一般的なレジ会計は、清算や現金の受け渡し、カード決済処理などスタッフの手間が多く、時間帯によってはレジ前に行列ができてしまうなど、さまざまなデメリットがあります。既存のレジ会計に不満を抱えている飲食店は、テーブル会計を導入するのも一つの方法です。
近年増えてきた「キャッシュレス決済型テーブル会計」の概要やメリットを詳しく解説していきます。
こんな人におすすめ
- 業務効率化を目的に、会計方法を見直したい飲食店経営者
- キャッシュレス決済のデメリットとメリットを確認したい人
- 店内のオペレーションを効率化させたい人
テーブル会計とは?
テーブル会計とは、お客さんが座っている客席で行う会計方法のことです。お客さんは飲食をした場でそのまま支払いを済ませるため、レジに向かう手間を減らせます。
一般的なテーブル会計としては、スタッフがトレイを客席に持っていき、カードや現金を回収してレジで処理をする「テーブルチェック」と呼ばれる方法があります。しかし、お客さんの手間は減る一方、スタッフがレジと客席を往復する必要があるため、お店自体の業務効率はあまり上がりません。
スタッフとお客さん両方の手間を減らしたい場合は、専用端末やお客さんのスマートフォンを使用する「キャッシュレス決済方式のテーブル会計」を導入すると良いでしょう。会計の手間を減らせるだけではなく、他にも多くのメリットがあります。
キャッシュレス決済型テーブル会計のメリット・デメリット
キャッシュレス決済型のテーブル会計とは、従来のテーブル会計にキャッシュレス決済を活用した会計方法のことです。以下で飲食店側のメリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説します。
メリット
・会計でお客さんを待たせる時間が減る
・回転率の向上や業務負担の軽減
・会計ミスが減る
レジ会計は、メニューの打ち込みから現金の計算までスタッフ側の作業が多いですが、キャッシュレス決済型テーブル会計を導入すれば、それらの工程を軽減できます。さらに、現金を使わないので、会計ミスも減らすことができるでしょう。
デメリット
・選ぶサービスによるとはいえ、少なからずコストがかかる
・高齢のお客さんは難しく感じる場合もあるので、丁寧に説明する必要がある
後ほど解説しますが、キャッシュレス決済型テーブル会計の利用には、各種サービスの登録が必要です。導入コスト、月額コストなどが発生するため、これらの費用と導入による業務経費の削減を比較し、結果的にプラスになるかどうかよく検討しましょう。
また、専用端末やお客さんのスマートフォンを使用するため、機器の扱いに慣れていない高齢のお客さんにとって利用しづらいと感じる可能性があります。全てのお客さんにとって便利になるとは限らないことから、導入の際はお店のターゲット層を考慮するといいでしょう。
キャッシュレス決済型テーブル会計の種類
キャッシュレス決済型のテーブル会計には、「持ち運び端末型」と「QRコード型」があります。どちらを導入するかは、今の店舗形態や客層を踏まえて、最適な方法を選ぶといいでしょう。それぞれの特徴について詳しく見ていきます。
持ち運び端末型
持ち運び端末型は、スタッフが決済用の専用端末を客席まで持って行き、その場で決済するタイプのテーブル会計です。日本国内のほとんどの地域に対応している4G回線を利用するため、クレジットカードや交通系ICカード、電子マネーなどで決済できます。電波が届く範囲であれば場所を問わないため、テラス席や屋外のほか、移動販売でも使用可能です。
QRコード・バーコード型
QRコード・バーコード型は、テーブルに設置された端末に表示されるQRコード・バーコードをお客さんがスマートフォンで読み取り、専用アプリで決済するタイプのテーブル会計です。お客さん一人で作業ができるので、会計処理にスタッフが対応する必要がなくなり、大きな業務効率化が見込めます。
注文の効率化も期待できるモバイルオーダーとは
モバイルオーダーとは、お客さんが着席時にお店側が用意したQRコード・バーコードを読み取ることで、アプリやWebサイト上で注文ができるサービスのことです。前述したキャッシュレス決済型のテーブル会計と併用すれば、お客さんがメニューの閲覧から注文、会計まで自分で完結できるようになるため、注文や会計に伴う人件費の削減に役立つでしょう。
まとめ:キャッシュレス決済型テーブル会計を活用しよう
キャッシュレス決済型テーブル会計やモバイルオーダーを利用すると、スタッフの手間が大きく減り、業務効率化につながります。ただし、やりとりが減る分、お客さんとのコミュニケーションの機会も減ってしまうため、別の方法でカバーする工夫が必要です。
LINE公式アカウントの拡張機能を使えば、お店の業務効率化が図れるモバイルオーダーも簡単に導入できる上、チャットやトークでお客さんとコミュニケーションを取ることもできます。さらに、クーポン配布やポイント制度、予約機能なども搭載しているため、会計処理だけでなく全体的な運営コストの削減につながります。ぜひ導入してみてください。
文:加藤良大
編集:はてな編集部
編集協力:株式会社エクスライト