飲食店の「良いトイレ」とは?リピーター獲得につながるトイレの特徴を解説

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顧客の飲食店に対する評価は、メニューの味や接客などのサービスだけではなく、予約から入店・退店までの総合的な体験を通して決まります。

なかでも、顧客体験に大きな影響を与えるのが「トイレの印象」です。リピーター獲得につながる「良いトイレ」の特徴やおすすめのアメニティーを紹介します。

こんな人におすすめ

  • 飲食店の顧客体験を良くし、リピーターを増やしたい人
  • 飲食店のトイレの印象をあげるポイントを知りたい人
  • 顧客満足度を上げ、高評価の口コミを増やしたいと考えている人

トイレの印象が飲食店の人気を左右する理由

清潔なトイレ

飲食店を訪れるお客さんの評価や満足度を向上させるポイントとして、メニューやサービス、内装といった要素に注目が集まりますが、トイレのクオリティーにはなかなか目が向きません。

しかし、「トイレの印象」もお客さんからの評価に大きく影響します。

水まわりの総合機器メーカー・TOTOが実施した「飲食店トイレについてのお客様意識調査」*1によると、飲食店のトイレがきれいだと、「お店のイメージがよくなる」と回答した人が79%、「機会があればまた来ようと思う」と回答した人が39%も存在しています。これは、トイレの品質の高さが、お店へのポジティブな印象につながっている傾向を示しています。

一方で、77%の人が、トイレが汚いと「お店のイメージが悪くなる」と回答しています。

このアンケート結果が示唆しているように、トイレの印象は顧客体験を左右する重要な要素です。トイレに気を配ることで、お店の人気やリピート率の向上が期待できるのです。

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トイレの印象を高めるためのポイント

お客さんに好印象を持ってもらえるトイレの特徴として、以下の3点が挙げられます。

  • しっかり掃除されていて清潔感がある
  • 悪臭対策がされていて、いい香りがする
  • 使い勝手がよく、小物がおしゃれ

これらの特徴を生み出すためのポイントをチェックしていきましょう。

チェックシートを活用して清潔感を保つ

清掃チェック表

飲食店は食事をする場所なので、「清潔感」はなによりも重要です。お店の雰囲気や料理を気に入ってもらえたとしても、トイレに清潔感がないと、リピートしてもらえない可能性があることは、先に示したアンケート結果の通りです。

トイレを快適に利用してもらうためには、床や便器、洗面台はもちろん、ドアノブや手すりといった、お客さんが手に触れる場所は、抜かりなくこまめに掃除をして清潔感を保つことが大切です。

定期清掃の時間と清掃箇所を決めてチェックシートを作っておくと、忙しい営業中でも忘れずに掃除を行うことができ、清潔な状態を保ちやすくなります。また、スタッフの業務ルーティンのなかにトイレチェックや清掃を組み込むことも、トイレの品質維持に有効です。

清掃とディフューザーやアロマで、いい香りのする空間をつくる

タイルに置かれたディフューザー

見た目の清潔感だけでなく、臭いもトイレの印象を左右する重要な要素の一つです。臭いは料理の印象にも影響するため、飲食店では特に気を配る必要があります。

臭いの原因の多くは、便器や床に残った汚れです。そのため、臭い対策においても定期的な清掃が大切です。

また、換気扇やウォシュレットの脱臭機能が正常に作動していないと、臭いの原因になることもあります。清掃のタイミングで動作を確認し、故障している場合は早めに修理や交換をするようにしましょう。

これら臭い対策をした上で、適度な香りのディフューザーやアロマを使用し、素敵な香りを演出するのもおすすめです。トイレはお客さんが一人になる空間でもあり、心落ち着く空間を演出すれば、さらに好印象を与えることができるでしょう。

ただし、香りが強過ぎると、これもまた料理に影響を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。また、人工的な香りを苦手とする人もいます。適度に香るディフューザーやアロマを選びましょう

トイレ設備を充実させ、使い勝手がよく心地いい空間をつくる

洗面台

男女別にトイレを設けられると、待ち時間も少なくなり、お客さん同士が気を使う場面が減るため、現在トイレが男女兼用になっている場合は、改装を検討するのも手です。トイレの改装には、「小規模事業者持続化補助金」 などの補助金を使える場合もあるので、まずは公募要領をチェックしてみましょう。

スペースの問題などで男女兼用が変えられない場合は、以下のような工夫をし、トイレの品質改善に取り組んでみましょう。

  • 自動開閉・自動洗浄機能が付いた高機能トイレを設置し、トイレ内で手を触れる場所を減らし、清潔さと便利さを提供する
  • ジェットタオルやペーパータオルを設置し、ハンカチがなくてもトイレを利用してもらえるようにする
  • ハンドソープのメーカーにこだわったり、お洒落なデザインのソープディスペンサーを置き、上質な空間を演出する

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飲食店のトイレにあると好印象なアメニティー

アメニティーが置かれた洗面台

プラスアルファの気配りとして、アメニティーグッズを用意しておくのも、お客さんに好印象を持ってもらうために有効です。

ただし、アメニティーの種類が多過ぎると、コストや管理面で負担が増えてしまいます。以下の定番アメニティーを参考に、店舗の業態や客層にフィットするものを用意しましょう。

  • 綿棒
  • あぶらとり紙
  • 爪楊枝
  • マウスウォッシュ
  • 生理用品

綿棒やあぶらとり紙はメイク直しの際に活躍するため、人気があるアメニティーです。また、爪楊枝やマウスウォッシュなど、食事後のオーラルケアができるグッズは、飲食店では特に需要が高いアイテムです。

生理用品は急な生理があったときに重宝しますが、置いてある店は多くはないので、他店と差別化を図る上でも有効でしょう。

まとめ:トイレに気を配ってリピーター獲得につなげよう

レストランにいる家族と店員

飲食店のトイレはリピート率に影響する、お店の大事な構成要素です。丁寧でこまめな清掃によって清潔感を保ち、お客さんに配慮した工夫、アメニティーで、お店の印象をさらにアップさせましょう。

LINE公式アカウントにはリサーチ(アンケート)機能があり、お店の改善点やトイレに置いておいてほしいものなど、お客さんの声を直接聞くことができます。こうした機能を利用して、お客さんが快適に過ごせるお店づくりに役立ててみてください。

 

文:大杉元則

編集:はてな編集部

編集協力:株式会社エクスライト

*1:出典:「飲食店トイレについての意識調査」TOTO 調べ(2013)n=2000 男女年代均等層化抽出