
神戸のソウルフード「ぼっかけ焼きそば」の専門店「長田本庄軒メトロセンター西葛西」に、LINE公式アカウントの活用方法を伺いました。
牛すじ肉をとろとろになるまで数時間煮込んだ「ぼっかけ」を焼きそばと絡めて提供する「ぼっかけ焼きそば」の専門店「長田本庄軒メトロセンター西葛西」。カウンターごしに調理風景を見ることができるライブ感が人気です。
そんな同店で、お客さんとの関係構築に欠かせないSNSツールとなっているのが「LINE公式アカウント」です。長田本庄軒ブランド責任者の古川達也さんに、リピーターを育む店づくりと、LINE公式アカウントの具体的な活用術について伺いました。

- 古川達也さん
-
長田本庄軒ブランド責任者。
一時閉店するも、2024年に東京再上陸のワケ

――「長田本庄軒 メトロセンター西葛西」の特徴やコンセプトについて教えてください。
古川さん:ぼっかけ焼きそばの専門店です。ぼっかけというのは、神戸市長田区のソウルフードで、牛すじとこんにゃくを甘辛く煮込んだもの。主にうどんなどに入れて"ぼっかけうどん"として食べられています。うちではそこにヒントを得て、オリジナルソースとともに焼きそばと絡めて焼き上げるスタイルで提供しています。

――東京ではあまり馴染みのないぼっかけですが、作り方に特徴はありますか?
古川さん:コクや旨みを出すために3つの部位の牛すじを使っています。1つはアキレスの部分で、あと2つは企業秘密です。長い時は半日ほど炊くことで味を引き出しています。

――お店のおすすめメニューについて教えてください。
古川さん:鉄板はぼっかけ焼きそばとふわとろぼっかけオムそばですが、どて焼きなどのおつまみメニューもおすすめです。

一人前ずつ焼いているので、注文が重なるとどうしてもお客さまをお待たせしてしまうこともあります。今までは調理をしながらお声掛けして、お待ちいただく時間を退屈に感じさせないよう工夫していたのですが、最近すぐに出る一品メニューを増やしました。お酒のつまみとして楽しんでいただきたいという思いもありつつ、何かつまみながら目の前の鉄板で焼きそばを焼いているところを見ていただければ、お待ちいただく時間が楽しくなると思っています。
――お酒とおつまみを楽しみながら、締めのような形で焼きそばを食べるのもよさそうですね。お店の成り立ちについても教えてください。
古川さん:関西を中心に店舗を展開しています。都内の店舗はJR立川駅の駅構内に「エキュート立川エキナカEAST店」があったのですが、2022年に閉店しまして、2024年6月に再び都内進出ということで、ここメトロセンター西葛西をオープンしました。
――立川のお店をクローズして、2年前にここ西葛西に新店をオープンしたきっかけや理由は何でしょうか?
古川さん:神戸の中心街・三宮にもお店がありまして、そこで立川の(お店の)お話をされるお客さまがたくさんいらっしゃったんですよね。そういうお客さまの声を聞くたびに、またいつか東京に出店をしたいと考えていました。立川のように賑わいのある街でという条件で出店地を探したところ、西葛西駅前のこの場所と出合いました。
お店のあるメトロセンター西葛西は、西葛西の駅からも近く、商店街のようなにぎわいがあり、長田本庄軒が大事にする人情みのある風景とも相性が良いと感じました。
――西葛西といえば住宅地も多いエリアですが、どのようなお客さんが来店されますか?
古川さん:立川のほか、以前は亀有(アリオ亀有)でも営業していたので、その2店舗にかつてお越しくださった方、三宮のお店に行ったことがあるという方など、昔から長田本庄軒のことを知っていらっしゃる方が多いですね。最近はSNSを見て、遠方から来ていただく方も増えている印象です。
――お客さんの年齢層や客層はどのような感じでしょうか?
古川さん:家族連れ、サラリーマンの方など、老若男女幅広くご利用いただいています。平日のランチ営業時はご年配の方も多いですね。
近隣に住まれている、お勤めされている方も、リピーターとして何度もお越しくださっています。

クーポンのクリック率は「20%以上」をキープ!
――集客のために工夫していることはありますか?
古川さん:SNSを積極的に活用しています。Instagramでは、調理シーンをリールとして投稿しています。
食べる前のワクワク感と臨場感を動画でも伝えられればと。おかげさまで、Instagram経由で外国人のお客さまが増えました。
――Instagramとは別でLINE公式アカウントも運用されていますが、LINE公式アカウントはいつ頃から始められたのでしょうか?
古川さん:1年ぐらい前から始めました。新規のお客さまに対する認知拡大が目的のInstagramに対し、LINE公式アカウントは、一度来てくださったお客さまとの関係構築(リピーターづくり)が目的です。

主に、登録時の特典(「神戸どて焼き 1本無料」「超大盛り無料」)配信とクーポンの定期配信を行っています。

――お客さんの反応が良かったクーポンはありますか?
古川さん:やはり、期間中であれば何回も使えるものが好評ですね。生ビールも最初の一杯だけでなく、「おかわりもOK」と書くと、かなり反応がよくなりました。
中には、200%、300%の売上効果を出すクーポンもあります。クーポンの内容次第で利用率に大きく差が出ますし、来店されるお客さまの数も変動します。
開封率やオーダー数などのデータを取り、分析しながら、より効率的で、なおかつお客さまも喜んでくださるようなものを見つけていこうというのが今の段階です。

――その他、LINE公式アカウントを始めたことで、どんな効果が出ていますか?
古川さん:フェアや新商品の告知でも良い影響が出ていると思います。常連客の方に「あれ見たよ」みたいな感じで声をかけていただくこともあります。
3カ月ほど前に新メニューの「朝そば」を始めたときも、LINE公式アカウントから告知したところ、提供初日の朝7時半ぐらいからお客さまが来てくださって、効果を実感しましたね。

――LINE公式アカウントの配信内容はどのように考えられていますか?
古川さん:週末もしくはその日の夜にクーポンを使っていただきたいので、必ず金曜日の通勤時間帯に配信しています。デザインや文章、内容に関しても毎回変えて配信するようにしています。
以前はテキストとクーポン画像(クーポンページへのリンク付き)をセットで配信していたのですが、リンクのクリック率がなかなか上がらず……。そこで、思い切ってテキストをなくし、クーポン画像に文字入れして「画像1枚」のスタイルで配信しました。その改善のおかげで、現在はクリック率20%以上をキープできています。

――20%というのはすごいですね。「画像1枚」の投稿に切り替えたことで、インパクトのある料理写真が目に入りやすくなった、という理由もあるのではないかと思いました。
古川さん:たしかに、料理写真にはこだわっていますね。スタジオで撮影することもあるほどです。お客さまがお料理を前にした時と同じ目線で撮ると反応がいい気がしますね。
あと、商品のシズル感がきちんと伝わるよう、配信内容でも料理写真は極力大きく使うようにしています。
――クーポンを活用しながら着実にリピーターを獲得されている様子が伝わりました。最後に、今後の展望について教えてください。
古川さん:ぼっかけの食文化と、店舗でのライブ感ある提供スタイルを大切にしたいと思っています。スタッフにも、お客さまとの距離感を活かした接客やサービスをしようと常日頃から話していて。本場神戸のお店のように、目の前の鉄板で料理を焼いて提供する臨場感や風情を一人でも多くのお客さまに伝え、五感で楽しんでいただけるようなお店を目指したいですね。

自家製麺のおいしさを活かしたメニュー開発など、今後もいろいろなことに挑戦していくので、楽しみにしていてください。
気になるあのお店のLINE公式アカウント活用事例
【取材先】
長田本庄軒メトロセンター西葛西
住所:東京都江戸川区西葛西6-14-2メトロセンター西葛西1番街
TEL:050-5488-2255
営業時間:平日7:00-9:30/11:00-22:00、土日11:00-22:00
HP:https://nagata-honjoken.com/
Instagram:https://www.instagram.com/nagatahonjyoken
取材・文/花沢亜衣
東京生まれ。食や暮らしにまつわるジャンルを中心にWEBメディア・雑誌で編集や執筆を行う。三度の飯より食べることが好き。一番好きなお酒は青空の下で飲むお酒。2023年J.S.A.ワインエキスパート呼称資格取得。2025年5月に酔談録『二軒目は路面店』を発売。
Instagram:@aipon79
写真:佐坂和也
編集:はてな編集部

