飲食店の“あったらいいな”が詰まっていた。「LINEレストランプラス」体験レポート

LINEヤフーがリリースする、飲食店向けの新サービス「LINEレストランプラス」について、その一部機能をレポートします。デモ体験を通じて見えてきた、店舗運営へのポジティブな影響とは。


LINEヤフーが2026年6月23日、飲食店向けの新サービス「LINEレストランプラス」をリリースする。

LINE公式アカウントを基盤として、モバイルオーダー、POS、ハンディ、CRM、販促までを一気通貫で提供するサービスだ。

リリースに先立つ2026年5月、LINEヤフーが主催する法人・マーケティング担当者向けのイベント「Hello Friends! W!th LINEヤフー」のブースで、デモ版を体験する機会に恵まれた。

今回はハンディ・POS・モバイルオーダーの主要3機能について、その使用感を詳しくレポートしていきたい。

LINEレストランプラスとはどんなサービスか

LINEレストランプラスは、飲食店のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援に本格参入するLINEヤフーが、満を持してリリースする新サービスだ。

最大の特徴は、飲食店運営に必要な機能が網羅的にそろっていること

お客さんがLINEからメニューを閲覧・注文するための「モバイルオーダー」、スタッフが注文状況や売り上げを管理するための「POS」や「ハンディ」、お客さんの情報を利活用するための「CRM」「販促機能」までを、ひとつのサービスとして提供する。

すでに多くの飲食店で利用されているLINE公式アカウントやLINEミニアプリ(LINE上で提供できるウェブアプリケーション)は、これまでお客さんとのコミュニケーションや集客、オペレーション効率化の面で効果を発揮してきた。

LINEレストランプラスはそれらのサービスを統合し、追加機能も組み込みながら、よりシームレスに利用できるようにしたものと言えるだろう。

LINEレストランプラス体験レポート

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LINEレストランプラスを実際に使ってみた

LINEレストランプラスの導入店舗に提供される機材は、ハンディとして使うスマートフォン、POSとなるタブレット端末、プリンター(キッチン・レシート)、キャッシュドロアの5点セットが基本だ。

LINEレストランプラス体験レポート

ここにもう一つのプリンターと、キャッシュドロアが加わる

POSとハンディのUIは「共通」

店員さんになったつもりでお客さんの来店を想定し、ハンディのテーブル一覧画面から空席を選んで来店人数を入力する。

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空席を示すアイコン(グレーの丸に白い+)は直感的にタップしやすい

これでテーブルが立ち上がり、QRコードが発行される。このQRコードをお客さんがスマホで読み込むと、LINE上でモバイルオーダー画面が起動する仕組みだ。

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注目したいのは、ハンディとPOSのUIが共通していること。

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「片方の操作には慣れたけど、もう片方は慣れていない」という状況が生じないよう設計されている。新人スタッフへの教育コストが抑えられるのは、人手不足に悩む飲食店にとって心強いポイントだろう。

また、色使いについてもLINEのブランドカラーであるグリーンを残しつつ、ベースは白で統一。お店ごとのブランドカラーや世界観に馴染みやすいよう、主張しすぎないトーンで設計されている。こちらも現場目線の細やかな配慮がうかがえる。

メニューは「動画」でも見せられる

発行されたQRコードをお客さんが読み込むと、LINE上にモバイルオーダーの登録画面と注文画面が立ち上がる。

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登録画面への遷移を促され

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情報を登録し

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メニュー画面へ

なお、お客さんから取得する情報は店舗ごとにカスタマイズ可能で、性別と誕生日のみが必須項目となる。一方「友だち登録はしない」というコマンドも選択可能であり、情報入力に抵抗感のあるお客さんにも寄り添った設計と言えそうだ。

メニュー画面で印象的だったのは、商品ごとに動画を掲載できる点

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湯気のような、分かりやすい「シズル感」を動画で見せられると、文字や画像では伝わらない魅力がぐっと迫ってくる。

担当者によると、動画で掲載されたメニューは「数%〜数十%の注文数アップ」が確認された店舗もあるという。たとえ数%だったとしても、積み重なれば売り上げに大きなインパクトを及ぼしそうだ。

試しに「オイルサーディンのアヒージョ」を選び、トッピングでマッシュルームやムール貝を追加してみる。

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ドリンクに生ビールをオーダーしようとしたらクーポンが表示された。

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担当者によると、LINE公式アカウントを通して該当店舗のクーポンを獲得していた場合はモバイルオーダーの画面にも表示されるという。

LINE公式アカウントのクーポンは「獲得したことを忘れている」ことも多いので、これは親切だろう。

そして店舗側も「送った(獲得された)のに使われない」という事態を防げて、販促の費用対効果を可視化する材料にもなりうる。まさにWin-Winの仕組みだと感じた。

ちなみに、テーブルに貼るシール状のNFCタグである「LINEタッチ」というセットオプションも用意されている(1枚300円程度)。QRコードを読みこまなくとも、スマートフォンを置くだけでモバイルオーダー画面が開く機能で、スマホ操作が苦手な子どもや年配のお客さんでも迷わず使えそうだ

LINEレストランプラス体験レポート

お客さんの「来店頻度」も一目瞭然

お客さん側で注文を完了すると、ハンディやPOSの画面に注文内容と合計金額が反映される。

「これはいい」と感じたのが、ハンディやPOSの画面に「常連」「リピート」「初回」といった来店頻度がお客さんごとに表示されること

LINEレストランプラス体験レポート

「いつもありがとうございます」と一言かけられる店員さんと、そうでない店員さんでは、お客さんが受け取る印象はまるで違う。この機能があれば、新人スタッフでもお客さんとの関係性を踏まえて接客しやすくなる。属人化しがちな接客業務を標準化してくれる機能と言えるだろう。

モバイルオーダーの画面からお客さんが会計依頼のボタンをタップすると、ハンディに「会計待ち」と表示され、POS側も会計画面に切り替わる。

LINEレストランプラス体験レポート

POS側では、サービス料設定、個別会計と全会計の切り替え、値引きやクーポン適用といった会計時の入力項目が分かりやすく表示される。

モバイルオーダーとPOSを連携させることで、手書きや手計算で生じがちな「過大・過小請求」を防げるだけでなく、注文内容と会計金額の照合作業をカットできるのでレジ締めの作業も大幅に効率化できそうだ。

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POSを「コスト」ではなく「投資」に。LINEレストランプラスが目指す先

ひと通り操作してみて感じたのは、飲食店でのアルバイト経験がほとんどない自分でも、ものの数分で操作の流れを覚えられたこと。これなら新人のスタッフはもちろん、日本語にまだ自信のない外国人スタッフでも、安心して使い始められるだろう。

さて、ここからは操作の話を一旦離れて、LINEレストランプラスの設計思想や展望について、LINEレストランプラスの営業を担当する川口大起さんにお話を伺っていきたい。

川口大起さんお写真

川口大起さん:LINEヤフービジネスパートナーズ株式会社 営業本部 飲食東日本営業部 部長

――モバイルオーダーやPOSのサービスは他にもありますが、それらとLINEレストランプラスの差別化ポイントは何でしょうか?

川口さん:メインミッションを「飲食店さまの売り上げアップ」に置いているところです。モバイルオーダーなどの機能でオペレーションの効率化は促しつつも、LINE公式アカウントでのCRMを通じて最終的には売り上げアップに貢献する。その目的をブラさずに機能を設計しています。

――ゴール設定がその他のサービスとは違うと。実際に導入したお店が享受できそうなメリットを、改めてご説明いただけますか?

川口さん:現状は一部店舗さまへの試験導入段階ではありますが、大きなメリットは「業務効率化と客単価アップ」、そして「データの可視化と利活用」の2点に集約されると考えています。

1つ目は、モバイルオーダーによる人手不足対策と客単価アップです。オーダーを取るフローがなくなることは、スタッフの作業負荷軽減だけでなく売り上げアップにもつながります。一般的なモバイルオーダーの導入効果としても、モバイルオーダーを導入することで客単価が約10%上がるとも言われています。これは注文を待つ時間がなく、お客さまご自身のペースでメニューを見られるからですね。

2つ目は、先ほども少し触れましたが、LINE公式アカウントとPOSの連携によってお客さまの情報を蓄積・可視化したり、利活用したりできることです。

LINE公式アカウントには「クーポンを配信したけれど、それが来店につながったのかどうか見えづらい」という課題がありました。その課題を乗り越えるために、POSとモバイルオーダー、LINE公式アカウントを今回つなげています。

これによって、LINE公式アカウントでのコミュニケーションをお客さまの「注文内容」や「来店頻度」に合わせて最適化できるようになります

例えば、ビールをよく注文する方にはビールのクーポンを、お酒が苦手な方には別のクーポンを、というように送り分けたり、誕生月にお祝いのメッセージを添えて特別なご案内をしたり、来店回数の多い方にクローズドな情報を届けたり。

――オペレーションの効率化に寄与しつつ、「本丸」はデータ基盤の整備とそれを通じた売り上げアップにあるという部分が面白いですね。

川口さん:ありがとうございます。まさにそこが狙いです。さらに、こうしてお客さまとの繋がり(データ基盤)が強くなることで、将来的には採用活動などへの好影響も期待できると考えています。

以前、年末年始の繁忙期にLINE公式アカウント上で採用に関するメッセージを配信し、実際にアルバイト採用につなげている飲食店さまの事例がありました。

飲食店のスタッフ募集では、時給やシフトと同じくらい「お店の雰囲気」が重視されますが、その雰囲気を一番よく知っているのは、いまお店に来てくださっているお客さま(ファン)ですよね。

LINEレストランプラス、LINE公式アカウントによって、お客さまごとに最適化されたコミュニケーションが取れるようになれば、こうした「お店のファンをスタッフとして巻き込む」といった一歩進んだ活用も、よりスムーズに行えるのではないかと考えています。

――なるほど、それはお客さんと直接つながれるLINE公式アカウントならではのメリットですね。そうしたLINEレストランプラスのメリットを、今後飲食店にどう伝えていきたいですか?

川口さん:これまでPOSシステムは飲食店側に「コスト」と捉えられがちでした。私たちはそれを「売上最大化に向けた投資」と捉え直し、POSの位置づけを変えたいと思っています。

――力強いメッセージですね。川口さん、ありがとうございました!


オペレーション基盤とデータ基盤が整備されることで、店舗側はメニュー開発やコンセプト設計といった時間と手間のかかる業務に注力できるようになるかもしれない。LINEレストランプラスを操作しながら、そんなことを考えた。

飲食業界の未来をつくる、実に野心的なサービスだ。すでにLINE公式アカウントを活用しているお店もそうでないお店もぜひ一度体験してみてほしい。

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取材・編集・写真:はてな編集部