地元密着

唯一無二の子どもの社交場。創業74年の駄菓子屋「福屋」にお客が集まり続ける理由

子どもにとって「なじみ」の店といえば、駄菓子屋。時代の流れとともに、その立ち位置は変化しつつありますが、今もなお地域のオアシスとして存在する店は多くあります。そんな駄菓子屋を取り仕切る店主は、子ども心をくすぐる“愛され名人”かもしれない。そ…

「1万円のコーヒー」が全国から人を呼ぶ。福岡にある老舗喫茶「リオ」のファンづくり

JR博多駅から電車でおよそ40分、車窓越しに田園風景を眺めながらたどり着いた福岡県嘉穂郡桂川町にあるのが、喫茶店「リオ」。人口1万3,000人(※)に届かないのどかな街にありながら、これまでに多くのメディアに紹介され、全国はもとより海外から訪れるお客…

一人を喜ばせる工夫が突破口に。大島のサグラダ・ファミリア「デイリーヤマザキ新潟大島店」の逆転劇

新潟県大島の信濃川沿いに広々とした駐車場を備えた「デイリーヤマザキ 新潟大島店」。店内を彩る80年代グッズや愉快なポップがSNSで話題となり、この店舗をめがけて全国から “観光客”が訪れる激レアなコンビニです。 オーナーの坂口正之さんいわく、「まち…

行列必至!「ラーメン三浦家」が大人気店になった理由

東京都葛飾区、JR金町駅南口ロータリーに面する一角に、連日行列の絶えないラーメン店があります。「ラーメン三浦家(以降、三浦家)」は、横浜家系の人気店「武蔵家」で総大将を務める三浦慶太さんが独立してはじめた店で、口コミサイトが実施する読者投票…

なぜ大井町の立ち飲み店「かっぱ」は“おごり禁止”をルールにしたのか

酒場の醍醐味の一つに、その場で知り合った人と意気投合して盛り上がるという楽しみがあります。場合によっては、「一杯ごちそうさせてください」といった“厚意のやり取り”も見かけます。 JR大井町駅から徒歩5分ほどの飲食店街・大井新地に2023年12月にオー…

従業員へのケアから始まった店舗数拡大。神田「宝山 いわし料理 大松」の多店舗展開の裏側

JR神田駅から徒歩3分の場所にある大衆居酒屋「宝山 いわし料理 大松」。系列店の「立ち飲み 大松 神田駅前店(2013年開店)」とともにビジネスパーソンに知られる店ですが2023年、系列店をさらに2店舗開店しました。従業員へのケアを発端とした移転でしたが…

入念な立地分析でニーズに応え、年商1億円超企業に!「えびかずら」店主に聞く、多店舗展開が成功した理由

新宿から電車で30分。東京都東村山市栄町にある久米川駅周辺には商店街が栄え、都心で働く人たちのベッドタウンが広がります。株式会社LIMANDE代表の小池健一さんは、久米川駅周辺に3店舗の居酒屋と1軒のバーを展開。このエリアで思い切ったドミナント戦略を…

飲食店未経験の元常連が、2代目店主に!焼肉根尾街道が「引き継ぐもの」と「変えたこと」

個人経営の飲食店が頭を悩ますことも多い事業承継。元常連との向き合い方や、土地・資産の権利等の問題、先代店主と2代目の関係……など、事情はさまざまです。そこで、当連載では承継後も繁盛している店に取材し、気になる承継事情を探ります。 今回お話を伺…

亡き祖父の町中華復活に奮闘した孫娘と幼なじみの「これまで」と「これから」

千葉県松戸市、北総線「松飛台」駅から徒歩3分にある「中華料理 東東(トントン)」。先代亡き後、「おじいちゃんの店と味を守る」ために奮闘する21歳の孫娘・池田穂乃花さんと、池田さんの幼なじみで台湾出身の許維娟(シュウ・ウェイジェン/以下、ジェン…

老若男女問わずフラットにつながり、楽しめる。街中スナックが実践する新しい場づくりとは

スナックのママに、常連の心をつかむ接客の極意を学ぶ連載第5弾。今回は、下町情緒が残る、都電荒川線小台駅近くの「街中スナックARAKAWA LABO本店」を訪れました。明るく元気な笑顔で迎えてくれたのは、「街中スナック」を店舗運営する株式会社イナック代表…

「いい加減」が「良い加減」に。型破り町中華「中華大吉」が人々に愛される理由

新潟県長岡市、長岡駅近くの繁華街・殿町に店を構える町中華「中華大吉」は、開店時間に定刻がなく、営業は深夜帯のみ。営業中も店のシャッターが閉まっているという独特すぎるスタイルを貫いています。 にもかかわらず、同店は地元の常連客や「面白い店だ」…

渋いカウンターで大人の一杯!1人飲みに最適な老舗の大箱酒場「鳥万 本店」の魅力

1人で飲んで帰りたい日があっても、1人で店に入るのは勇気が必要――。そんな人でも、お店の選び方と魅力を知れば、自分にとって理想の店が見つかるはず。1人飲みのヒントを、飲食店を知り尽くす案内人が指南します。今回ご紹介する居酒屋は、東京都大田区・蒲…

規格外野菜を救う「旅する八百屋」のサスティナブルアイス

「青果ミコト屋」は、2010年に鈴木鉄平さんと山代徹さんが始めた事業です。“旅する八百屋”の愛称で親しまれ、オーガニック野菜を育てる全国の農家を巡り、野菜の詰め合わせの宅配やイベント出店を行ってきました。 これまでは実店舗を持たずに営業してきまし…

完成形は、あえて求めない。現場のフィードバックで店を形づくる老舗酒販店の試み

1915(大正4)年創業の酒販店・桑原商店は、新たに日本酒と飲食、アートを楽しめるコミュニティースペースとして、2018年にリニューアルオープンしました。改装を手掛けたのは、4代目店主の桑原康介さん。お店を継ぐ前から現在に至るまで、各地のアートプロ…

地産地消の開拓者・奥田政行シェフに聞く、地方で飲食店を繁盛させる3つの法則

東京でイタリアンの修業を積んだ経験を持つ「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフの奥田政行さん(以下、奥田シェフ)。2000年、生まれ育った山形県鶴岡市に店舗をオープンさせました。季節ごとの野菜や天然の山菜、新鮮な魚介など庄内地方の食材を使用した…

東京の目と鼻の先で千葉土産を売る「ウラヤスマーケッツ」に地元民が集うワケ

浦安駅から徒歩8分。駅前でもない住宅街の中に次から次へと人が集まる「ウラヤスマーケッツ」は、千葉県のお土産を販売する店です。旧江戸川を越えれば東京という立地、大型テーマパークはあるものの、観光地というより、都心のベッドタウンという印象が強い…

自虐で成功をつかんだ鳥取「すなば珈琲」の戦略

全国で一番人口が少ない鳥取県(※1)。2012年、某テレビ番組で「全国でスターバックスコーヒー(以下、スタバ)がない県」として、隣県・島根と共にたった2県だけであることが報じられました(島根県には翌年オープン)。これを受け、当時、平井伸治鳥取県知…

誰にも期待されなかった鉄道オタクの理髪店が、定着率100%になるまでの話

店にとって売上の安定は重要で、特にリピート客の存在は大きな支えになります。そんな中、「定着率ほぼ100%」という驚異的な数字を持つマンツーマン理容室が東京・清瀬市にあります。それが、鉄道ファンの間では聖地のようにリスペクトされている理髪店「BB…

「ポンコツな私が和菓子屋の女将に!?」家業を立て直した利他精神とは

埼玉県桶川市に2店舗を構える創業135年の和菓子屋「五穀祭菓をかの」。長年にわたり地域で愛されるお店ですが、ここ数年は地元商店街の衰退、若者の和菓子離れなど、さまざまな要因から経営的に厳しい局面にありました。 そんな老舗を、新しい感性を生かし…

讃岐うどんを盛り上げる香川「うどんタクシー」が、予想以上に難関試験だった

「うどん県」として知られる四国・香川県で、讃岐うどんの店をめぐる観光タクシー「うどんタクシー」が走っています。マニュアル化されたコースを案内するのではなく、お客を乗せてからその場で案内するうどん店を決めるというオーダーメードのサービス。お…

スタッフは村人!村を丸ごとホテルにした山梨県小菅村の「巻き込み力」

奥多摩湖の上流に位置する山梨県小菅村。人口およそ700人という過疎が進む村で2019年8月、「700人の村がひとつのホテルに」と銘打った分散型ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」がオープンしました。「村人はホテルスタッフ、村道はホテルの廊下」などのユニー…

ローカルdeチェーン/喫茶文化圏・高知で愛される「現代企業社」とは?

県民数に対する喫茶店の数が日本一多い高知県(※1)。中でも、高知市にある喫茶店として必ず名前が挙がる「現代企業社」は、高知の喫茶文化の中で地元の人に愛され、当たり前のように市民が社名を口にする優良企業です。繁華街・おびさんロードにある会社の…

ローカルdeチェーン/「JTRRD」行列の秘密はあくなき向上心!

オフィスが林立する大阪・天満橋の一角に、行列の絶えないお店「JTRRD(ジェイティード)」があります。人々の目当ては、まるでアート作品のようなスムージー。 盛り付けが“映える”とSNSを中心に話題となり、現在は関西を中心に8店舗(フランチャイズ店含む…

群馬がパン激戦区⁉︎ 地元産小麦と真剣に向き合う職人たちの存在に一理あり

パンの焼き上がりの匂いは、どうしてこんなにも人を魅了するのか——。2012年にオープンした「CROFT BAKERY(クロフト ベーカリー)」は、住宅街の一角で地元産小麦などを使ったパンや焼き菓子を販売しています。時には行列ができるほどの人気店で、お客のほと…

「漁師」の次は「農家」⁉ 第一次産業が主役の「生産者カード」制作の裏側

漁師や農家など、実在の生産者たちの姿がプリントされた「漁師カード」や「農カード」というトレーディングカードが存在する。奇想天外な取り組みにも思えるが、どちらのカードも消費者たちから大きな反響を呼び、多くのメディアに取り上げられた。「カード…

無二のアイデアと巻き込み力で生んだ、気仙沼ブルー。ママが育てる地元産業

畑から手渡しできる距離感で田舎の豊かさを届けたいと、天然インディゴによる加工・製造・販売を行う藍染工房「インディゴ気仙沼」。2014(平成26)年に発足した子育てサークルが、子育て中の女性の「小さい子どもがいても、働いて収入を得たい」という声か…

430年続く定期市が、今、新しい/千葉県勝浦市

朝市、マルシェ、クラフト市など、近年、全国各地でさまざまなスタイルの「定期市」が行われるようになりました。一方、継続していく術を模索しながらも、街の顔となるような歴史ある朝市や骨董市も現存しています。それぞれの地域を舞台に、ヒトとモノの交…

ローカルdeチェーン/関西発「とんかつKYK」の愛され極意はKYK⁉︎

ロースか、ヘレ(関西における『ヒレ』の言い方)か――。肉厚でジューシーなとんかつを作り続けて半世紀。関西で熱烈に支持されるローカルとんかつチェーン「とんかつKYK」。全国の飲食チェーン店を巡ることがライフワークのBUBBLE-Bが、勤続20年以上のベテラ…