人知を超えた不思議なパワーを、あなたは感じたことがありますか?
東京・銀座の中心にある、「隕石直売所」というのぼり。店の中をのぞいてみると、アクセサリーのショーケースや小さなカフェスペースがありました。
こちらのお店は「Big’ Bang’ 隕石直売所 銀座」。経営するのは、星の王子さんです。世界から集めた質のいい隕石を、身に着けやすい小物に加工して販売しています。購入すると幸運が訪れるという評判から新聞やテレビなどでも取り上げられ、有名人やアスリートなどもプライベートで買い求めるようになったそうです。なぜ人は隕石を買い求めるのか——。隕石の魅力をひもときながら、お客さまを引きつける魅力について伺います。
まずは取材陣が隕石パワーを体験!
「えっ、まだ隕石持ってないの? 今は銀座の小学生でも買って行くよ?」
お邪魔した取材陣が「隕石に詳しくなくて……」と話すと、目を丸くして驚いた星の王子さん。気さくで明るく、不思議な魅力を感じさせてくれます。
「そっか、隕石を見るのも初めてなんだ……。だったら、ペンにも隕石パワーを入れられるよ! 取材をするなら、まず自分で隕石を体感してみないと」
宇宙パワーシールは、隕石のエネルギールームに長期間置いて宇宙パワーを転写したものらしく、ペンにシールを貼った後、さらに隕石ルームでこれでもか! というくらいパワーを注入してくださいました。
「これで書き味が変わるからね。ちょっと書いてごらん」
「それからこれも持ってみて。隕石パワーでいい取材ができるよ」
ところで、隕石の魅力って何ですか?
「隕石の魅力はね、ものすごく簡単に言うとペンの書き味が変わったようなことが、体にも起こるんです。これに気づいたのが11年前。見てすぐ分かったんですよ、『これはすごい!』って」
隕石だらけの店内で隕石を抱きしめ、パワーの恩恵をしっかりと受けたところで、星の王子さんと隕石の気になる出合いから伺ってみましょう。
ほぼ文無しで隕石に出合い、3カ月後には手持ちのお金が800万円!
星の王子さんが隕石と出合ったのは、約11年前。その頃、東京で2年間屋根無し生活をしていたそう。未来に希望が見えず働く意味も見いせなかった星の王子さんですが、とあるカフェの喫煙所で不思議な出会いを経験したといいます。
「知らないマダムに今の生活のことを話したら、『隕石を持てば、貧乏だって抜け出すことができるわよ!』と見せてもらったのが始まりです。ビビッと『これだ!』と思ったので、全財産の3万円で、爪より小さな隕石を16個買いました。迷いは一切無かったですね」
マダムから買った隕石をアクセサリーにし、路上で通りかかる人に声をかけながら販売。バーやパーティーでの即売会、フリーマーケットやイベント出店などで試行錯誤をしながら徐々に販路を拡大します。3カ月たった頃には800万円を売り上げ、2012年には東京・鶯谷で現在の店舗の前身となる「Big’ Bang’本店」をオープン。そして、スカイツリー店や表参道店などを経て、銀座店を2019年にオープンさせました。
「初めて隕石を見たとき、5〜6年後にはきっと銀座に店を構えてるなって直感したんですが、7年目で出店することができました。でも、最初は苦労しましたね。だって、即売会で知らない人から『ねぇ、隕石買わない?』なんて声を掛けられたら誰でもドン引きします(笑)。10年前は隕石を欲しいという人はあまりいなかったけれど、地道な販売活動を経て、今では欲しいという方が増えました。電話注文もたくさんありますよ」
アクセサリー、絵画、壁材、農業……隕石利用の幅広さに驚き!
そもそも隕石は、宝石の一つとして分類されています。地球上にある隕石の種類は石質隕石、鉄質隕石、そしてこの2つが組み合わさった石鉄隕石の主に3つだそう。「Big’ Bang’ 隕石直売所 銀座」では鉄質隕石のギベオンと、石鉄隕石のイミラック・パラサイトを取り扱います。
ギベオンは地球上の隕石のわずか4%、イミラック・パラサイトは1%にも満たない希少な最高級品です。質のいい隕石を集めて販売するだけでなく、アクセサリーや粉などに加工して身に着けやすく工夫しているのは同店ならでは。
それほど質のいい隕石を、一体どこから仕入れているのでしょうか。
「隕石って、世界中で1日2,000個ほど落ちてくるんです。明日、その辺に落ちてくるかもしれないですよ。うちで保有している隕石がすでに6トン10兆円分くらいあって、それだけでやしゃごの代まで売れるくらいありますが、追加で卸や個人の方から仕入れることもあります」
質にこだわってきた信頼感と工夫を凝らした販売数の実績が、業界でも認知されているおかげで、世界中から星の王子さんの下へ良質な隕石が集まってくるようです。
販売している隕石は、アクセサリーだけではありません。実はいちばんの売れ筋は隕石の粉。丹田と呼ばれるおへその下あたりに入れたり、お風呂に浮かべたりと、何かと使い勝手のいいアイテムです。
さらに、隕石の粉や石を混ぜた絵の具で描かれた絵も販売。こちらは星の王子さんが描いたそう。また、お店の壁材には隕石を混ぜ込んでいて、時々、お客さまから施工の相談もあるのだとか。
あれっ? ということはもしかして……。
やっぱり! カフェスペースのコーヒーも、隕石入り!
店内の小さなカフェスペースでは、隕石で浄水・抽出した水で作るコーヒーを、隕石を練り込んだカップで飲むことができます。「願い事がかなう不思議なコーヒー」として、隕石を見に来た方にも好評なのだとか。
また、農家との共同プロジェクトとして、土や水に隕石を混ぜて育てたメロンやイチゴなども収穫&販売しています。ケーキに使っているジャムも、採れたイチゴを使用したもの。
「イチゴの収穫は朝の2時に出発し、日が出てきた頃に帰ります。毎年、お客さんたちと一緒に行くんですよ」
収穫はかなりの重労働だそう。それでも一緒に行ってくれるファンがいる。それは隕石だけでなく、星の王子さん自身にも多くの人を引きつける魅力があるのだと感じます。
お客さまのリアルな声から隕石は広がっていく
「5年以内には、日本人全員に隕石の魅力に気づいてもらいたいです。そのためにメディアをはじめ、さまざまな活動を行っています」
将来の展望を語る星の王子さん。彼が「いい」と実感した隕石は、やはり目の前で見たときに一番強く感じられるもの。まだまだ認知の低い隕石の魅力を伝えるためには、マンツーマンで丁寧に接客する必要があります。オンラインでも商売できる時代でも店舗を持つ理由はそのためです。
「お店のお客さんは紹介が6割、飛び込みが4割です。感性のいい方は、『気になる』って感じられるんじゃないかな。ふらっと入って来て、200万円などの商品を買って行く方もいらっしゃいますよ」
隕石を買っていいことがあれば、お客さまがウェブサイトに口コミを書いたり、報告のために来店したりと、さらにたくさんの人に広がっていくのだそう。
「お店に来たお客さん同士が仲良くなることも多いんですよ。『私はこんないいことが起きたのよ!』なんて、座談会みたいになっちゃって(笑)。売り手の声なんかより第三者の言葉の方が信頼できますからね。僕は黙ってそれを見ているだけですよ」
「隕石、買ってみます!」
お話を伺って、隕石に興味を持ったおなじみスタッフが“清水買い”。 購入したのは、いちばん人気の超隕石(R)粉。さらに、ピアスにも隕石を貼り付けていただき、サンダルにも宇宙パワーシールを貼っていただきました。
2週間ほど持ち歩いていますが、パワーの実感はきっとこれから。ワクワクが止まりません!
取材中にも「こんなお声も届いていますよ」と、たくさんの経験談を伺ってポジティブな気持ちになりました。隕石を購入するタイミングで「こうなりたい!」というイメージを強く持つことで、普段は見過ごしているチャンスをキャッチできるようになるのかもしれません。
「人は昔から流れ星にお願いごとをしてきたでしょ? 隕石は、宇宙から長い時間を経て地球に届いた贈りもの。何事もあきらめずに願い続けることが大事だと思っています」
取材先紹介
- Big’ Bang’ 隕石直売所 銀座
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東京都中央区銀座3-8-13 光生ビル1F
電話:03-5579-9269
- 取材・文薮田朋子
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おしゃれライター&編集者。ファッションから健康系まで20〜30代女性をターゲットに雑誌や書籍、Webメディアなどで元気に活動中。
- 写真野口岳彦
- 企画編集株式会社 都恋堂