LINE公式アカウントで集客する方法とコツ丨成功事例も紹介

飲食店にとって新規のお客さんの獲得は重要ですが、既存のお客さんにリピートしてもらうのも大切。常連客は売上を安定させ、新しいお客さんを呼んでくれるからです。

その常連客とつながるのにおすすめなのが、コミュニケーションアプリの「LINE」です。 企業・店舗用の「LINE公式アカウント」は、お客さんとお店をつなぐ、無料で便利な機能がたくさんあります。

常連客の重要性、常連客との関係性づくりやお店づくりにLINE公式アカウントを活用するコツ、LINE公式アカウントを使った売上向上などの成功事例を紹介します。「LINE公式アカウントで何ができるかすぐ知りたい」という方は、こちらを確認してみてください。

こんな人におすすめ

  • 新規のお客さんに常連客になってもらいたい
  • お客さんとの関係性づくりに悩んでいる
  • コストをなるべく抑えながら集客できる施策を導入したい

なぜ新規のお客さんではなく、既存のお客さんなのか? 

もし、新規のお客さんの開拓に頭を悩ませているなら、視点を変えて、すでにお店に来たことがある既存のお客さんを中心にした集客を考えてみてはいかがでしょうか。

【既存のお客さんを大切にすべき理由】

  1. 常連客に目を向けることで売上が安定し、集客コストが抑えられる
  2. 常連客が新しいお客さんを連れてきてくれる

1. 常連客に目を向けることで売上が安定し、集客コストが抑えられる

マーケティング理論に「1:5の法則」「パレートの法則」があります。

1:5の法則とは、新しいお客さんを獲得するコストは、既存のお客さんに再来店してもらうためのコストよりも5倍かかるというものです。

そして、パレートの法則は、全体の数値の大部分(80%)は一部の要素(20%)が生み出すという理論です。飲食店に置き換えると、全体売上の80%は、20%の常連客が生み出していることが多いといえます。

そのため、まずは常連客に目を向けて「また来てもらうためにはどうすればいいか」を考え、そこから新しいお客さんを獲得するための施策へと広げていくのが、コスト的にも効率的な戦略です。

2. 常連客が新しいお客さんを連れてきてくれる

新規のお客さんにお店を知ってもらうには、多くの競合店の中から存在を知ってもらい、さらに「ここへ行きたい」と思ってもらう必要があります。

一方、常連さんはすでにお店のことを知っているほか、お店の人とある程度の関係性を築けていることもあります。

2016年のエデルマン・トラストバロメーター(信頼度調査)によると、人が情報源として最も信頼するものは「家族や友人からの情報」という結果が出ており、身近な存在からの紹介を信用することが分かっています。

まだ出会ったことのない(来店したことのない)将来のお客さんにアピールするよりも、まずは常連客に家族や友人など新しいお客さんを連れて来てもらう方が、実は売上を伸ばす近道になるといえます。

LINEが常連客との関係性づくりに活用できる理由

常連客から「またお店に行きたい」と思ってもらうためには、どのような関係性が理想的なのか。重要なのは「コミュニケーション」です。

LINEは、利用者数9,500万人(2023年3月末現在)と圧倒的なシェアを誇るコミュニケーションアプリです。すでにインストールしているお客さんが多く、お店側も手軽にお店の情報を発信できるため、お店と常連客の関係づくりに活用できます。また、LINEは企業・店舗向けに「LINE公式アカウント」(旧・LINE@)を提供しています。

ここでは、店舗経営者がLINE公式アカウントを導入するメリットについて紹介します。

  1. お客さんとつながりやすく、お客さんの身近な人にもお店の存在を広げやすい
  2. お客さんとコミュニケーションしやすい
  3. 導入コスト・ハードルが低く、始めやすい

1. お客さんとつながりやすく、お客さんの身近な人にもお店の存在を広げやすい

すでにお客さんにとってもなじみのあるLINEなら、お店のLINE公式アカウントを「友だち」として追加してもらいやすく、つながるハードルが低いのがメリットです。

2. お客さんとコミュニケーションがしやすい

LINE公式アカウントは、友だちになってくれたお客さんに向けてメッセージの一斉配信や1対1でチャットができます。メッセージ配信ではお客さんに「プッシュ通知」が届くため、7割近い開封率*1に期待できます。

3. 導入コスト・ハードルが低く、始めやすい

LINE公式アカウントは、月間200通まで無料でメッセージ配信が可能で、その他の機能もプランに関係なく活用することができます。

例えば、友だちが50人の場合、一斉配信のメッセージを月に4回まで送ることができます。友だち数やメッセージ配信数が増えてくると、有料プランへの切り替えを検討する必要が出てきます。

プラン名

料金

配信可能なメッセージ数

追加のメッセージ料金

コミュニケーションプラン 無料 200通まで/月 送信不可
ライトプラン 5,000円 5,000通まで/月 送信不可
スタンダードプラン 15,000円 30,000通まで/月 〜3円/通

LINE公式アカウントとは? 便利な機能を紹介

LINE公式アカウントで実際にどんな機能を使ってお客さんとコミュニケーションを取れるのかを確認しましょう。代表的な機能は、以下の5つです。

  1. LINEチャット
  2. メッセージ配信・ステップ配信
  3. リッチメニュー
  4. クーポン
  5. ショップカード

1. LINEチャット

LINE公式アカウントでは、友だち追加をしてくれたお客さんと、普段使っているLINEのトーク画面でチャットができます。

お客さんからお店に連絡することもできるので、電話に出られないときの問い合わせ、予約対応にも活用できます。

2. メッセージ配信・ステップ配信

LINE公式アカウントでは、友だち追加をしてくれたお客さん全員に新メニューやキャンペーンのお知らせ、休業日の連絡などをメッセージとして一斉配信できます。

また、任意のタイミングで自動的にメッセージを配信できる「ステップ配信」も可能です。例えば、お客さんが友だち追加のタイミングであらかじめ用意しておいたお礼のメッセージを、翌日に割引クーポンを送付して来店を促すなどの活用が可能です。

3. リッチメニュー

リッチメニューとは、LINE公式アカウントのトーク画面の下に大きく表示されるメニューのこと。複数の分割フォーマットが用意されていて、個別にリンク先が設定できます。お店のWebサイトや予約フォーム、クーポン、ショップカードなどを設定することで、お客さんがトーク画面を訪れた際にいつでも必要な情報にアクセスできるようになります。

4. クーポン

お店で使用できるクーポンを、メッセージなどで手軽に配信することができます。

定期的に割引クーポンを配信することで、お客さんのリピーター化につなげている事例もあります。詳細は以下の記事をご覧ください。

5. ショップカード

LINE公式アカウントでは、ポイントが貯まるショップカード(ポイントカード)の作成が可能です。ポイントの条件やゴールまでのポイント数もこまめに設定できるので、リピーターをつくるのに効果的です。

LINE公式アカウントで集客する方法とコツ

LINE公式アカウントで集客する方法を紹介します。ステップは以下の2つです。

  1. まずは「友だち」を増やす
  2. 定期的にコミュニケーションをする

1.まずは「友だち」を増やす

まずは、お客さんにお店のLINE公式アカウントを「友だち追加」してもらいましょう。友だち追加をしてもらうには、QRコードを読み取ってもらうか、お店のIDを入力してもらう必要があります。友だち追加を促すためには、以下の3つが考えられます。

  1. 友だち追加でもらえるクーポンなどの特典を用意しておく
  2. 店頭・メルマガ・SNSで告知をする
  3. 認証済アカウントにして、LINEの検索結果などに表示されやすくする
1. 友だち追加でもらえるクーポンなどの特典を用意しておく

お店に来てくれたお客さんに友だち追加をしてもらうためには、登録するメリットを打ち出すことが重要です。「友だち追加でもらえる20%オフクーポン」や「ドリンク1杯無料クーポン」など、その場で獲得できる特典を用意するのがおすすめです。

2. 店頭・メルマガ・SNSで告知をする

特典を用意したら、Webサイト・メルマガ・SNSなどを使って、友だち追加を促すための告知を行いましょう。友だち追加のURLは、LINE公式アカウントの管理画面から発行できるので、必要に応じて利用しましょう。

店頭でカードを配布したり、追加を促す声かけをしたりするのも効果的です。レジ横などに友だち追加のQRコード付きポスターを貼ると、会計時にお客さんが目を止めやすくなります。QRコード付きポスターデータも、LINE公式アカウントの管理画面から無料でダウンロードできます。

3. 認証済アカウントにして、LINEの検索結果などに表示されやすくする

LINE社の審査を通過したアカウントは「認証済アカウント」と区別され、アカウント名の横に表示される認証バッジの色がグレーからブルーに変わるほか、LINEアプリ内の検索結果に表示されたり、一部の限定機能が活用できるようになったりと、認知度を広げることができます。

2. 定期的にコミュニケーションをする

LINE公式アカウントでお客さんと友だちになったら、お店のことを思い出してもらうため、定期的なメッセージ配信を意識する必要があります。

お得なクーポンや旬の料理写真など、受け取ったお客さんがうれしくなるようなコンテンツを配信しましょう。

せっかくお店の友だちになってくれたからには、お客さんがお店に来たくなるような情報を送りたいもの。興味のないメッセージを送り続けているとブロックされてしまうかもしれません。

お客さんにとってメリットのあるコンテンツは、以下のステップで考えることができます。

1. 配信したメッセージを分析する

LINE公式アカウントでは、お客さんに配信したメッセージが表示された回数(インプレッション)やメッセージがクリックされた数、ユーザー属性が管理画面から分析できます。

配信したメッセージの効果を分析すれば、今後配信するメッセージやクリエイティブのヒントを得ることができます。

2. ユーザーの属性を絞り込んだセグメント配信

LINE公式アカウントでは、お客さんの属性で絞り込んだセグメント配信も可能です。
例えば、配信したいメッセージが特定のユーザー層を狙うような内容であれば、性別・年齢・エリアなどで絞り込み、お客さんにとって効果的なメッセージを送ることができます。

何度かメッセージを配信した後に、配信のタイミングや内容を改善するのがおすすめです。

LINE公式アカウントで集客に成功! 3つの事例

実際にLINE公式アカウントで集客に成功したお店の事例を3つ紹介します。

  1. 「LINEで予約」リッチメニューでWeb予約数が月間2.5倍! | 焼肉店「極上赤身 焼肉 藤」
  2. 地域を絞ったメッセージ配信でテイクアウトが10分で完売 | 精肉店「長沼精肉店」
  3. テイクアウトでポイントが貯まるショップカードを制作。行きつけのお店に | ビアパブ「THE GRUB」

1. 「LINEで予約」リッチメニューでWeb予約数が月間2.5倍! | 焼肉店「極上赤身 焼肉 藤」

「極上赤身 焼肉 藤」(大阪府茨木市)は、お店のオープンに合わせてLINE公式アカウントを開設しました。住宅街に近い立地にお店を構えたことから、地元の人に愛されるためにもリピーター獲得が重要であると考えたそうです。

LINE公式アカウントのリッチメニューにお客さんからの予約を受け付けるエリアを固定表示したところ、Webからの月間予約件数が2.5倍に増加。簡単に予約できるため、高齢のお客さんからも好評とのことです。

>>「極上赤身 焼肉 藤」の集客成功事例を見る

2. 地域を絞ったメッセージ配信でテイクアウトが10分で完売 | 精肉店「長沼精肉店」

長沼精肉店(埼玉県加須市)は、地元で長く愛され続ける精肉店です。長沼精肉店では、メインのお客さんである主婦層の生活サイクルに合わせて、LINE公式アカウントでメッセージを配信。家事がひと段落する8〜9時や22時ごろにおすすめの肉レシピや新製品をお知らせしています。

テイクアウトのどんぶりは、100杯限定の予約枠が、早い時は配信後10分で埋まってしまうこともあるそう。一度のメッセージ配信で約20万円の売上を記録するなどの成果が出ています。

>>「長沼精肉店」の集客成功事例を見る

3. テイクアウトでポイントが貯まるショップカードを制作。行きつけのお店に | ビアパブ「THE GRUB」

ビアパブ「THE GRUB」(東京都渋谷区)は、新型コロナウイルスの感染症対策をしながら営業を続けていましたが、お客さんとのコミュニケーションの取りづらさを感じていました。

そこで、LINE公式アカウントを導入したところ、お客さん一人一人とスタンプをまじえて気さくにコミュニケーションを取れるようになったそうです。さらに、ショップカード機能を利用し、テイクアウトをした際にポイントが付く特典を用意しました。こうした取り組みを通じて、「行きつけ」になるお店づくりにLINEを活用しています。

>>「THE GRUB」の集客成功事例を見る

まとめ:お客さんとの関係性づくりに、LINE公式アカウントを開設してみよう

LINEが提供している企業・店舗向けのLINE公式アカウントは、お客さんとお店をつなぐ便利なサービスです。チャットやクーポンを活用して関係性をつくり、常連客を増やしましょう。

常連客の来店頻度が増えれば、口コミを通じて新規のお客さんが増えるきっかけにもなるはずです。実際に集客に成功しているお店もあり、お客さんとコミュニケーションをとる重要なツールになっています。

詳しい始め方については、以下からアクセスしてみてください。

*1:2021年7月マクロミル社調査より。企業・店舗のLINE公式アカウントの発信を受けたユーザーの71.8%が「企業からのメッセージを読んだ」と回答