【テンプレートあり】飲食店のお客様アンケートに必要な項目と作成のコツ

アンケート用紙やスマートフォンでアンケートを記入しているイラスト

お客さんに「また来たい」と思ってもらえるお店をつくるためには、アンケートを活用し、お客さんが感じているお店の改善点や強みを知ることが有効です。料理や内装にこだわっているのに、なかなか売上が安定しない・伸びない状況の場合、まずはお店の現在のパフォーマンスを客観的に把握しましょう。

アンケートでは、より多くのお客さんに回答してもらえるよう工夫するほか、知りたいことや目的に合わせて設問を絞り込む必要があります。

そこで、目的別のアンケートの取り方や、お店の改善につながりやすいアンケートの質問例について紹介します。

こんな人におすすめ

  • 店舗の改善点が明確化できていない
  • アンケートで聞くべき項目が知りたい
  • 回答の質が高くなるアンケートを作成したい

飲食店でアンケートを取る3つの方法

アンケートを取る方法で一般的なのが、アンケート用紙を客席に置くというもの。この方法を含めてアンケートの取得方法には以下の3つがあり、それぞれ取得できる情報の量や質が異なります。

  1. アンケート用紙に記入してもらう
  2. デジタルツールを用いてオンラインで回答してもらう
  3. 直接コミュニケーションを取って答えてもらう

どの方法を選ぶかによって設問の内容が変わってくるため、まずは自店舗に適した方法を選びましょう。

1. アンケート用紙に記入してもらう

アンケート用紙に記入している写真

アンケート用紙を客席に置く、またはお客さんに手渡す方法です。お客さんに直接回答してもらったり、感想を記入してもらったりして、退店時に回収します。お客さんにとって分かりやすく、回答のハードルが低いこと、すぐに記入できることがメリットとして考えられます。

以下のいずれかに当てはまる店舗におすすめの方法です。

  • 自由記述メインのアンケートにしたい
  • 一時的にアンケートを取りたい
  • 細かく分析はせず、できるだけ多くの回答数を得たい

一方で「集計作業の負担が大きい」「同じお客さんが重複して回答する可能性がある」「印刷代やペンなどのコストがかかる」といったデメリットもあります。

特にアンケート用紙の場合、集計は手作業で行うことがほとんどです。さらに、回答の割合や「女性のお客さんは設問Aで『はい』と答えている比率が高い」といった傾向を見るためには、表計算ソフトなどを利用して整理する必要があります。

アンケートの回収数が1日数枚程度であれば負担は少ないですが、回収数が多い店舗やデータを蓄積していきたいと考えている店舗には不向きでしょう。

2. デジタルツールを用いてオンラインで回答してもらう

スマートフォンでアンケートに記入している写真

集計の手間が少ないのは、Webサイトやスマートフォンアプリなど、デジタルツールを活用する方法です。自動で集計できるほか、データはアンケートツールに蓄積されていくため、長期的にアンケート結果を整理できます。

また、設問ごとに分岐を設定することができます。例えば、設問1で「Yes」を選んだ人に向けて、「No」を選んだ人とは異なる設問が用意できます。

こうした分岐回答は、紙のアンケートでも文面の工夫で実現できますが、読み飛ばしてしまったり、間違って答えてしまったりすることもあるため、デジタルツールの方がより正確でしょう。

さらに、ツールによっては、選択肢の割合を算出するだけでなく、分岐に応じて「設問AでYesを選んだ人の9割は、設問BでNoを選んでいる」といった傾向も分かります。

ただし、集計や分析面ではメリットが大きいものの、お客さんからすると「(QRコードを読み取って)Webサイトにアクセスする」「アプリをダウンロードする」といった手間が発生してしまいます。アンケートの回答率が低くなってしまう可能性が考えられるため、積極的に声掛けを行うなど、利用を促しましょう。

導入を検討している人に向け、アンケートに活用できるデジタルツールを3つ紹介します。

1. Google フォーム

Googleフォームのサイト画面

引用:Google|Googleフォーム

Google フォームは、用途がアンケートに絞られており、操作しやすいのが特徴です。

無料で使用できるサービスでありながら、単一回答のための「ラジオボタン」、複数回答ができる「チェックボックス」、回答による質問の分岐など、アンケートに必要な機能がそろっています。

アンケートを作るにはGoogleアカウント(無料)が必要です。回答はアンケート作成者のGoogleアカウントのデータベースに蓄積されるため、Google フォーム上で閲覧できます。また、Googleが提供している表計算ソフト「スプレッドシート」に回答をエクスポートする機能も備わっています。

アンケートだけであれば十分なサービスですが、デメリットは「重複回答を完全には避けられない」ことです。複数回答を制限するためには回答者がGoogleアカウントにログインしている必要がありますが、お客さんはログインをしなくても回答が可能です。

クーポンなどを付けずに記入をお願いするなど、何度も回答するお客さんが出ないようにして使いましょう。

>>Googleフォームを見てみる

 

2. formrun

多機能フォームサービス「formrun」のサイト画面

引用:formurun|formrun

formrunは、アンケートに限らず、予約やお問い合わせ対応用のテンプレートがそろっている多機能フォームサービスです。20種類以上のテンプレートの中からデザインを選択し、テキストを入力するだけで、簡単にフォームが作成できます。

優れたデザイン性や適切な案内を表示させるなど、フォームからの離脱を防ぐ工夫がされているのが特徴です。回答データはスプレッドシートや顧客管理ツール「Saleseforce」にエクスポートできます。

フォーム作成は1つまで無料、2つ以上作る場合は「3,880円/月〜」のプランへの加入が必要です。数問程度のアンケートだけであれば、無料で複数のフォームを作れるGoogleフォームの方が適していますが、予約やデリバリーの申し込みフォームなども作りたいと考えている人は利用を検討してみるとよいでしょう。

なお、「重複回答を防止する」をONにすることで、同一端末・同一ブラウザからの複数回答を防止できる機能も備わっています。

>>formrunを見てみる

 

3. LINE公式アカウント

LINE公式アカウントの画面

LINE公式アカウントは、友だち追加をしてくれたお客さんに対して以下の機能が使えるサービスです。

  • メッセージ配信
  • クーポン発行、管理、配信
  • ショップカード(ポイントカード)
  • リサーチ(アンケート)
  • LINEコール(音声電話) など

お店とお客さんのコミュニケーションに役立つ機能が搭載されており、その一つとしてアンケートが配信できる「リサーチ」があります。URLを開くだけで回答できるGoogleフォームやformrunと異なり、「友だち登録をしてもらう」というステップが生じてしまいますが、重複回答は生じません。

回答してくれたお客さんにクーポンなどのインセンティブが配信できるため、回答率を高める効果も期待できます。

また、メールアドレスなどを取得しなければ、基本的にお店に来てもらったときにしかアンケートが収集できない他の方法と異なり、一度友だち追加をしてもらうと、いつでもLINE上でアンケートが配信できます。しばらくお店に来ていないお客さんにも配信できるのが特徴です。

友だち追加をしてもらうと、アンケートだけでなくお店の最新情報がメッセージなどで告知できるので、お客さんとのコミュニケーションにも役立ちます。

>>LINE公式アカウントを見てみる

 

3. 直接コミュニケーションを取って答えてもらう

お客さんとコミュニケーションを取りやすい小規模なお店であれば、直接聞いてみるのもおすすめです。紙やデジタルツールと異なり、回答を記録できないのはデメリットですが、お客さんの好みや雰囲気を踏まえてヒアリングができます。

例えば「日本酒のラインアップが十分だろうか」と考えている場合、全体向けのアンケートで聞くより、日本酒が好きなお客さんに直接聞いた方が対象者を絞り込めます。特に会話だと追加で質問ができるので、紙やデジタルツールより、多くの情報を正確なニュアンスで聞き出しやすいでしょう。

紙やデジタルツールでも「日本酒が好きな方に質問です」といった文面を入れられますが、お酒ごとに設問を用意するのは現実的ではありません。以下のいずれかに当てはまるなら、口頭でアンケートを取ってみるとよいでしょう。

  • お客さんの好みごとにニーズを詳細に知りたい
  • 一人で来店するお客さんが多い店舗である
  • お客さんとよくコミュニケーションを取っている

ただし、対面だと心理的にネガティブな意見は言いづらいというお客さんが多数を占めます。そのため、お客さんとの関係性が築けている場合、お店をより良くするためのポジティブなアイデアを得たいときに有効です。

最後に「紙」「デジタルツール」「直接のコミュニケーション」の特徴をまとめました。適したツールを見極めつつ、次章で盛り込む設問項目を考えていきましょう。

  デジタル 直接のコミュニケーション
集計の容易さ ×
得られる回答数 ×
回答の質・細かさ
こんな店舗におすすめ 回答数を集めたい しっかり傾向を見たい 細かくヒアリングしたい

 

飲食店のアンケートで聞きたい5項目

アンケートの目的は「店舗改善」なので、「自店舗のどこを改善したいか」によって入れる項目は変わります。本章では、代表的な5つの項目を紹介します。

  1. お客さんの属性・シーン
  2. 来店のきっかけ
  3. メニューに対する感想
  4. 接客の質
  5. お店の居心地・清潔感

 

1. お客さんの属性・シーン

お客さんの属性(性別・年齢層)や利用シーンを聞くと、お店の内装やBGMなどの雰囲気づくりや集客方法の決定に役立ちます。

<設問例>

  • お客さまの性別を教えてください
  • お客さまの年齢を教えてください
  • 本日はどなたと来店されましたか?

回答の傾向によって、以下のような改善策を考えられます。

回答から見られた傾向 傾向から考えられる改善案
若い女性が多い ・Instagramなど若い女性が多く使うSNSを運用する
・写真映えのするメニューを開発する
一人で来店した男性が多い ・帰りにサクッと食べられるスピードメニューを取り入れる
・気軽に入りやすいよう、照明を明るくする
カップルが多い ・テーブルごとの間隔をあける
・照明を暗くしてムードのある雰囲気づくりを行う

お客さんにとって回答の負担が少ない項目であるため、アンケート作成の際にはぜひ入れておきましょう。

お客さんの年齢からメニュー改善につながった例

お客さんの年齢データを集計したところ、メインターゲットとしていた40〜50代の方だけでなく、30代も2割ほどを占めていることが分かりました。

比較的サッパリしたおつまみや料理をメインにしていたので、ややこってりな唐揚げやポテトも追加してみたところ、やはり若い方に注文してもらえました。「今まではあっさりしたものが食べたいときだけ来ていたけど、油ものも注文できて良い」と、来店回数も微増傾向にあります。

(おなじみ編集部調べ)

お客さんの属性によっては、SNSやLINEなどオンラインでの集客が有効になる可能性もあります。LINE公式アカウントの集客については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

onaji.me

 

2. 来店のきっかけ・お店を選ぶ際の判断基準

「お客さんが何を見て来てくれたのか」「普段どのような方法でお店を探しているか」を聞くことで、現在行っている集客施策のパフォーマンスを把握することができます。

<設問例>

1. 本日はどのようなきっかけで来店しましたか?

  • チラシを見て
  • グルメ情報サイトを見て
  • SNSを見て
  • テレビを見て
  • 家族や友人の紹介で
  • 通りがかり
  • ホームページを見て
  • その他(※自由記述)

2. 普段はどのような方法でお店を選んでいますか?

  • マップサービスで検索
  • グルメ情報サイトで検索
  • グルメ情報サイト等での口コミ
  • SNS
  • 検索(自由記述:どのようなキーワードで調べていますか?)
  • その他(※自由記述)
回答から見られた傾向 傾向から考えられる改善案
グルメ情報サイトをきっかけに来店した人が多い ・目立つ場所に掲載できるように広告を出す
・キャンペーン等でレビュー投稿をお願いする
SNSをきっかけに来た人が多い

・発信の数を増やす
・積極的に他ユーザーと交流する

マップサービスで調べる人が多い Google ビジネス プロフィール(旧・Google マイビジネス)への登録情報を充実させる

お店によって立地やターゲットが異なるため、効果が出やすい集客方法も違います。回答数が伸びている方法やお客さんが見ている情報源を確認し、集中して投資することで、より集客効果を高められます。

お客さんに集客してもらっていたことが判明した例

日本酒を主に扱っている小さなバーを経営しています。一人客が多く、メインは男性でした。しかし、ある時期から徐々に女性が増加。

何をきっかけに来てくださったのか聞いてみたところ、「人づて」「検索して見た記事に載っていた」などが多かったのですが、詳しく聞いてみると、どうやらお客さんがSNSに投稿した内容が拡散されていたことが元になっていたようです。

お客さんにもお礼を言い、せっかくなのでSNS運用を始めてみました。徐々にSNSをきっかけに来てくれる人も増えています。

(おなじみ編集部調べ)

3. メニューに対する感想

お客さんに「また来たい」と思ってもらえるお店を作るには「料理のおいしさ」が重要です。メニューに対する感想はできるだけ聞くようにしましょう。

実際におなじみ編集部が実施したアンケートの結果によると、「行きつけになった理由は?」(複数回答可)の1位は「料理のおいしさ」(約86%)でした。

常連客になった理由について聞いた、アンケート結果のグラフ


ただし「味はどうだったか」といった曖昧な質問だと、全体的な料理に対する回答が返ってきてしまいます。改善につなげるのが難しいので、メニューを絞りながら具体的な回答を用意しましょう。

<設問例>

1. おすすめメニュー「魚介クリームパスタ」を注文した理由を教えてください。

  • パスタが好きだから
  • 魚介の素材に目を惹かれたから
  • 料理の見た目が魅力的だったから
  • 新メニューだから
  • 値段が安いと感じたから
  • SNSに載せたいから
  • 季節感を感じたから
  • その他(自由記述)

2. 魚介クリームパスタについて、いまいちだった点があれば教えてください。

  • なし
  • 味が濃い
  • 味が薄い
  • パスタの量が少ない
  • 魚介の量が少ない
  • 脂っこい
  • その他(自由記述)

3. おすすめメニューの魚介のクリームパスタを注文しなかった方にお伺いします。注文しなかった理由を教えてください。

  • そもそもパスタが好きではないから
  • 魚介に魅力を感じない
  • 特に美味しそうに感じなかった
  • 値段が高かったから
  • 量が多そうに見えたから
  • 他のメニューを頼んだから(自由記述)
  • その他(自由記述)

このように、注力メニューの具体的な感想を確認することで、「パスタ(魚介)好きなお客さんが多いから、次回のおすすめもパスタにしよう」「価格をもう少し下げてみよう」という改善策につながります。

お客さんのお好みがアイデアにつながった例

都内でイタリアンレストランを経営しています。毎月おすすめメニューを考えていて、月によって注文数の上下が大きかったので、アンケートを取ってみました。

すると「料理の見た目」がきっかけで頼んでくれる人が多いと判明。原価の安いパスタを軸にしつつ、具材を華やかで高級なものにすることで、価格帯を維持しながら見栄えの良い料理を考案しました。

注文数が増えたことに加えて、SNSへの掲載も増加して、新たな新規顧客の開拓へとつながりました。

(おなじみ編集部調べ)

4. 接客の質

前章で紹介したおなじみ編集部が実施したアンケートの「行きつけになった理由は?」(複数回答可)という質問に対し、51%の方が「店主の人柄や関係性」、33%の方が「従業員の接客」と回答しています。

「お客さんのスタンスに合わせた対応ができているか」「お客さんの困りごとに気づけているか」など、接客の質はリピーター獲得に影響することが分かります。新しい店員を複数人採用するなど、十分な対応ができているか、アンケートを取ってみましょう。

<設問例>

1. スタッフの対応はいかがでしたか?

  • 良い
  • 普通
  • 悪い

2. 「悪い」と回答された方へ質問です。どのような点でそう感じられましたか?

  • 身だしなみが整っていなかった
  • 笑顔がなかった
  • 早口など聞き取りづらかった
  • お会計や注文でミスがあった
  • その他(自由記述)

3. 「良い」と回答された方へ質問です。印象に残っているスタッフがいれば教えてください。

お客さんが「また来たい」と思うような接客にするために、現状把握のヒアリングは大切です。

接客アンケートが従業員のモチベーションアップにつながった例

アルバイトを数人雇っているのですが、自分は厨房に入っているので、従業員の接客をあまり見られていませんでした。そこでアンケートを取ろうと考えたのですが、良い部分はしっかり伸ばしてもらいたいと思ったので、「印象に残ったスタッフ」の項目を追加。

ネガティブな評価は解消できるよう、マニュアルに項目を追加し、ポジティブなコメントは従業員に伝えるようにしたことで、モチベーションアップにつながっていると感じます。

(おなじみ編集部調べ)

5. 店内の居心地・清潔感

お客さんにとって、通いたくなるお店に求める最も重要な要素ではないかもしれませんが、店内の「雰囲気」や「清潔さ」も大事です。特に回転率の高いお店の場合、清潔感には気を配りましょう。

回転率を上げようとすると、お客さんが退店した後の片付けやテーブルの掃除も手早く済ませようとしてしまいがちです。テーブルにベタつきがあったり、布巾が汚れていたりと、オーナーや店員が気づきにくい改善ポイントを知ることができます。

<設問例>

1. お店の清潔感はいかがでしたか?

  • 良い
  • 普通
  • 悪い

2. 悪いと回答された方へ質問です。どのような点でそう感じられましたか?

  • トイレが汚かった
  • テーブルに汚れがあった
  • 食器やコップが汚れていた
  • 床にホコリやゴミが落ちていた
  • その他(自由記述)

3. BGMの音量、テーブルの間隔、照明の暗さ、空調設備など、店内の雰囲気について何か感じたことがありましたら教えてください。(自由記述)

掃除が不十分な場所が分かった例

1時間ごとに掃除をしていたので、お店の清潔感には自信がありました。しかし、アンケートを取ってみたら、自由記述の中に「テーブル下の荷物棚が汚れていたようで荷物が汚れてしまいました」という記載があったんです。

定期掃除の際はお客さんがお荷物を置いているので掃除ができておらず、バッシング時の掃除フローを見直しました。

(おなじみ編集部調べ)

飲食店の改善に効果のあるアンケートを作る5つのポイント

聞きたい項目の内容が決まったら、次は「お客さんが回答しやすく、お店の改善にもつながるアンケートを作る5つのポイント」について解説します。

  1. アンケート作成の目的を明確にして設問を絞る
  2. 回答は選択式・奇数にする
  3. 改善に生かしにくい質問はしない
  4. 回答の選択肢を具体的にする
  5. 特典はつけない・付け方を工夫する

お客さんが回答してくれた内容を有効活用するために、知りたい情報をしっかりと引き出せるアンケートを作成してみてください。

1. アンケート作成の目的を明確にして設問を絞る

「店舗の改善をするため」と考えると多くの設問を入れたくなりますが、お客さんが集中して回答しやすいよう、設問数は絞りましょう。

インターネット調査会社「マクロミル」が発表した「設問数別のアンケート脱落率」によると、下図のように設問数が多いほどアンケートの脱落率は高まることが分かります。

インターネット調査会社「マクロミル」が発表した、「設問数別のアンケート脱落率」の結果

10問の脱落率が最も低いことが分かるため、できるだけ設問数は絞りましょう。

「10問程度では聞きたいことを全て聞けない……」と感じる場合は、実施時期を分けて2パターンのアンケートを作ることをおすすめします。

まず1パターン目では「接客は満足でしたか」「料理は満足でしたか」など、大きな項目でまとめてお客さんの満足度を調べましょう。2パターン目では、1パターン目で特に「不満足」と回答した人が多かった項目について、細かく聞いていく内容にしてみてください。

  • 1パターン目:課題がある点を明確化
  • 2パターン目:課題を細分化

上記は、お店の課題が分からないと感じている方におすすめの方法です。

なお、2パターン目のような細分化したアンケートを制作した場合は、お客さんに目的を伝えられるように「何を知りたいか」を冒頭に入れましょう。

  • OK例:接客に関するアンケートご協力のお願い
  • NG例:アンケートご協力のお願い

OK例のように、冒頭に「◯◯に関する~」などと入れて具体性を出すことで、お客さんが「何を書くべきか」を判断しやすくなります。

「内容を詰め込み過ぎず、必要なものだけに絞る」「お客さんに目的を伝える」の2点を意識しましょう。

2. 回答は選択式・奇数にする

アンケートの回答は、選択式を多めにすると回答の負担がなく、記入してもらいやすくなる傾向にあります。自由記述を入れるのは、「その他」の選択肢を選んだ際の記入欄や最後に意見・気になった点が記入できるフリースペース部分のみに絞るとよいでしょう。

  • OK例:接客はいかがでしたか?(良い・やや良い・普通・やや悪い・悪い)
  • NG例:接客の感想を教えて下さい(    )

OK例は丸やチェックマークを記入するだけで済みます。

また、選択肢を作る際には、奇数にして中立的な立場の選択肢を入れましょう。「普通」や「どちらでもない」など中立的な立場の選択肢がないと、お客さんの回答を強引にどちらかに偏らせてしまいます。

例えば「接客の感想を教えて下さい(良い やや良い やや悪い 悪い)という状態だと、特に違和感を覚えていないユーザーはどちらに回答すれば良いのか迷ってしまいます。

実際、株式会社KDDI総合研究所の調査によると、「同じ設問で5択と4択の回答を用意した場合、本来の比率に比べて『不満である』と回答する人が多い」という結果が出ています。

株式会社KDDI総合研究所が発表した、「満足度を聞くアンケート調査における選択肢数値化の試み」をまとめたグラフ

参考:満足度を聞くアンケート調査における選択肢数値化の試み:株式会社KDDI総合研究所

5択の場合、満足層・不満足層の比率は68:11です。この比率から「どちらでもない」の選択肢を消した場合、「どちらでもない」と回答していた満足層と不満足層は、それぞれ17.2%と2.8%に分かれると試算できます。

しかし、実際に「どちらでもない」の選択肢を外した4択にしたところ、「どちらでもない」と回答していた20%のうち、12%が「満足している」、8%が「不満である」という回答に変わりました。

期待値よりも、不満足層に偏っていることが分かります。

このように、中立的な回答がない偶数の選択肢の場合、正しく回答が取れない可能性があります。回答には「どちらでもない」といったものを用意して、正しくデータが取れるようにしましょう。

3. 改善に生かしにくい曖昧な質問はしない

設問の内容は具体的でなければ、改善に生かすことが難しくなります。

例えば「料理の価格はいかがでしたか?」という質問を5択で用意したとします。お客さんが「料理Aは高いが、Bは安いと思った」と感じていても、回答できるのは「高い」「安い」「どちらでもない」のみです。

「高い」という回答をそのまま改善に生かそうとすると、全体的な価格を下げるという改善策になってしまいます。実際は安いと感じられていた料理Bの価格をさらに下げる要因になってしまうため、お店にとって良い改善ではありません。

「料理Aの価格はいかがでしたか?」のように、具体的に改善できるような設問を設定しましょう。

4. 選択肢は具体的にする

選択式の回答が多いほどお客さんの負担は少ないものの、自由に書いてもらった方が情報量は多くなります。情報量を多くしつつ、お客さんの負担を少なくするためには、選択肢の内容を具体的にして、数を多く用意することが重要です。

<選択肢の内容具体的にして、数を多く用意した例>

おすすめメニューの魚介のクリームパスタを注文した理由を教えてください

  • パスタが好きだから
  • 魚介が好きだから
  • 料理の見た目が魅力的だったから
  • 新メニューだから
  • 値段が手頃だったから
  • SNSに載せたいから
  • 追加)季節感があったから
  • 追加)量が多そうだったから
  • その他(自由記述)

目を通す時間はかかりますが、自由記述で記載するより負担は軽減されます。最初は思いつく選択肢をいくつか設定し、「その他」でお客さんが自由記述をした回答を盛り込んでいくのもおすすめです。

5. 特典は付けない・付け方を工夫する

卓上アンケートや重複回答を避ける機能がないデジタルツールを利用する場合、なるべく特典を付けないか、付け方を工夫することをおすすめします。特典をもらうため、複数回記入する人が出てくる可能性があります。

例えば、卓上のアンケートに回答すると「ドリンク1杯無料」という特典をつけていた場合を考えてみましょう。本来、売上になるはずだった500円を無料にしてアンケートに答えてもらっても、重複回答や目を通さず、全て同一選択肢を選んでいると予測される内容では、お店の改善にはつながりません。

重複回答を防げない場合、まずは特典で回答率を高めるのではなく、従業員の声掛けや用紙を手渡しする、またはデジタルアンケートの回答方法を書いた案内を手渡しするなど、別の手段で記入を促すようにしてみてください。

詳しい声掛けの内容やほかの工夫については、次章「アンケートの回答率を高める3つのコツ」で解説します。

なお、LINE公式アカウントやformrunのように、「回答できるのは1人1回のみ」にできるのであれば、クーポンなどの特典を付けてもよいでしょう。その場合、クーポンの有無で回答率に差が出るかどうかを計測しておくのもおすすめです。

 

アンケートの回答率を高める3つのコツ

アンケートの設問項目が決まったら、回答率を高める3つのコツを確認しましょう。店舗改善に効果的なアンケートを作っても、そもそも答えてもらえないと意味がありません。

  1. 顧客の属性に合わせたツールを選ぶ
  2. スタッフから声掛けを行う
  3. 設問数や所要時間を事前に伝える

1. 顧客の属性に合わせたツールを選ぶ

アンケートの回答を得る方法は「紙」「デジタルツール」「直接のコミュニケーション」があるので、ユーザーの属性や利用シーンに合わせて選択しましょう。

例えば、カップルで来るお客さんが多いとしたら、スマートフォンを見ずに過ごす時間が多いと考えられるため、紙が適切かもしれません。実際は店内でのお客さんの行動を観察してから決定すべきですが、まずは客層のイメージやお客さんの過ごし方から考えて選びましょう。

2. スタッフから声掛けを行う

スタッフから声掛けを行うことも、回答率向上に効果的です。卓上に紙を置いたり、目立つ場所にアンケートフォームへアクセスできるURLを設置したりしていても、お客さんが目に止めていない可能性もあります。

ただ置いているだけの状態よりも、直接「よろしければアンケートにご協力ください」と案内を指差したり、手渡したりしましょう。

声掛けがもたらす行動促進について、北海道大学が実施した「店頭におけるアクションリサーチのレジ袋削減への効果」を紹介します。お客さんに「レジ袋はご利用ですか?」と声掛けをした場合としなかった場合の、レジ袋辞退率を計測した調査です。

何も声掛けをしなかったときと声掛けをしたときでは、声をかけた方のレジ袋辞退率が約6%高かったとの結果が出ています。

  声掛けをしなかった場合 声掛けをした場合
レジ袋辞退率 21.5% 27.3%

おそらく声を掛けられたことで「レジ袋が必要か否か」を初めて認識し、それから意思決定をしたために、声掛け時のほうが辞退率は高かったのだと考えられます。

この調査のように、そもそもアンケートの存在自体を認識していないと「アンケートに回答するかしないか」の判断も生まれない可能性があるため、お客さんには積極的に声掛けをしていきましょう。

3. 設問数や所要時間を事前に伝える

設問数や所要時間が短く済むことを相手に伝えましょう。「すぐに済むならやってもいいかな」と考えているお客さんに回答してもらいやすくなります。

声掛けの際に「1分程度で回答いただける内容です」と伝えたり、アンケート用紙の目立つ部分に「アンケートにご協力ください(全5問)」と入れたりするなど、回答の負担が少ないことを伝える工夫をしてみてください。

【飲食店向け】店舗改善に役立つアンケート例

これまでに述べた「お客さんの属性・シーン」「来店のきっかけ」「メニューに対する感想」「接客の質」「店内の居心地」といった、アンケートで聞いておきたい5つの項目を盛り込んだアンケート例を紹介します。

どのような設問を用意すべきか迷った場合は、ぜひ参考にしてみてください。

アンケートで聞いておきたい5つの項目を盛り込んだアンケート例のイラスト

注力メニューの改善を行うために、メニューについて細かく掘り下げたアンケート設問です。

まずは一定の回答数が得られるよう、積極的に声掛けをするなど、回答率を高める工夫を行いましょう。何に注力して改善したいか、実際にどのような回答が集まるかによって、掘り下げる設問はカスタマイズしてみてください。

まとめ:お店の改善にアンケートは効果的! コツを意識して作ってみよう

飲食店でアンケートを取ることは、実際に来店したお客さんの声を聞き、店舗改善につなげるために重要です。

今回紹介した以下の点を踏まえて内容を作りつつ、声掛けや、お客さんに合わせたツールの使用で、回答を集めていきましょう。

  1. アンケート作成の目的を明確にして設問を絞る
  2. 回答は選択式・奇数にする
  3. 改善に生かしにくい質問はしない
  4. 選択肢は具体的にする
  5. 特典は付けない・付け方を工夫する

アンケートを使って飲食店集客の改善を行うときは、リピーター獲得が強みのLINE公式アカウントを活用してみましょう。簡単にアンケートの作成や集計ができるだけでなく、お客さん宛てにメッセージを配信したり、クーポンを配布したりと、リピーター獲得のきっかけづくりに効果的です。お客さんとのつながりを保つために、LINE公式アカウントをチェックしてみましょう。


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