“タイミーさん”が働きやすい店の特徴とは。MASTERランクのスポットワーカーが見た、現場のリアル

タイミー企画アイキャッチ画像

本業の傍ら、「タイミーさん」としてさまざまな飲食店で働いてきたBUBBLE‐Bさん。スポットワーカーとしての実際のエピソードを交えながら、「働きやすいお店」についてご執筆いただきました。


人手不足が著しい昨今。特に忙しい週末などは、「スポットワーカーなくしては営業できない」という飲食店も増えてきているのではないでしょうか。

ライターのBUBBLE‐Bさんは本業の傍ら48歳で「タイミーさん」として飲食業界に飛び込み、あらゆる業態のお店でスポットワーカーとして働いてきました。

入店後、すぐに即戦力として働くことが求められる中で、どのようなお店が「働きやすい」と考えているのでしょうか。

これまでの経験を振り返りながら綴っていただきました。

スポットワークだから飛び込めた、憧れの飲食業

現在、私はスポットワーカーとして、ショッピングモールのフードコートや駅構内のそば店、空港や観光地にあるレストラン、ホテルのビュッフェ会場など、さまざまな飲食店で働いています。

当初はホール担当でしたが、洗い場の面白さに目覚めてからは、全体の8割くらいを洗い場で応募するようになりました。

すでに50回近く働き、中でもよく利用しているタイミーでは「MASTER」レベル*1に達しています。

BUBBLE-Bさんの「タイミー」アプリマイページ

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ミスをやらかすも、なんとか完遂。ホールの仕事に初挑戦したあの日

もともと私は外食が大好きです。

普段とは違う場所に行き、少しよそ行きの食事をする。上京した22歳の頃から今に至るまで、外食はお腹を満たすだけでなく、楽しい時間を過ごし、ストレスを和らげてくれるような存在です。

だからこそ私にとって、飲食店で働く人は「格好いい仕事人」。いつかお店で一緒に働いてみたいと思っていました。

しかし、48歳になるまで実際に飲食店で働くことはなく、新しい仕事を始めると考えると腰が重く、ずっと踏み出せずにいました。

ある日、スポットワークの存在を知りました。

すぐに案件を検索すると、飲食店の募集は多いものの「洗い場の経験者」「ホール経験1年以上」といった条件に弾かれます。

そんな中で見つけた「未経験歓迎」の案件。ここだ!と決めて、震える手で応募しました。

居酒屋で働く男性イメージ

私のスポットワークデビューは、高速道路のパーキングエリアにあるレストランのホール業務でした。

事務所のドアを開け、「タイミーから来ました!」と言う瞬間、緊張で心臓が破裂しそうになりましたが、スタッフさんが優しく仕事内容を説明してくれたおかげで、なんとか落ち着くことができました。
 
その後、お客さまをご案内するときの言葉で噛んで恥ずかしい思いをしたり、老眼気味の目にハンディ端末の文字が見えづらかったり、ハンディ端末への誤入力(カツカレー1人分→カツカレー10人分)によるオーダーミスをやらかしたり、と失敗はありましたが、3時間のホール仕事を無事完遂できました。

優しくサポートしてくれるスタッフさんでよかった……。

緊張しましたが、同時に素晴らしい充実感と達成感を得ました。次はもっと上手くやりたいと思い、この日以降、タイミーのアプリを眺めては、案件に応募する日々が続きました。

BUBBLE-Bさんの「タイミー」アプリマイページ

タイミーではワーカーのモチベーションを保つ仕組みとして、先述のランク付けに加え、こなした仕事の種類による実績解除バッジがある。「洗い場」「ホール」「宴会スタッフ」「調理」などから、「レジ」「品出し」「フロント」「清掃」「配達」「検品」「梱包」など、さまざまなものが用意されており、ゲームを進めているような感覚を味わえる

洗濯されていないユニフォーム、不機嫌な店長……スポットワーカーが出合った「違和感のあるお店」

働いたお店の大半は親切で、仕事のやり方を丁寧に教えてくれました。

しかし、中には「おや?」というお店もありました。

スポットワーカーの受け入れに慣れてないのか、ほとんど何も説明せずに放置されたお店。

仕事の指示を「あれ」とか「そっち」という言葉だけで出され、何をすればいいのか全く分からなかったお店。

事務所に入るなり、なぜか機嫌の悪い店長からぞんざいに扱われたお店。

洗濯されていない、シミだらけでくたくたのユニフォームを渡されたお店。

最も困ったのは、しっかり働いてお店を回し、店長からも「またお願いします」と言われたのに、後日アプリで「BAD」の評価を付けられたことでした。

一度でもBADが付くとGOOD率が100%にならず(全体の評価が下がり)、次回のエントリーに影響します。

ただ、こればかりは防ぎようがなく、(現状の仕組みでは)異議申し立てもできないので、理由がわからないまま受け止めるしかありません。

もちろん、無断遅刻や勤務中の怠慢、お客さまに不快な思いをさせるなど、明らかにワーカー側に原因がある場合は別です。ただ、勤務中に気になる点があるならば、まずはお店側からワーカーへ注意やフィードバックを伝え、それでも改善されなければBAD評価を付ける、という流れが望ましいのではないでしょうか。

仕事を楽しく教えてもらう女性のイメージ

振り返ると、自分もさまざまな理不尽を経験してきました。「これでいいのかな?」と思いながら黙々と作業を進めたこともあります。

でも、そういう経験もある意味レアなプレイだと割り切って楽しめるかどうかも、スポットバイトを続けるためのポイントだと思えるようにはなりました。

単純な仕事だけを任されるからこそ、そのお店の「本質」が見えてくる

スポットワーカーにとっての働きやすさは、スタッフさんの人柄と職場環境、2つの要素に大きく左右されると思います。

初めての仕事でも、スタッフさんが親切に教えてくれることで、円滑に業務を進められます。

また、飲食店はチームワークなので、みんなで少しずつ助け合ってお店を回していくことが必要です。

こちらが洗い場で食器を洗い、洗い終わった食器類を積み上げていったら、さりげなく調理場に運んでくれる。調理器具も洗い方のコツなどを教えてくれる。

こうした小さな心遣いがある職場は、「仕事のバトン」を自然に渡してもらっているようで、とても働きやすかったです。

もちろんサービス業としての声出し、お客さまとのコミュニケーションといった部分も重要です。

そして、忙しくなったときに「大丈夫ですか?」と声を掛けてもらったり、お世辞半分であっても「助かってます!」と言ってもらえたりするような職場は好印象です。

気持ちの良い職場の空気は、みんなの心遣いでできているのだなあと感じます。

職場環境については、何はともあれ整理整頓が行き届いているかどうか、そして清潔さが保たれているかどうかが大切だと感じます

特に洗い場の仕事は、大量の皿を洗っては片付けての繰り返しなので、洗う前の皿の状態や、洗った皿の置き場がどうなっているかは、とても重要な部分です。洗った皿の置き場がグチャグチャだったり、そもそも置き場が足りなかったり、動線が悪かったりすると作業効率が下がってしまいます。

フライパン置き場のイメージ

スポットワーカー一人の力でそれらを改善することはできませんので、「効率が悪いなあ」と思いながら黙々と作業をするしかありません。

逆に、効率の良い環境で仕事をすると、「ここは素晴らしい!」と思うようになります。そうやって、いくつもの洗い場を経験する中で、上記のように良い洗い場、悪い洗い場を語れるようになりました。

そして清潔さ、クレンリネス(清潔で快適な状態を保つこと)について考えるなら、ホールは綺麗でも厨房が汚れているお店は、料理の味も期待できないでしょう。なぜなら、厨房の汚さはスタッフの士気低下に直結するからです

割り箸の包み紙や醤油の小袋、使用済みのお手拭き、謎の液体などが床に散らばっていると、スタッフも「この程度の掃除でいいのか」と仕事を舐めてしまい、味の低下や、最悪の場合は食中毒の発生リスクも上がってしまいかねません。

スポットワーカーに与えられる仕事は単純なものが多いので、複雑なマニュアルを覚える必要はありません。だからこそ、上記の2つの要素が働きやすさを大きく左右すると思います。

一期一会の働き手は「スタッフ」になれるのか

スポットワークを続けていると、自分の「ホーム」のようなお店が見つかります。何度もエントリーしているうちに、店長さんやスタッフさんからも顔を覚えてもらい、雑談までするようになると、どんどん居心地が良くなります。

お店としても、新たに仕事を教える必要もないので楽でしょう。

でも一方で、新しいお店に飛び込む冒険心を忘れないこともスポットワーカーにとっては大切だと思います

そうすることでスキルが成長するだけでなく、どこが良い職場だったか、どこが大変だったか、癖の強い人がいたか、達人みたいな人がいたかのような“話のネタ”が増えていきます。それもまた、スポットワークの醍醐味です。

厨房で働く女性のイメージ

新しい職場を選ぶ際の判断材料にしているのが、スポットワーカーがお店に対して行うアプリ上の評価(GOOD率)と、レビューです

レビューを重視する理由は、仕事の教え方や職場の雰囲気についてどう書いてあるかを確認したいから。

例えば、チェックインしたときに放置されず丁寧に仕事を教えてくれること、他のスタッフも気持ち良く仕事をしていること、仕事のバトンリレー(分業体制や流れ)やピーク時のちょっとした手伝いができていること。

スポットワーカーが働きやすいお店はこのような良いレビューが多いので、エントリーしやすいのです。

逆に、何件も苦情が書かれているようなお店は避けるべきでしょう。そういえば以前、「店長から罵倒された」「大声で怒鳴られた」「人間扱いされないようなパワハラを受けた」というレビューが書かれたラーメン店の募集を見ました。

スポットワーカーはお店にとってある種の助っ人のような存在で、長く働き続けることはないかも知れません。しかし、働きやすさを感じる要素は他のスタッフさんとそこまで変わらないはずです。

例えば、初めて入ったお店で店長さん以下スタッフの皆さんがすぐに自分を名前で呼んでくれる、というような。そんな些細だけど丁寧さが伝わるアクションこそ、「スポットワーカーが働きやすいお店」をつくるのではないかと思います。

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最初はあんなに緊張したことが嘘みたいに、今では時間さえあればスポットワークがしたいと、アプリで案件を眺める日々です。

今日も日本中の飲食店で、誰かが誰かの胃袋を満たし、お店を回しています。

自分もそんな「格好いい仕事人」の末席に加われるよう、スポットワーカーとしてこれからも案件にエントリーしていきます。

【著者】

BUBBLE-Bさん

BUBBLE-Bさん

滋賀県大津市出身。飲食チェーン店トラベラー、飲食PR業。全国の飲食チェーン店の本店や1号店を巡る活動をライフワークとする。天下一品総本店のスープの味に衝撃を受けたことをきっかけに巡礼を開始し、これまでに訪れた店舗は国内外に750店以上。近年はスポットワーカーとして飲食店の現場でも勤務し、現場目線での知見も発信している。著書に『ニッポン ローカルチェーン・グルメ完全ガイド』(英和出版)、ZINE『洗い場王に俺はなる』『ローカル回転寿司チェーン店のススメ』など。
X:@BUBBLE_B

編集:はてな編集部

*1:スポットワーカーに4段階のランクを付与するメンバーシップ制度(Timee Membership)の中で最高のランク。勤務時間や回数、店舗からの評価によって貯まる「EXP(経験値)」が一定量に達するとランクが上がる仕組み。