飲食店の予約システム7つを比較。導入のポイントや方法も紹介

飲食店の店員にお客さんがスマートフォンの画面を見せているイラスト

オンラインでお店の予約を受け付けられる予約管理システム。お客さんはオンラインでスムーズにネット予約ができ、お店としては電話対応のコスト削減や顧客管理データを収集できるなどのメリットがあります。

予約システムの導入を考えている飲食店に向けて、予約システムを選ぶポイントやおすすめツールを紹介します。

こんな人におすすめ

  • 飲食店の予約業務を効率化させたい
  • 予約システムの導入を考えているけれど、どれを選んで良いか分からない
  • 低コストで使いやすい予約システムや、ネット予約管理システムについて知りたい
  • 飲食店の顧客管理に便利な予約管理システムを導入したい

飲食店の予約システムとは

予約システムとは、来店予約に関する業務をオンラインに集約できるシステムのこと。24時間365日、自動的に予約の受付や管理を行ってくれます。

お客さんから予約の電話がかかってきたものの、接客中で取ることができなかった、または営業時間外で電話が取ることができなかった……といった予約の機会損失を防ぐこともできます。

飲食店が予約システムを導入するメリット・デメリット

予約システムの導入を検討する前に、導入によるメリット・デメリットを見ていきましょう。

【メリット】

  • 24時間受付が可能なので、売上アップを見込める
  • 予約の管理・対応を自動化できるため、業務の効率化が見込める
  • 顧客データの収集・分析が簡単にできるのでお店の改善に役立つ

【デメリット】

  • 学習コストや利用料金が必要になる

予約システムのメリット

24時間受付が可能

予約システムを導入するメリットの1つ目は、24時間予約の受付が可能なこと。電話予約は、基本的にお店の営業時間内に対応することが大半ですが、接客中の場合は電話に出られないことがあるかもしれません。

予約システムを導入すれば(メンテナンス等の状況を除き)24時間予約受付が可能になり、電話対応のコストや時間を削減し、接客や業務に集中できます。

また、予約システムは、お客さんにとってもいつでも簡単に予約ができるというメリットがあります。営業時間外でも予約を受け付けることで結果的に予約数が増え、売上の増加に期待できます。

予約の管理・対応を自動化できる

予約システムを導入するメリットの2つ目は、予約の管理・対応を自動化できること。

電話対応では、注意していても予約希望日時や名前の聞き違え、ダブルブッキングが発生する可能性があります。予約システムで管理すれば、そのような人的ミスを軽減できます。

飲食店の予約システム導入

お客さんから直接予約を受けた場合や電話などでの予約があっても、予約管理システムに登録しておけば予約データが一元管理できます。

また、予約システムによってはキャンセル待ちやオンライン決済の機能があるので、お客さんとお店の双方が予約から支払いまでスムーズに対応できるようになります。

顧客データの収集・分析が簡単

予約システムを導入するメリットの3つ目は、顧客データの収集や分析が簡単にできること。

例えば、予約の際に性別や年代などの属性、お店を知ったきっかけなどを記載してもらえば、そのままデータを蓄積できます。

記入された情報をキャンペーンに活用したり、メニューや接客方法を考える上で参考にするなど、お店の改善に役立てることができます。

予約システムのデメリット

学習コストや利用料金がかかることも

予約システムを導入するデメリットを挙げるとすれば、学習時間や利用料金などのコスト面です。

新たに予約システムを導入するにあたって、操作を覚えたり従業員に教育したりといった学習の時間が必要になります。とはいえ、それほど難しくない場合がほとんどなので、一度マニュアル化してしまえば操作もスムーズにできます。

また、サービスによっては利用料金がかかることがあります。無料から始められるサービスもあるため、複数のサービスでお店に必要な機能を比較し、適切なものを導入するとよいでしょう。

飲食店が予約システムを導入する方法は?

予約システムを導入する場合、2つの代表的な方法があります。

1. 自社で開発

1つ目は、自社で予約システムを開発する方法です。自由に機能を搭載することが可能ですが、相応の時間とコストが発生します。また、お店で動作の確認作業をしたり、開発後の保守(システム改善やエラー対応)や個人情報を安全に保管する必要があったりと、手間がかかります。

すでにお店のWebサイトをWordPressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)やブログツールで作っている場合は、プラグイン(機能を拡張するソフトウェア)を導入すれば比較的容易に予約システムを設置できます。

WordPressの代表的な予約システムに「Booking Package」「Appointment Hour Booking」「MTS Simple Booking」などがあります。無料で利用できる場合もありますが、月額料金がかかることもあるので、導入の際にはプラグインの説明ページをよくチェックするようにしましょう。

2. 予約システム作成ツールを導入

2つ目は、予約システム作成ツールを利用する方法です。予約システムには「LINEで予約」「STORES予約」「Airリザーブ」などがあり、自社開発せずとも提供された予約機能を活用できます。多くの人にとって利用しやすいように操作が簡単なのが特徴です。

自社開発とは違い、初期費用が無料で使えるものも多いため、コストが抑えられます(予約件数などに応じて月額費用がかかる場合があります)。

また、決済機能や顧客管理機能などの高度な機能が備わっているものもあります。

予約システム作成ツールを選ぶポイント

予約システム作成ツールには多くの種類があります。ここでは導入の決め手の参考に、予約システムにあると便利な機能を紹介します。

  1. オンライン決済機能
  2. 顧客管理機能
  3. セキュリティー
  4. 分かりやすい予約方法
  5. コスト
  6. 来店リマインドやお礼メールの自動送信

1. オンライン決済機能

予約段階で事前に決済ができれば、店頭でのお会計の手間が省けます。テイクアウト商品の予約などには特に便利です。また、無断キャンセルを防ぐメリットもあります。予約段階だけではなく、任意のタイミングで決済できるツールも用意されているので、お店に合わせて選びましょう。

2. 顧客管理機能

データの蓄積・情報編集など、顧客管理機能を備えたツールもあります。さらに、CSV・Google スプレッドシートなどでの出力や他のツールとの連携ができれば、より効率よく集客やサービスの向上に生かすことができます。

3. セキュリティー

予約システムでは多くの個人情報を扱うため、情報漏洩のリスクを避けるため細心の注意が求められます。高度なセキュリティーを保証するツールを選ぶようにしましょう。

4. 分かりやすい予約方法

お客さんがスムーズに予約できれば、機会損失が少なくなります。カレンダーから日時を選んで予約するのか、お問合せフォームにお客さんが記入して予約するのかなど、使い勝手を確認しましょう。分かりやすく、シンプルなデザインかどうかも重要です。

5. コスト

初期費用や月額利用料などのコストを確認しましょう。無料でも充分に使える予約システムもあります。

コストを抑えることも重要ですが、必要な機能がなければ本末転倒です。予約システムを導入してやりたいことが叶えられるかどうかを確認しましょう。

6. 来店リマインドやお礼メールの自動送信

オンラインでの予約は、本当に予約が取れているかお客さんが不安になってしまうこともあります。予約受付のお礼メッセージや来店リマインドのメッセージが自動送信されるシステムであればそうした不安が解消でき、予約忘れも防ぐことができます。

代表的なアプリ

予約システムで活用したいアプリシステムで代表的なものを紹介します。料金と機能を比較してみましょう。

アプリ名 初期費用 オンライン決済機能 顧客管理機能 予約管理機能 来店リマインドの自動送信 お礼メールの自動送信
LINE公式アカウント

0円 連携するシステム・アプリから可 連携するシステム・アプリから可 連携するシステム・アプリから可
STORES予約
(旧Coubic)
0円
(月間予約数100件まで)
tol 0円
(スマホ・タブレットのみ対応)
RESERVA 0円
(月間予約数100件まで)
SELECTTYPE 0円
AirRESERVE 0円
(ベーシックプラン以上)
ChoiceRESERVE 23,000円~

飲食店の予約管理システムを導入するならLINE公式アカウントがおすすめ

予約システムの導入は、お客さん・お店の双方にとってメリットがあります。自社での開発には莫大なコストがかかってしまうため、低コストで利用できるサービスを検討するのが良いでしょう。

無料で開設できるLINE公式アカウントでも、予約の受付機能を導入することができます。

LINE公式アカウントが飲食店の予約システムとして圧倒的に優れている理由

飲食店の予約システムとして、LINE公式アカウントがおすすめできる理由として、以下3点が挙げられます。

  • 日本人口の約70%以上*1がLINEを利用
  • LINEならではの高い開封率でお客さんにちゃんと読んでもらえる
  • 再来店を後押しするクーポンやショップカードも利用可能

日本におけるLINEのユーザー数は9,500万人*2にのぼり、幅広い年齢層に利用されています。そのため、お客さんのほとんどにとってはアプリのインストールや会員登録などの手間もなく、すぐにLINE公式アカウントを友だち追加することができます。

また、LINEは開封率も非常に高く*3、送ったメッセージを読んでもらえる可能性も非常に高まります。その他にも、お客さんに再来店を促すクーポンやショップカード、リサーチ機能や店頭で活用できるポスターなど、飲食店にとって心強いさまざまな機能を使うことができます。

LINE公式アカウントで予約機能を利用する3つの方法

LINE公式アカウントで予約機能を利用する場合、以下の3つの方法があります。

  • LINEチャットやLINEコール(無料で電話が可能)を利用して、個別に予約を受け付ける
  • 「LINEで予約」を活用する
  • 「LINEミニアプリ」や「拡張機能」で予約システムを導入する

LINEで予約とは

LINE公式アカウントの予約機能

「LINEで予約」とは、LINEを使って簡単に来店予約ができるサービスです。お客さんはアプリを切り替えることなく、LINE内で予約を完結することができます。

「LINEで予約」を利用するためには、まずはLINE公式アカウントを開設した後、「予約サービス」と連携すると利用可能になります。

LINEの月間利用者数は9,500万人(2023年6月末現在)と多く、普段から使っているお客さん・従業員も多いため、心理的に他のサービスやアプリよりも使いやすいと感じられるはずです。

LINEで予約の便利な機能

LINE予約フォーム画面

「LINEで予約」を利用すると使える便利な機能を紹介します。

  • 予約フォームのリンクをメッセージで送信できるほか、プロフィールやリッチメニューに導線が設置できる
  • 特定のお客さんへ個別に予約受付のメッセージを送ることができる
  • 予約日時の前に、お客さんへLINEでプッシュ通知を送ることができる
  • 予約したお店の情報や予約時間をシェアできるので、お客さんがLINEを通じてそのまま友だちに予約情報を共有できる
  • 現在地から近い予約可能なお店を探すことができるので、お客さんに見つけてもらいやすくなり、新規顧客の開拓につながる

LINEで予約の登録方法

LINEで予約を利用するには、LINE公式アカウントを開設後、予約サービスと連携が必要になります。下記のパートナーが用意しているフォームから登録依頼をしましょう。

  • イデアレコード
  • エビソル
  • ぐるなび
  • Yahoo!JAPAN

LINEで予約の登録方法はこちらから確認できます。

まとめ:予約システム導入はLINE公式アカウントがおすすめ

予約システムを導入すると、お店側は電話対応といった人的コストの削減ができ、予約業務を効率化することができます。お客さんは時間を問わず予約できるため、予約数の増加が期待できます。

予約システムにはたくさんの種類があるため、自店舗に必要な機能が備わっているか確認しましょう。まず試してみたいと思ったら、無料で開設できるLINE公式アカウントがおすすめです。

*1:LINEの国内月間アクティブユーザー 9,500万人÷日本の総人口1億2508万2000人(2022年8月1日現在[確定値] 総務省統計局)

*2:自社調べ LINEアプリ 月間アクティブユーザー 2023年3月末時点

*3:2021/7 携帯電話に関するアンケート(総サンプル数 n=2,060 )LINE公式アカウントからメッセージを受け取って見るまでの体感値を集計。すぐ見るが約2割、3〜6時間以内で見るが過半数、その日のうちに見ると回答した人は約8割