寿司と天ぷらという、日本の二大ごちそうを楽しめる居酒屋「寿司の惑星 SUSHI PLANET」。一度訪れたら虜になってしまう、遊び心あふれる集客方法の裏側に迫りました。
2021年12月、武蔵小杉駅から徒歩5分の府中街道沿いにオープンした「寿司の惑星 SUSHI PLANET」。良質な寿司が一貫75円から食べられるというリーズナブルな価格設定だけでなく、他店にはないサービスがリピート率の高さの秘密です。入社3年目、26歳にして複数店舗の売上を伸ばしてきた経験を持つ若き店長に、店づくりのこだわりや、大胆過ぎる集客アイデアを教えてもらいました。
- 宮島侑己さん
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SEを目指しプログラミングを学んでいた大学時代、大手居酒屋チェーン店のアルバイトで接客の楽しさに開眼。大学を4年生で中退して本格的に飲食の道へ。株式会社リロードエッジへ入社した2カ月後に店長を任され、3カ月で売り上げ400万円アップを達成。2023年より「寿司の惑星 SUSHI PLANET」の店長を務める。趣味はカフェ巡り。
- SNSで話題の「寿司の惑星 SUSHI PLANET」はどんなお店なのか
- 「地域のみなさまの明日(ミライ)を元気にする」という理念を大切に
- 「寿司の惑星 SUSHI PLANET」のリピーターづくり
- 「寿司の惑星 SUSHI PLANET」の集客方法
- 目指すは過去ピークの売上1,200万円超え
SNSで話題の「寿司の惑星 SUSHI PLANET」はどんなお店なのか
――カジュアルな大衆居酒屋で、本格的なお寿司や天ぷらがリーズナブルに食べられると話題ですが、あらためて「寿司の惑星 SUSHI PLANET」はどんなお店なのでしょうか?
宮島さん:店名や雰囲気はポップなんですが、寿司に赤酢のシャリを使ったり、食材も厳選したりと、提供しているものはちゃんとしているというギャップが魅力です。人気の「寿司ぷら盛り」は本マグロや穴子など7貫で1,738円。この価格に抑えられる理由は、気合いですね(笑)。お客さんを飽きさせないように、季節限定の料理を用意したり、個人的に好きな日本酒やワインを仕入れたり、僕が独自に加えているメニューも多いです。
――宮島さんのこだわりがメニューに反映されているんですね。お客さんはどんな方が多いですか?
宮島さん:グループでの飲み会も一人飲みも、しっかり食事やランチもできるなど、いろんなシーンで使っていただけるお店なので学生から社会人まで客層も幅広いです。平日は近隣にお住まいの家族連れの方、週末は地元の方だけでなくSNSを見て遠方からもいらっしゃいます。
川崎フロンターレのホームスタジアムも遠くないので、試合がある日はサポーターさんで席が埋まることもあります。フレンドリーで活気のある店づくりを心がけているので、スタッフについてくれるファンのような常連さんが多いのも、うちの長所かなって思います。
「地域のみなさまの明日(ミライ)を元気にする」という理念を大切に
――現在入社3年目、弱冠26歳の宮島さん。入社後3カ月で系列店の店長に抜擢されたそうですが、どんな経歴をたどってこられたのでしょうか?
宮島さん:会社(リロードエッジ)に入る前は、学生時代にアルバイトから始めた大手居酒屋チェーンで契約社員として働いていました。もともとSEを目指して大学に通っていたんですが、居酒屋の仕事がおもしろ過ぎて中退。この会社に入ってすぐに系列店の店長を任せてもらって、3カ月で売り上げを400万円アップさせることができました。お客さんのリアクションを見るのが何よりも大好きで、僕の最大のモチベーションです。
――数ある飲食店の中で、リロードエッジに入社されたきっかけはなんだったのでしょうか?
宮島さん:接客がやりたいと思っていたので最初はホテルやアパレルなども検討しましたが、最速でお客さんの反応が見られるのはやっぱり飲食しかないなと。その中でもこの会社に決めたのは、「地域のみなさまの明日(ミライ)を元気にする」という理念が自分の考えと合致したからです。お店に来てもらったその瞬間から、それ以降のお客さんの未来を元気にしたいという気持ちでいつもお迎えしています。
――「寿司の惑星 SUSHI PLANET」はコロナ禍の2021年にオープン。最初は思うように集客できなかったそうですが、どのように挽回していったんですか?
宮島さん:オープンして1年後にインフルエンサーマーケティングを活用して、月100〜200万円だった売上が900万円くらいまで上昇しました。僕が店長になったのはその頃で、最終的に1,200万円弱まで売上を伸ばしたんです。ただ、人手不足などで思うように売上をキープできなかったので、現在は人材の確保や育成に注力しています。
店長って、スタッフには「怖い」とか「話しにくい」と思われがちな存在ですが、僕は一人ひとりとしっかりコミュニケーションをとって、アットホームな雰囲気づくりを大切にしています。スタッフがお店を好きになってくれたら、それが接客に反映されていき、最終的にはお客さんもお店のことを好きになってくれると思うので。まずは、みんなが楽しく働ける職場づくりに努めています。
「寿司の惑星 SUSHI PLANET」のリピーターづくり
――さきほどスタッフにファンがついているというお話がありましたが、他にも常連さんづくりのためにやっていることはありますか?
宮島さん:僕は一度来店された方に、また来ていただくのがすごく得意なんです。
そのために、忘れてはいけないのが、"自分がお客さんだったらどうか”という視点。僕はカフェ巡りが好きなんですが、「また行きたいな」と思えるお店にはいくつもの魅力に感じるポイントがあります。お店の雰囲気が良い、いつも新しいメニューがあって楽しいとか、スタッフの接客が良いとか。このようにカフェ巡りで感じたことを、自分のお店でも実践しているだけなんですよね。
働く側になった瞬間、つい客観的な視点を失ってしまうんですが、常にお客さん側の気持ちになれば喜ばせる方法は必然的に分かると思うんです。
――接客に力を入れているのも、メニューが豊富でリーズナブルなのも、"お客さん視点”を意識しているからできることなんですね。
宮島さん:はい。店員が笑顔で席に来てくれたらお客さんはうれしいし、満席時の断り方にしても「今日は満席ですみません」と言うより、「お電話いただけて、とてもうれしいです。ぜひお席をご用意したいんですが、今はどうしても難しくて……。ただ、この時間からならご用意できます!」と素直に気持ちを伝えると、また来てみようかなと思ってもらえる。料理うんぬんの前に、この場所や人を気に入ってもらうことが重要なんじゃないかと思います。
――メニューを見ていて驚いたのが、ボトルを原価で提供しているということ。これはどんなサービスなのでしょうか?
宮島さん:次回の来店時に使用可能な「ボトルと引き換えできるチケット」をそれぞれの原価で販売しています。当日は使えないので、2回目の来店を確定させるという作戦です。お客さんには何度もお店に来てほしいけれど、経済的な負担は減らしたいと考えたサービスです。キンミヤのボトルなら770円、ドリンク2杯分の価格で14杯くらい飲めますね。
これだけでは飽き足らず、同じように次回の来店時に使える「寿司ネタ8種盛り通常2,000円が500円で食べられるチケット」も始めました。正直こちらは赤字ですが、お酒が飲めない未成年や家族連れに好評です。他のメニューを頼んでもらえればなんとかカバーできますし、2回目来てもらえれば、1回目より満足させる自信があるので。
――思い切ったサービスですね! これは全て宮島さんのアイデアなのでしょうか?
宮島さん:そうです。「寿司の惑星 SUSHI PLANET」という業態がまだ1店舗しかないということで自由が効きますし、店が潰れない程度であれば会社はどんなアイデアでも面白がってくれるので、僕もいろいろと挑戦することができます。常連さんからのリクエストを採用することもありますよ。
「寿司の惑星 SUSHI PLANET」の集客方法
――SNSも上手に活用されている印象ですが、どんなことをやっていらっしゃいますか?
宮島さん:LINE公式アカウントでもかなり自由にやっています。会員登録していただいたお客さんに「初回特典ドリンク一杯無料」はずっとやっているのですが、それとは別で毎週のようにクーポンを配信しているんです。おもしろいクーポンをどんどん開発していて、お客さんも楽しんでくださっています。いま友だち数は6,800人ほどなんですが、クーポンを配信するとめちゃくちゃ来店数が増えますね。
――それはすごいです。どんなクーポンを送っているんですか?
宮島さん:例えば、ストップウォッチを5秒ちょうどで止められたらドリンク3杯無料になるという「5秒当てクイズ」、「あっち向いてホイ」でスタッフと対決して勝ったら何かもらえるといったゲーム系のクーポンです。スタッフにとってはお客さんとコミュニケーションを取る良いきっかけになるので、社内でも好評です。お客さんを飽きさせないように、常に新鮮なクーポンネタを探しています。
寿司の惑星 SUSHI PLANETのLINE公式アカウント活用方法をさらに知りたいなら
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詳しくは以下のページをどうぞ!
目指すは過去ピークの売上1,200万円超え
――情熱を持って心から仕事を楽しんでいらっしゃる宮島さんですが、今後どのようなお店にしていきたいですか?
宮島さん:まずは売上を過去の最高記録である1,200万円までもっていくこと。当時はインフルエンサーの力もあったので、今度は店長である自分の力で達成したいです。また、引き続きスタッフのリクルーティングや教育にも力を入れて、もっとたくさんのお客さんの明日を元気にできるお店になっていけたらと思います。
気になるあのお店の集客成功事例
【取材先】
寿司の惑星 SUSHI PLANET
住所:神奈川県川崎市中原区小杉町3-441-17 小杉Mビル1F
Web:寿司の惑星 SUSHI PLANET公式サイト
Instagram:寿司の惑星 SUSHI PLANET Instagram
取材・文/井上 麻子
京都生まれ食べ飲み盛り。飲食店・生産者取材で全国を巡りつつ、学芸大学のブックカフェ「COUNTER BOOKS」の店長もやっています。文字とフィジカルの両方で食の楽しさを伝えたいです。
Instagram:COUNTER BOOKS
撮影:大崎あゆみ
編集:はてな編集部
編集協力:株式会社エクスライト