなら「食べログ」などクチコミ型のグルメサイトにしぼって掲載するなど、予算に応じて施策を最適化して考えましょう。

SNSや検索経由でお店を知った人でも、グルメサイトでさらに詳しい情報を確認したり、そこから予約したりして来店するケースもあります。最低限のプランでも、お店の情報を掲載しておくことの恩恵はあるでしょう。

なお、グルメサイトへの広告は出しっぱなしにせず、必ず効果測定を行いましょう。費用対効果を確認し、成果が出なければ掲載するメディアを変更するなどの継続的な改善施策が必要です。

2. Google ビジネス プロフィールの活用

Google ビジネス プロフィール」は、店舗情報を無料で掲載できるGoogle社が提供するサービスです。お店の情報を登録しておくと、Google検索やGoogleマップ上でお店の情報が表示されやすくなります。

現状、検索サイトで飲食店に関する検索を行うと、上位に表示されるのはGoogle ビジネス プロフィール掲載の情報かグルメサイトの情報がほとんどです。そのため、グルメサイトとあわせて対応しておくと、お客さんが検索したとき見つけてもらいやすくなり、その分、集客効果にも期待できます。

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3. SNSの活用

基本的にSNSは初来店施策ではなく、リピート・常連客向きのコミュニケーション手法です。すでにお店を知っているお客さんに対して、「本日のメニュー」や営業情報を届け、再来訪を促すのが一般的です。

しかし、若者を中心にInstagramやTwitterを活用してお店検索をするという行動が増えています。このことから、再来店施策としてだけでなく、初来店を促すツールとしての価値もあります。

ただし、SNS運用には手間やコストがかかります。YouTubeやTikTokといった動画主体のサービスも話題ですが、動画は写真以上に投稿のハードルが高く、ノウハウがないまま参入してすぐに効果を出すのは難しいでしょう。新規のお客さん獲得が主目的であれば、SNS施策を優先する必要はありません。

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4. 立て看板の活用

お店が通行量の多い立地にある場合、おすすめメニューなどを立て看板に掲載して店頭に置くことで集客効果に期待できます。路地裏や路面店以外(地下や2階以上など)の立地においても有効な方法です。お店の前を通行する人に魅力的な情報を掲載すれば、新規来店につながる可能性があります。

また、お客さんに歩きながらでも気付いてもらい、興味を持ってもらうようにアピールするためには、情報を詰め込み過ぎてはいけません。ターゲットとなるお客さんに合わせて伝えたい情報をシンプルにまとめ、目立たせつつ、分かりやすい看板にしましょう。

立て看板の内容やデザイン、店構えやのぼりのデザインなどに統一感があると、「このお店の看板だ」とお客さんも気付きやすくなります。

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5. チラシの配布

チラシの配布は、新規オープンやリニューアルオープンなどの告知に向いています。住所や地図、営業時間などの基本情報とともに、看板メニューやお店の雰囲気が伝わる店内写真が目立つよう、上手にデザインしましょう。

お店の徒歩圏内にある家に投函すると、お客さんも足を運びやすいためチラシを見て来店してくれる可能性があります。特にデリバリーをしているお店の場合、クーポンと組み合わせると反応率が上がると言われます。投函する前に想定エリアを実際に歩いて、ファミリー層が多いか、独身者が多いかなど、周辺地域の特性を把握しておくと、より効果的なチラシ作りができます。

ただし、チラシの配布方法には検討が必要です。特にスタッフにチラシ配りをしてもらうかは、よく考える必要があります。屋外での配布活動は気候によっては重労働になる上に、手渡しとなれば、よりハードルの高い作業になってしまい、従業員満足度が下がってしまう可能性もあります。

また、チラシ配布の頻度にも配慮が必要です。新規オープンやリニューアルオープンならば「チラシを配布する必然性」が高く効果的ですが、あまりに頻繁に配布すると「はやっていないお店なのでは?」と思われてしまう可能性があります。

新規オープン時や特別メニューを用意したタイミングなど、「お客さんに伝えるべき情報」がきちんと準備されたタイミングを見極めて配布するといいでしょう。

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6. 営業時間の拡大

ランチ営業や深夜営業を増やす、オフィス街で土日も営業するなど、営業時間の拡大も集客アイデアのひとつです。例えば、ランチで来店してくれたお客さんがお店を気に入り、夜に食事に来てくれるといったように、営業時間中はお店の宣伝にもつながります。

もちろん、お店の売上増にもつながりますが、実際に営業時間を拡大するかどうかには慎重な判断が必要です。時間拡大とともに、従業員確保、在庫確保などコストも大きくなります。また、ランチタイムとディナータイムとでは客単価や回転率、客層も異なることから、期待通りの売上が得られるかは未知数です。

お店の認知拡大、そして期待する売上金額など、効果とコストのバランスをしっかり見極めて判断しましょう。

7. テイクアウトやデリバリーの導入

テイクアウトやデリバリーといった営業形態も、新規のお客さんとの接点として活用できます。「お店に入って食べる時間がない」「小さい子どもがいてお店に行きにくい」といった潜在的なお客さんにもアプローチできるからです。テイクアウトでメニューを気に入ってくれれば、その後の来店にもつながる可能性があるでしょう。

ただし、テイクアウトやデリバリーの導入に関しては上述の営業時間拡大同様、慎重な判断が必要です。テイクアウト向けの新たなオペレーション導入によって、本来主軸である店舗内のオペレーションがおろそかになってしまうなどのリスクがあるからです。

また、テイクアウトやデリバリーの導入には、持ち帰り用の容器の購入や告知費用などのコストや手間が発生します。時間がたってもおいしく食べられるようなメニュー開発が必要になる場合もあるでしょう。

お客さんの来店施策、また、売上向上施策としても効果が期待できる取り組みですが、こちらも期待する効果とコストのバランスを考慮し、実施を判断するといいでしょう。

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ステップ2:再来店(リピート)のお客さんを増やす方法

ビールで乾杯している写真

お客さんに「また来たい」と思ってもらうためには、表面的な施策を行うよりも、接客と料理、お店の雰囲気を気に入ってもらうよう注力することが大事です。来店時に良い印象を持ってもらうことで、リピートのみならず、クチコミを通じてさらなる顧客獲得につなげることもできます。

ここからは、お客さんに良質な体験を提供し、満足度を上げ、次なる来店につなげるための具体的な施策を紹介します。

  1. 看板メニューの開発
  2. 店内オペレーションを工夫する
  3. ポイントカードやクーポン施策

1. 看板メニューの開発

まずはお店の看板メニューを開発することが考えられます。このお店でしか食べられない、体験できないというメニューが用意できれば、それを目当てに再度来店してもらいやすくなります。

また、見た目や味の良さも重要ですが、お客さんに伝えられるメニューならではの情報やストーリーがあるかどうかも大切です。そのメニューの歴史、食材や調理法へのこだわりといったストーリーをお客さんに伝える工夫、ジュージューと音がするような熱々の鉄板に盛りつけて提供方法に特別感を演出するなど、お客さんにアピールできる要素を増やすと、記憶にも残りやすくなります。

悩ましいのは価格設定ですが、これについては2つの考え方があります。ひとつは「若干高めに設定して売上の安定につなげる」という考え方です。「ここでしか食べられない」メニューであれば、多くのお客さんからオーダーされることが考えられ、高価格に設定すればお店の売上に大きく貢献するでしょう。

また、一方で「若干安めにして集客アップにつなげる」という考え方もあります。「ここでしか食べられない」メニューを多くのお客さんに味わってもらい、薄利多売を狙う戦略です。「お手頃でおいしい」という印象をお客さんに与えられれば、クチコミによる広がりも期待できます。

どのような価格設定にするにせよ、まず大事にすべきはお客さんにとって満足度の高いメニューにすることです。

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2. 店内オペレーションを工夫する

店内オペレーションを工夫することも重要です。すぐに取り組めるものとしては、「ドリンクの提供速度を早くすること」が挙げられ、とくに1杯目が大切と言われています。最初の1杯の提供が遅いと、来店時の第一印象が悪くなりやすいからです。

また「1杯目ドリンク」になることが多い生ビールはお店の第一印象を左右する大事な要素です。生ビールの状態は他店と比較しやすく、お店の良し悪しの判断基準にされやすくもあります。グラスやサーバーの洗浄はもちろん、泡の状態を整えて提供するなど、生ビールのオペレーションには気を配りましょう。

そのほか、自信のある看板メニューをできる限り注文してもらえるように、メニュー表を工夫することも考えられます。人気南インド料理店「エリックサウス」のメニュー表づくりの工夫も参考になります。

どこのお店で食べても同じような定番料理を注文されて、それだけでお店の印象を判断されてしまうのは機会損失です。「自分のお店ならでは」の看板メニューをオーダーしてもらえるよう、工夫しましょう。

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3. ポイントカードやクーポン施策

ポイントカードやクーポン施策にも再来店を促す効果が期待できます。しかし、お得要素だけで再来店を促しても、常連化へとつなげていくのは困難です。

まずはお客さんの店内での飲食体験を高めることに注力した上で、余裕があればプラスアルファの施策として検討するといいでしょう。

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ステップ3:継続利用(常連)のお客さんを増やす方法

飲食店のメニューを上から撮った写真

再来店を習慣化させて常連になってもらうためには、接客の心地よさやグランドメニューの安定感に加えて、小さな変化や刺激を演出してお客さんを飽きさせない工夫が必要になります。変わらない安心感と新鮮さへの好奇心、その両方を感じてもらうお店づくりが重要です。

  1. 季節メニューの開発
  2. イベントの開催
  3. お客さんとの密度あるコミュニケーション

1. 季節メニューの開発

季節に応じた限定メニューを定期的に投入することで、何度も通っているお客さんに新鮮さを提供できます。その季節の定番食材の定番メニューと、目新しい調理方法や食材を組み合わせたメニューなど、いくつかのアプローチでメニューを用意し、お客さんに「悩む楽しさ」を提供するのもおすすめです。

どんな季節メニューがいいか新しいアイデアを得るためには、情報収集も大切です。他店のメニューや雑誌などはもちろん、レシピサイトでの流行なども参考にしましょう。

季節メニューはグランドメニューに比べて単価や利益率を高めに設定しやすいため、店舗運営上のメリットにもなります。評判の良かったメニューは、食材の確保や季節感などに問題がなければグランドメニューに追加し、新たな看板メニューに育てていくことも可能です。

2. イベントの開催

月イチなどのペースで定期的にイベントを開催することで、お店を忘れさせないようにして来店の習慣をつけてもらうことが可能です。イベントの例としては、ドリンクを100円や半額にするお得なフェア、季節の食材フェアといったアイデアが考えられます。

イベントを企画する際は、「イベントを行う目的」をはっきりさせておくと、より具体的な施策につなげることが可能です。例えば、客数の少ない曜日の集客につなげる、おすすめメニューを試してもらうことを目的としてイベントを開催するなどが考えられます。

ただし、注意すべきはイベントの頻度です。あまりに頻繁にイベントを実施していると、お客さんにとって特別感が失われてしまい、本末転倒になってしまいます。事前告知やイベント用の食材確保などコストも必要になるので、きちんと目的意識を持ち、適切なタイミングでイベントが開催できるよう計画しましょう。

また、お客さんの常連化が目的であれば、イベントと合わせて次回の来店につながるような施策をセットで行うと効果的です。例えば、クーポンを配布したり、LINE公式アカウントへの登録を促すといった方法が考えられます。イベントによって得られた集客を「その場」だけで終わらせるのではなく、顧客化へとつなげ、お店の資産にすることを考えましょう。

イベント開催は新規顧客の来店にもつながります。常連さんが知り合い(新規のお客さん)を連れてくるきっかけにもなり、集客の循環が生まれやすくなります。来店ハードルが下がり、初めて来店するお客さんも見込めるので、ぜひ積極的に取り組んでみてください。

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3. お客さんとのコミュニケーション

カウンターだけの店舗など、お客さんとの距離が近い店舗の場合は、積極的なコミュニケーションも有効です。お客さんとコミュニケーションを取ることで、「〇〇さんの店に行こう」とスタッフを目当てに来店してもらえることもあります。

会話をするのが苦手だという場合でも、来店時のお迎えと退店時のあいさつをしっかりするだけでも印象が変わります。また、何を話したらいいか分からないと思う場合も、逆にお客さんから話してもらうような雰囲気にして、それをじっくり聞くことで満足度は高まります。

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アイデアや施策を実施したら、振り返りと効果検証が大事!

さまざまな集客のアイデアや実践例を紹介しましたが、どのケースにおいても「やりっぱなし」では、その後の改善につながりません。課題を見つけ、それを解消するためになんらかの施策を行ったら、その後、得られた効果や投じたコストなどをきちんと振り返ることが重要です。

コストに見合った集客が得られたか、オペレーションに課題はなかったか、など、よりお客さんの満足度を上げ、その後の常連化までを意識した振り返りと検証を欠かさないようにしましょう。

振り返りのために必要なのは、施策の目的をきちんと設定しておくことが重要です。「〇〇人の集客、〇〇万円の売上、LINE公式アカウントの友だち数〇〇人」のように、施策に応じて具体的な目標を設定しておくことで、振り返りの際、施策の何がうまくいったのか、何が課題だったのかが検証しやすくなります。なんらかの施策に着手する前に、こうした目標を忘れずに設定するようにしましょう。

集客事例:接客を効率化しながら、お客様の満足度・売上・リピート率を向上

飲食店のシェフのイラスト

ここで、実際に集客に成功した事例を紹介します。モバイルオーダー(店内注文)機能を持つ「LINEミニアプリ」を活用した例です。

東京・五反田にある炎丸酒場では、LINEミニアプリを利用したモバイルオーダーを導入しました。結果、お客さんが好きなタイミングで気兼ねなく注文でき、スタッフもオーダーを取りに行く必要がなくなり、業務効率アップにつながったといいます。導入前は、スタッフからオペレーションやお客さんとのコミュニケーションが低減するといった不安があったといいますが、業務効率が向上した結果、そのぶん自由に接客する時間ができるようになったそうです。

また、看板メニューである「鶏ももの唐揚げ」の調理シーンの動画をメニュー画面に掲載したところ、注文数も1.5倍に増加しており、モバイルオーダーならではのコミュニケーション手法が効果を発揮しています。

オーダーをする際、店舗のLINE公式アカウントを「友だち追加」してもらえるので、その後のリピート集客につなげやすいのも特長です。実際、登録してもらったお客さんにさまざまなセグメント配信を行うことで再来店へとつなげています。再来店のお客さんが新規のお客さんを連れてくることもあり、360円のメッセージ配信コストで、18万円の売上を創出したこともあるそうです。

www.lycbiz.com

まとめ:お店の課題に合わせて集客方法を考えよう

繰り返しになりますが、集客施策はあれもこれもとやみくもに実施するのではなく、お店の課題に合った方法を実践することが重要です。

また、集客だけでなく、良質なメニューやサービスといったお店の本質的な価値を追求し、満足度を高めてリピートにつなげる取り組みも忘れてはなりません。

LINE公式アカウントを活用すると、メッセージ配信やクーポン機能を使うことができ、良い接客から再来店に結び付けるためのひと押しができます。また、モバイルオーダー機能を活用することで店舗オペレーションの効率化や、より豊富な情報をお客さんに提供しリピートを促すことも可能です。多くのお客さんが使い慣れているLINEでオーダーできるので、抵抗なくスムーズに導入できるでしょう。

さまざまなLINEの機能を集客に活用し、お客さんに喜んで通ってもらえるお店づくりに取り組んでください。飲食店運営に役立つLINE活用の詳細は、下のバナーから確認できます。

イラスト/つのがい