飲食店を経営するためには、原価率やリピート率などさまざまな数字に気を配る必要がありますが、中でもお店の「回転率」は重要な数字の一つです。
飲食店を経営していて「席は埋まっているのに、売り上げがなかなか伸びない」と悩んでいる人は、1日の売上に直結するお店の回転率を意識する必要があります。
飲食店における回転率の基礎的な考え方を解説するとともに、集客対策をはじめ、回転率を上げる具体的な方法について紹介します。
こんな人におすすめ
- 飲食店開業にあたり、事業計画を立てている人
- すでに飲食店を運営していて、自店の回転率を上げたい人
飲食店における回転率とは?計算式も紹介
飲食店における「回転率」は、お客さんが1日でどれくらい入れ替わったかを表す数値です。回転率が高ければ高いほど売上が増え、逆に回転率が落ちると売上も比例して落ちます。
売上の管理や集客対策を考える上でも、お店の回転率は重要な指標です。飲食店をうまく経営していくためには、自店舗の回転率を把握する必要があるでしょう。回転率は、以下の計算式で求められます。
例として、客席数が50席の居酒屋の回転率を割り出します。ある日の開店から閉店までのお客さんの総数が150人だった場合、以下のように回転率が計算できます。
つまり、この日のお店はお客さんが3回入れ替わったことになります。
飲食店における回転率と売上の関係
飲食店において、回転率と売上の関係性について考えていきましょう。
まず、飲食店の売上金額がどのように算出されるかを確認しましょう。計算方法は、お客さんの数×客単価(1人あたりが1回で支払う金額の平均)が一般的です。
つまり、お客さんの数と客単価が伸びれば、売上が増えるということです。
上記の式の「お客さんの数」をより細分化していくと、計算式に「回転率」が登場します。1日に来店したお客さんの数はその日の回転率が影響するため、計算式としても「座席×回転率」で導き出すことができます。そこから売上金額を算出する場合、以下の計算式になります。
よって、回転率は客単価と同様に売上に密接に関わってくる指標となります。客単価が低いお店の場合、回転率を上げていく必要があるでしょう。
一方、客単価が高いお店では、回転率が多少低くても一定の売上を確保できることになります。また、回転率のほかに注目すべき数字として、客席の何%が埋まっているかを算出する「客席稼働率」が挙げられます。客席稼働率は、以下の計算式で割り出せます。
仮に店内の全てのテーブルが4人掛け席で、いずれの席にも2人しか座っていない場合の座席稼働率は50%です。稼働率が少ないほど1日の売上は下がってしまうため、どうすれば客席稼働率が上がるかを考えることで、効率的に売上を向上させることができます。
例えば、1人で来店したお客さんはカウンターに案内するなど、席案内のルールを決めておくと良いでしょう。4人掛けのテーブルの場合でも、真ん中に仕切りを置いて2人ずつ座れるようにするのも一つの方法です。
業態別の目標回転率
飲食店の適切な回転率は、業態やお店の規模、取り扱っているメニューや料理単価などによって異なります。1日あたりどれくらいの回転率が望ましいのか、業態別に見ていきましょう。
フレンチや高級イタリアン・中華、日本料理店、寿司屋など客単価が高い店では、会食や記念日の利用で訪れたり、ゆっくりと食事を楽しむお客さんが多かったりするため、1日の回転率は少なくなる傾向にあります。
利益も高めに設定されていることから、お客さんの満足度を上げて「また来たい」と思ってもらえるサービスを提供することでリピートにつながりやすくなります。
一方、ラーメン店やファストフード店などの客単価が低い店では、回転率を上げてできるだけたくさんのお客さんに来てもらう必要があります。素早く料理を提供する必要もあるでしょう。例えば、ある牛丼チェーン店の1日の回転率は、60回以上ともいわれています(おなじみ編集部調べ)。
大衆居酒屋、バー、ファミレス、カジュアルなフレンチ・イタリアン・中華などの客単価が中程度で平均滞在時間が長い店は、それぞれのお店の雰囲気やコンセプトによっても目標とすべき回転率が異なります。目安として、1日に2〜10回程度の回転率を目指しましょう。
営業時間やお店のスタイルによっても目標回転率は変わってくるため、自分のお店に最適な回転率を考えておきましょう。
飲食店の回転率を上げる3つの方法
実際に飲食店の回転率を上げるための具体的な方法を解説します。
1. 提供時間を短縮する
料理の提供時間を短縮し、お客さんの待ち時間を短くします。結果、1人あたりの滞在時間も短縮されます。
注文を受けてから料理を提供するまでの時間を短縮するために、すぐに調理ができるよう食材を仕込んでおく、作り置きできるものはあらかじめ作っておくなどの対策を取りましょう。調理器具を使いやすい場所に置き、動線を確保することも提供時間の短縮につながります。
2. スピーディーな会計を心掛ける
お客さんが帰る際の会計時間の短縮も、回転率を上げる大きな要素になります。事前決済、バーコード決済、クレジット決済ができるシステムを導入することで、会計時間を大幅に短縮できます。
ポイントカードは集客やリピーター獲得に役立ちますが、紙のカードだとお客さんがお財布からカードを探したり、お店側がスタンプを押したりする必要があり、双方にとって手間がかかってしまいます。スマホでポイントを管理できるアプリを導入することで、会計やポイント管理がスムーズに行えるでしょう。
LINE公式アカウントのオプションサービス「LINEミニアプリ」を導入すれば、LINE上に自社の会員証やポイントカードを実装することができます。紙と比較して大幅に業務を効率化できます。
3. オペレーションの効率化を図る
お客さんに対するオペレーションの効率化を図ることで、回転率を上げることができます。店内や客席へのお客さんの案内、注文、調理、料理の提供、会計までの流れをスムーズにすることで、より早く次のお客さんを案内できるでしょう。
オペレーションの効率化には、各スタッフの役割の明確化や配置の見直しが必要です。回転率を上げるために、効率化や短縮化できる作業はないかを洗い出し、オペレーションを工夫しましょう。
「LINEミニアプリ」では、テーブルオーダーや順番待ちの受付・呼び出しなどの機能も実装可能です。お店のオペレーションにかかる時間を短縮でき、回転率を上げられるでしょう。
まとめ:LINE公式アカウントを使って回転率を上げよう!
飲食店の売上を上げるためには、回転率を上げる必要があります。そこで活用できるのが、LINE公式アカウントです。
LINE公式アカウントのチャット機能を使うことで、お店の外にいるお客さんとのコミュニケーションがスムーズになり、集客力の向上が見込めます。
全国で9,500万人(2023年3月末時点)が利用しているLINEであれば、すでに日常で使っている人も多いため、あらためてお客さんに使用方法を説明する手間も省けます。
QRコードを読み込むだけですぐに利用できるため、店頭やテーブルの上にPOPを設置して宣伝をすれば、お客さんも友だち追加がしやすいでしょう。定期的にメッセージやクーポンを配信することで、再来店も促せます。
自店舗の回転率を上げるために、まずはLINE公式アカウントを導入してオペレーションの効率化を図ってみましょう。