クレーム対応をしたお客さんが再来店! お店がとるべき行動とは?

過去にクレームをもらったお客さんが再来店したとき、お店としてどのような対応をすべきなのか。こうしたケースで適切な対応ができれば、リピーターを獲得するチャンスにつながります。

クレーム発生後にお店がとるべき対応、クレームを発したお客さんが再来店した際のコミュニケーションにおいて心がけることなどについて解説します。

こんな人におすすめ

  • クレームを処理したあとのお客さんへの対応を知りたい人
  • クレームを発したお客さんの再来店につなげたい人
  • クレームを発したしたお客さんが再来店した場合にどう対応すればいいか知りたい人

適切に対応できればお客さんの再来店につながる

クレーム対応はできれば避けたいと考えてしまいますが、適切に対応できればお客さんの再来店につながるチャンスになります。

それを証明するのが、1970〜1980年代にかけて行われた消費者苦情処理調査を分析し、発見された「グッドマンの法則」です。クレーム対応と再購入率の関係を表したもので、3つの法則で構成されています。

そのうち、第1法則では「不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品サービスの再購入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに比べて高い」と指摘しています。

この第1法則は、不満を持った顧客の苦情を迅速に解決できれば、82%の高確率でリピーターになってもらえるという調査結果に裏付けられています。一方で、対応には不満だけれど仕方がないから納得した人の再購入率はたったの19%。クレームの対応方法により、約4倍の差が生まれることが分かっています。

つまり、お店にとって適切なクレーム対応は、お客さんの再来店、ひいてはリピーター獲得に重要な要素です。

出典:NPO法人顧客ロイヤルティ協会「グッドマンの法則」

クレーム発生後にお店がとるべき対応と、お客さんに再来店してもらう方法

クレームが発生した際、お店がまずとるべき対応としては、「現状の改善」と「対応後のアフターケア」の2つが挙げられます。それぞれ紹介します。

現状を見直す

まずは、お店の環境や提供するサービス内容に問題がないか見直しましょう。クレームの原因となりやすい問題はいくつかあります。例えば、店内の清掃が行き届いているかといった衛生面、従業員の接客対応やスピード、提供する料理の品質などは、その代表として挙げられます。

こうした問題は、指摘があってから改善するのでは遅く、定期的にお店の運営全体を振り返る機会を設けるのがおすすめです。先ほど例に挙げた代表的なものを参考にして、お客さんの視点に立ち、改善すべきところがないか見直してみましょう。

また、全ての問題点を自分たちで発見するのは難しいかもしれません。その場合、お客さんからアンケートをとるのも効果的です。お客さんから評価してもらうことで、これまで気づかなかった問題点が明確になる場合があります。アンケートの方法は紙に記入してもらうだけでなく、メールやSNSなどデジタルツールも活用できるので、お客さんの属性やお店のスタイルに合ったやり方を選びましょう。

onaji.me

アフターケアをする

クレーム対応をしたお客さんに対しては後日連絡をとり、可能な限りアフターケアをしましょう。「対応したら終わり」ではなく、「きちんとお客さんを大切にしている」というお店の姿勢を伝え、理解してもらうことが重要です。

方法としては、メールやDM、SNSなどで連絡し、あらためてお詫びしたり、クーポンや割引券を配布したりして、お客さんが再来店するきっかけをつくりましょう。お詫びと同時に再発防止策も伝えられると、お客さんは納得しやすくなります。

メッセージを直接お客さんに届けることができるLINE公式アカウントは、こうしたアフターケアの場面でも活用できます。

onaji.me

クレーム対応をしたお客さんが再来店した場合は?

過去にクレーム対応をしたお客さんが再来店した場合、お店側はどんなことに気をつけるべきでしょうか。クレームの内容別にお店側の対応を解説します。

言いがかりだったお客さんの場合

お店側に非がなく、言いがかりに近いようなクレームを過去に入れたお客さんが再来店した場合は、前回のクレーム内容を参考にしつつ、従業員の言動や行動をいつもよりていねいにして対応するよう心がけましょう。

ただ、再来店したということは、前回のクレーム対応に満足したというケースも考えられます。過度にていねいに接客すると、さらに要求がエスカレートする可能性もゼロではないため、対応方法には注意が必要です。

また、再びクレームが入った際に状況を把握しやすくするためにも、不自然ではない範囲で、そのお客さんに注意を向けておきましょう。

お店側に問題があった場合

過去にお店の衛生面や接客態度、提供した料理の品質・スピードなど、お店側の問題を指摘され、再来店してもらった際には、クレーム内容を意識しつつ、配慮するよう心がけて対応しましょう。加えて、お客さんの要求にできるだけ、ていねいかつスピーディーに対応するよう気を配ることも必要です。

例えば、過去に従業員の対応が遅いと指摘されたのであれば、お冷のサーブ頻度を上げる、注文やお会計で待たせ過ぎないようにするなど、意識的に対応するのが理想的です。

ほとんどのお客さんは、不満を感じてもクレームを入れるまでの行動に至りません。だからこそ、お店側に問題があり、それをクレームとして指摘するのは、期待の表れといえます。その気持ちと行動力に対して誠意を持ち、お店が成長する機会と捉えて向き合うようにしましょう。

onaji.me

まとめ:クレーム対応をリピーター獲得につなげよう

クレーム対応は再来店のきっかけを得るチャンスでもあります。適切な対応とアフターケアを通じて、お客さんの信頼獲得につなげましょう。

お店に非がない場合でも、過去にクレームを入れたお客さんが再来店した際は、前回のクレーム内容をふまえて、ていねいな接客を心がけましょう。お店側に問題があった場合はすぐに改善に取り組み、お客さんの期待に応えることが重要となります。

クレームを防ぐ前に、お店に対する意見や改善点をお客さんから募るのも一つの方法です。LINE公式アカウントがあれば、「リサーチ」機能を使ってお客さんにアンケートを取ることができます。ほかにも、お客さんと良い関係性を築くためのさまざまな機能が用意されているので、気になる人は導入を検討してみてください。

onaji.me

onaji.me

 

文:渋谷唯子

編集:はてな編集部

編集協力:株式会社エクスライト