実際に店を訪れた人が情報を寄せる「口コミサイト」は多くの利用者が存在し、現在も新しいサービスが登場しています。「口コミ」に対するユーザーの信頼度も高い状況にありますが、徹底的に口コミサイトをチェックして店を選ぶ人、あまり口コミを気にしない人など、使い方や意識は人それぞれです。
そこで、店を利用するお客さんに、「口コミに関するアンケート」を実施しました。口コミを見る人に加えて、投稿を行う人にも注目し、「口コミ」に込められたホンネを解き明かします。
※「Freeasy」調べ n=1,000
多くの人が「口コミ」を店選びの基準に
「口コミサイトを参考に店を選びますか?」という質問に対して「選ぶ」と答えた人は、全体の63.3%。その理由として「安心感を得られるから」「いいものと出合えそうだから」「店の特徴が分かるから」などの回答が寄せられました。
確かに、友人と行く店を選ぶ際、ポジティブな口コミが多く集まる店をピックアップしていたり、「いい口コミが多いよ!」とコメントを添えたりすることもしばしば。「口コミ」には、さまざまな人の言葉で店が“見える化”され、“想像できる”ようになるという利点があります。
続けて、口コミサイトを参考に店を「選ぶ」と答えた人に、どんな口コミを参考にするのかと聞いたところ、半数以上の人が「ポジティブなもの」と答えました。
- 評価の高い店に行きたいから
- 行きたい店のいいところを知りたいから
- 店の魅力が分かる内容であることが多いから
- 「行ってみよう!」と背中を押してもらえるから
- みんなが「いい」と賛同、共感する店に行きたいから
- 批判的な口コミは偏った意見のような気がするから
- ネガティブなコメントが理由で遠ざかるのはもったいないと思うから
といった理由が多く寄せられました。ポジティブな意見が店に行く動機付けになっているのはもちろん、楽しい時間を過ごす店を前向きな気持ちで選びたいという心理も垣間見えます。
逆に「ネガティブなもの」を参考にすると回答した人たちからは、
- 悪いところが分かれば後悔も減るから
- ダメだと言われているところを自分が気になるか確認したいから
- ネガティブな意見にこそホンネが出そうだから
といった声が。わざわざ時間もお金もかけて行った店で残念な思いをしたくないという気持ちに共感できる人も多いはず。気持ちのいい時間を過ごすため、ネガティブな意見に目を通すことも大切なことかもしれません……。
口コミサイトは「見る専門」が普通!?
店選びの際、「口コミ」を参考にしている人が多いことが分かったところで、次に「口コミサイトに口コミを投稿したことはありますか?」という質問をしてみたところ、なんと全体の84.4%が「ない」と回答!
投稿したことが「ない」理由として
- どうしても面倒な気持ちが勝ってしまうから
- 店のいいところを自分の文章力で伝えられないと思うから
- 自分の好みや感性に自信がないから
- 思ったことや感じたことが既に書かれている場合がほとんどだから
- 口コミをしても反応がもらえないから
- レビューできる程の情報を持っていないから
- 投稿内容でもし炎上してしまったら店に申し訳ないから
といった意見が挙げられました。圧倒的に多かったのは口コミ投稿を手間に感じている人。しっかり書かれたものをよく目にするので、気軽に投稿していいものか……と気後れするのは理解できます。店をチェックボックス形式で評価できるなど、もう少し簡易的だと参加ハードルも低くなりそうです。また、自分の感覚に自信を持てない人や他人の選択に責任を持つことができないと思っている人も多く、どこかの誰かの行動のきっかけになることを考えると、安易に投稿できないようです。
口コミを投稿したことが「ある」と回答した人からは、
- いいものを紹介したいから
- これから利用する人たちの参考になればいいと思うから
- 「おいしかった」「いい空間だった」など、感動を分かち合いたいから
- 口コミを参考にして、いい店を選ぶことができた経験があるから
- 投稿された口コミに感謝の気持ちを持っているから
など、“客”という同じ立場の人へ還元したいという、優しさが見て取れました。また、「いいと思った店を応援したいから」というコメントもちらほら。誰かにとって有益な情報を提供したいという思いがあるからこそ、参考にする側もポジティブなものを選ぶのかもしれません。
お客さんからの声に耳を傾ける店はやはり好印象!
続いて「お客さんの書き込んだ口コミに対し、返信をしている店に対してどのような印象を持ちますか?」という質問には、
- 律儀で誠実な印象
- 信用できそう
- 向上心が高そう
- 店舗での気配りもできそう
- お客さんを大切にしていると思う
- 真面目に営業していそう
- 誠意を感じる
といった回答がほとんどでした。日々、さまざまな角度から集まってくるお客さんからの意見を聞こうとする店側の姿勢に、好感を持つ人は多いようです。
中には、「このような店(口コミに返事をしている店)は、どんどん良くなっていくと思うので、今後も利用したい気持ちになる」という意見もありました。苦情や直してほしいといった要望に対してもきちんと対応している店は、その後の期待値も上がっていくようです。店側としては耳が痛い意見ですが、店のファンを増やすため、お客さんの声に真摯に向き合うことが大切だということを感じる結果なのではないでしょうか。
「口コミ」はお客さん側が店を選ぶ参考にするものだと思っていましたが、店のアピールにもつながるということは新たな発見かもしれません。
以上、「好きな店を応援したい」「素敵な店を紹介したい」という前向きな思いで「口コミ」がされていることがわかった意識調査でした。店選びに「口コミ」を参考にすることは、今や当たり前になっています。想像以上にお客さんのホンネが反映されている「口コミ」との、上手い付き合い方を考えていく必要がありそうです。
- 取材・文おなじみ編集部
イラスト松沢ゆきこ
企画編集株式会社 都恋堂