
東京・新宿東口エリアで約35年営業を続けるカフェ「cafe AALIYA」に、LINE公式アカウントの活用方法を伺いました。
名物のフレンチトーストを求め、遠方から訪れる観光客や旅行客が連日行列をつくる、新宿の「cafe AALIYA」。35年の歴史を通して「変わらぬおいしさ」の提供と、お客さんとの絆づくりを大切にしてきました。
そんな同店が店舗運営やお客さんとのコミュニケーションに活用しているのが、LINE公式アカウントです。
導入背景から具体的な活用方法、そしてお店の歴史について、店長の山本眞輔さんに伺いました。

- 山本眞輔さん
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「cafe AALIYA」オーナー。株式会社Refresta代表取締役。「AALIYA COFFEE ROASTERS」「cafe AALIYA 東京ドームシティ店」なども展開する。
40軒がしのぎを削る「喫茶店激戦区・新宿東口」を生き残れたワケ

――まずはお店の歴史について教えてください。
山本さん:もともとこの場所で、先々代が太平洋戦争以前から飲食店を営んでいました。一度廃業して、1991年に私が飲食業を再び始めるため、この店をオープンさせました。

喫茶店をやってみたいと思った理由は、当時喫茶店ブームの真っ只中だったからです。新宿東口エリアだけで、実に40軒近くの小さな喫茶店があったと記憶しています。
――当時あった40軒の喫茶店は今どうなっているのでしょうか?
山本さん:その後、大手チェーン店が増えたことで淘汰されてしまい、今はもうほとんど残っていませんね。
――cafe AALIYAが生き残れた理由は何でしょうか?
山本さん:「フレンチトーストの老舗」として他店と差別化できたからだと思います。創業当時から、喫茶店の定番メニューのホットケーキではなく、まだ珍しかったフレンチトーストを出していました。これは質のいいパンや乳製品が手に入れられたからです。
――フレンチトーストの作り方で特にこだわっている点はありますか?
山本さん:フレンチトーストはアバウトに作ってしまうとクオリティーのブレが出やすい料理です。例えば、アパレイユ(液状の生地、ここでは卵液)の吸い込ませ方一つで、大きく味が変わります。
だからこそ、アパレイユをオリジナルで作るなど、細かいところまで気を遣って作っています。製法も素材も随時細かくアップデートしていますね。

――35年の間にお客さんの層に変化はありますか?
山本さん:時代によって大きく変わりました。以前は地域の皆さんや近隣の事業所で働く方々が中心でしたが、今は海外のお客さまや新規のお客さまが中心です。
リモートワークの浸透で事業所が減ったり、SNSの影響で世界中に情報に広がったりしたことも大きいのではないかと。
常連のお客さまからは「いつも並んでいるのでパスしてしまう」という話をいただくこともあります。そんなお客さまのために、並ばずともお店の味を楽しんでいただきたい、質の高いものをゆっくり楽しんでいただきたいという意図で、2階にもカフェを新設しました。

――お店の雰囲気作りで大切にしていることはありますか?
山本さん:長く営業をしていると、変わらないことが大切だと思うことも多いです。
学生時代からのお客さまが就職して、パートナーを連れてきて、今度は子どもを連れてきてくれるなんていうこともありました。お店として生き残っていけば、そんなお客さまにも「あそこって昔からあって変わらないよね」と思ってもらえる。
だから、店の雰囲気やメニューは今後もあえてガラッと変えないでおこうと考えています。

――過去に集客に苦労した時期はありますか?
山本さん:一番大変だったのは東京メトロ副都心線の建設工事をしているときでした。目の前の明治通りが全部パイロン(三角コーン)で囲まれ、新宿駅の方からこちら側に来られないような雰囲気がありました。その影響もあって売り上げがガクンと落ちましたね。
なんとか目立って営業中であることを知ってもらわなければと思いつつも、SNSのない時代だったので苦労しました。
そのときは目標をきちんと掲げ、一つひとつ改善点を見つけ、あらゆる策を打って、売り上げを底から10%〜15%ほど増やし、結果的になんとか生き延びることができました。

――直近だとコロナ禍も大変ではなかったですか?
山本さん:新宿に全然人がいなくなり、死んだ街のようになってしまったと思いましたね。
ただ、店の方はコロナ禍以前に通販サイトを作っていたこともあって、大きな危機は訪れませんでした。有名なYouTuberさんが何度かうちのメニューを紹介してくださって、通販での売り上げが伸びたんです。
メールからLINEへ。お客さんの日常に寄り添うツール選び
――LINE公式アカウントを始めたきっかけは何でしょうか?
山本さん:いろいろな業種の方が集客のためにLINEを使っていると聞き、「そういう使い方があるんだ」と導入しました。
以前はメール会員が2万人くらいいたのですが、メールが連絡手段として使われなくなったことで、その会員も徐々に減ってしまい。
やはり一番使われている連絡ツールで集客しなければならないと思ったのがきっかけです。
おかげさまで使い勝手も良く、機能にも満足しています。
――現在、どのような機能を利用されていますか?
山本さん:友だち追加時の「ありがとうクーポン」と月1回のクーポンの配信、ご来店ごとに貯まるスタンプカードに利用しています。

以前からメールクーポン(メールで受け取れるクーポン)はやっていたので、それがLINEにシフトした感じですね。

――お客さんからの反応はいかがですか?
山本さん:「友だち登録しました」とか「スタンプ集めています」と声をかけてもらえることも多いので、効果は感じています。

――月1回のクーポンはフレンチトーストのトッピングに換えられるものが多いようですが、これには何か意図があるのでしょうか?
山本さん:メインメニューのバリエーションを作るのは設備の問題などで難しいのですが、トッピングという形であれば店内のオペレーションも対応できるからです。
お客さまも、普段使わないトッピングを試していただける良い機会になっているのではないかと思います。

――配信頻度は月1回程度ということですが、その理由は?
山本さん:あまり頻繁に連絡が来すぎても鬱陶しいでしょうし、感覚的に月1回くらいが良いのかなと。私自身、毎日来るものは鬱陶しくなって、見ないままそのうち(アカウントを)消してしまうということになりがちで……。
――お客さんに違和感を感じさせないよう配信頻度をおさえているんですね。LINE公式アカウントと他のSNSはどう使い分けられていますか?
山本さん:LINE公式アカウントはクーポンの配信に特化させ、日々の情報発信はInstagramで行っています。やはりLINE公式アカウントは「一度来てくださったお客さんにまた来てもらうためのツール」として効果的だと感じているので。
Instagramの方は、お客さんを受け入れるキャパシティが残っている2階のカフェ(AALIYA COFFEE ROASTERS)についての情報を今後メインで発信していこうと考えているところです。1階は行列ができることも多いので、これ以上情報を拡散させてしまっても手に負えない状況ですから。
LINE公式アカウントとInstagramを活用して、「せっかく新宿に来たんだし寄ってみよう」くらいの、ゆるやかなリピーターをこれからも作っていきたいですね。

――今後のお店の展開について教えてください。
山本さん:変わらないところは守りつつも、さらにアップデートしていきます。
東京ドームにテイクアウト専門のお店(cafe AALIYA 東京ドームシティ店)があるのですが、そこでフランスパンを使ったフレンチトーストを新しく提供し始める予定です。本店のフレンチトーストとはまた違う味の、自信作です。
その他の店舗もますますパワーアップしていくので、ぜひ注目していてください。
気になるあのお店のLINE公式アカウント活用事例
【取材先】
cafe AALIYA
住所:東京都新宿区新宿3-1-17 山本ビルB1F
営業時間:10:00~20:00LO(金・土は10:00~20:30 LO)
定休日無
Instagram:@cafe_aaliya
取材・文/花沢亜衣
東京生まれ。食や暮らしにまつわるジャンルを中心にWEBメディア・雑誌で編集や執筆を行う。三度の飯より食べることが好き。一番好きなお酒は青空の下で飲むお酒。2023年J.S.A.ワインエキスパート呼称資格取得。2025年5月に酔談録『二軒目は路面店』を発売。
Instagram:@aipon79
写真:佐坂和也
編集:はてな編集部


