リピーターを増やす方法は? 再来店が少ない原因や常連客をつくるポイント

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飲食店を繁盛させ、売上を安定させる上で、リピーターは欠かせない存在です。お店を気に入ってもらい、お客さんの再来店を促し、リピーターとなってもらうためには、お客さんの心理を理解し、適切な集客施策を行うことが重要です。

リピーター獲得に課題を感じている飲食店経営者に向け、再来店が増えない理由おすすめの施策お客さんの分析方法を紹介します。ポイントを理解して、リピート率の向上や経営の安定化につなげていきましょう。

こんな人におすすめ

  • リピーターを増やすことで自店の売上を向上させ、経営を安定させたい人
  • お店のリピーターが増えない原因を知り、対策し、リピーター獲得につなげたい人
  • リピーター増加施策を具体的に知りたい人

売上の向上&安定化だけではない、リピーターを増やすメリット

レジに立つ店員とお客さん

リピーターが増えると、売上向上だけでなく、飲食店経営にはさまざまなメリットがあります。そのメリットは、大きくは以下の4つです。

  1. 売上が向上し、経営が安定する
  2. 集客にかかるコストを削減できる
  3. リピーターの口コミによって新規顧客が増える
  4. LTV(顧客生涯価値)が向上する

1. 売上が向上し、経営が安定する

飲食店を安定的に経営するには、売上の向上と維持が非常に重要です。新規のお客さんが増えれば売上は上がりますが、売上の「維持」という観点では、リピート率の向上がポイントになってきます。

例えば、1,000円のランチを週に2回利用するリピーターが数人増えれば、売上の向上だけでなく、その後も安定的な売上が見込めるようになります。こうした、定期的にお店に来てくれるリピーターを増やしていくことで、経営の安定化も図れるでしょう。

2. 集客にかかるコストを削減できる

新規のお客さんに比べ、リピーターは集客コストがかからないことも大きなポイントです。

新規のお客さんを集客する場合、チラシの配布や看板の設置など、まずはお店を認知してもらうための施策が必要になります。また、認知されたとしても、来店につながらないというケースもあり得ます。一般的に新規顧客の獲得には、再来店を促す施策の約5倍コストがかかるといわれています。

一方で、お店のことをすでに認知しているリピーターに対しては、クーポン配布やキャンペーンの告知など、比較的低コストな施策で来店を促すことができます。集客に多くの費用をかけられない場合は、まずリピーターの獲得に力を入れてみましょう。

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3. リピーターの口コミによって新規顧客が増える

定期的に来店してくれるリピーターは、いわばお店のファンです。ファンがお店の魅力を口コミで発信してくれると、お店への認知や新規顧客の関心が高まります。特に最近では、SNSやグルメサイトの影響が大きく、発信された情報を通してお店が認知され、新規顧客が来店するきっかけになったりと、思わぬところで集客につながることもあります。

4. LTV(顧客生涯価値)が向上する

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、一人のお客さんが生涯でお店にもたらしてくれる利益の平均値を表す指標です。LTVは一般的に「平均顧客単価」「収益率」「購買頻度」「継続期間」を掛け合わせることで算出できます。

リピーターは、売上単価や来店頻度が高く、お店に通っている年数も長くなる傾向があり、リピーターが増えると自然とLTVが向上します。つまり、LTVが高ければ、リピーターを着実に獲得できている状態とも言えるでしょう。

前述のように新規顧客の獲得にはコストと時間が必要になりますが、リピーターを獲得し、LTVを高めることで、集客コスト削減と売上向上が期待でき、経営の安定化を図れるでしょう。

再来店が増えない代表的な3つの理由

悩んでいる店員

リピーターが思うように増えないと悩んでいる場合、まずは原因を分析することが大切です。ここからは、お客さんの再来店が増えない主な原因を3つ解説します。

1. お店の存在を忘れられている

再来店につながらない原因として考えられるのが、一度来店したにもかかわらず、お客さんがお店の存在を覚えていないというケースです。お店に対して不満がなくても、印象に残らなければ、それ以降、利用する店の候補として意識されず、再来店につながりにくくなってしまいます。

2. 商品やサービスがお客さんのニーズを満たしていない

お店で提供する料理や接客、お店の雰囲気などが、お客さんのニーズや期待を満たせていない場合も、再来店にはつながりにくいでしょう。また、お店を利用する際に、不適切な接客や料理への異物混入などによって、お客さんがネガティブな印象を持った場合、お店をリピートする確率はさらに低くなります。

3. リピーター獲得の施策を行っていない

クーポンの配布キャンペーンの告知など、リピーター獲得に効果のある施策を行っていないケースも、リピート率は低下しやすくなります。

お客さんから見て、お得なクーポンやキャンペーンなどの情報がなく、再来店のきっかけやメリットが感じられない場合、自然とお店から足が遠のいてしまう可能性があります。

お客さんがお店をリピートする理由は?

会計をするお客さんと店員

次に、お客さんが同じお店を継続利用する理由を解説します。お客さんの心理を理解し、リピート率の向上につなげましょう。

お店のことを思い出す機会が多い

前の章で説明した通り、「お店の存在を忘れていた」「なんとなく行かなくなった」などの理由で、リピートにつながらないケースがあります。特に、「過去に一度行ったきり」というお店は忘れられてしまう可能性が高く、再来店のきっかけがない場合、リピート利用される確率は低くなるでしょう。

こうしたケースへの対応としてリテンション(既存顧客との関係を維持していく取り組み)が重要です。「SNSでよく見かける」「定期的にクーポンが送られてくる」といったように、なんらかのコミュニケーション施策を通じて、お客さんが自店を思い出す機会をつくると、飲食店を選ぶ際の候補として挙がりやすくなります。

特に、SNSでの情報発信や広告出稿など、不特定多数の人にアプローチできるコミュニケーション手段を使えば、メールアドレスや電話番号などを登録していない既存のお客さんにもお店の情報が届きやすく、新規顧客の獲得にもつながる可能性があります。

再来店するメリットがある

お店の料理や雰囲気を気に入る、接客が印象に残るなど、お客さんがリピートするメリットを感じると、次回の来店につながりやすくなるでしょう。

お客さんは料理の質や価格の手頃さ、過ごしやすさなど、さまざまな視点でお店をチェックし、評価しています。そのため、お客さんがメリットや居心地の良さを感じられる、良質な体験を提供できる店づくりが大切です。

また、クーポンやキャンペーンなどのお得感のある情報、会員限定サービス、ポイントカードなども、お客さんにとって再来店のメリットとなります。これらの施策を定期的に継続して行うことで、お店の存在を想起させ、「このお店に行くと自分にメリットがある」という印象を与えることができます。

リピーターを増やす6つの方法を解説

水を提供する店員

再来店が得られない原因がつかめたら、対策を行いましょう。ここでは、お客さんのリピート率を高める方法を6つ紹介します。

  1. ニーズに合った商品やサービスを提供する
  2. お客さんの印象に残る接客を行う
  3. アンケートや口コミサイトからお客さんの意見を収集する
  4. ポイントカードやクーポンなどを活用して再来店を促す
  5. SNSやDMを活用して接触回数を増やす
  6. キャンペーンやイベントを行う

1. ニーズに合った商品やサービスを提供する

まずは、基本となる顧客満足度を高めることが重要です。お客さんのニーズに合った店づくりを意識し、改善できそうなポイントがあれば見直しを行いましょう。

若いSNS世代のお客さんが多いお店なら、写真映えするようなおしゃれな料理や内装にすることを検討してみる、あるいは、価格帯が高めのお店ならば、落ち着いた丁寧な接客、シックな雰囲気の内装にしてみるなど、お客さんのニーズに合わせた工夫をしてみるといいでしょう。

店づくりの中でも、接客は重要な要素の一つです。例えば、一人で落ち着いて過ごしたいと考えているお客さんに対しては、過剰に話しかけない、比較的静かな席を案内するといったお客さんに合わせた接客を心がけると、顧客満足度に良い影響を与えられるでしょう。良質な接客によって築かれるお店とお客さんの信頼関係は、リピート率に影響する要素です。

2. お客さんの印象に残る接客を行う

お客さんの印象に残るような接客を行うことも大切です。満足度を上げるだけでなく、再来店したいと思ってもらえるような工夫を行いましょう。

例えば、リピート回数に応じたドリンクやフードのプレゼントなど、お店独自のサービスは印象に残りやすく、リピートのきっかけになります。その他、退店時にスタッフが出口まで見送る、寒そうにしているお客さんにブランケットを渡す、といった細やかな気遣いもお客さんに好印象を与えられます。

内装や設備の変更といった施策とは異なり、接客の改善はコストをかけずに取り組めるので、まずは接客から見直してみるのもいいでしょう。

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3. アンケートや口コミサイトからお客さんの意見を収集する

なんらかの施策を行う前に、お客さんの意見や感想を把握しておくことも重要です。

料理や接客などの満足度について、お客さんにアンケートを行うと、現状の課題を見つけるきっかけになります。例えば、「どんな料理を」「なぜ選んだのか」が分かるアンケートにしておくことで、その回答からお客さんがお店にどんな料理やサービスを求めているのかポイントが見えてくるでしょう。ボリューム感が重視されていそうであれば、食べ応えがあってコスパがいいメニューを提供する、といった改善策が考えられるようになります。

また、口コミサイトの意見をチェックするのも大切です。「料理の提供が遅かった」という投稿があった場合、店舗のオペレーションを見直すなど、改善のきっかけとして参照するといいでしょう。

4. ポイントカードやクーポンなどを活用して再来店を促す

ポイントカードクーポンの配布もリピーター獲得に効果があります。

来店回数に応じた割引クーポンをプレゼントするなど、お客さんが再びお店を利用するメリットを提示できると、再来店を促せます。合わせて、お会計金額に応じたポイント付与などのサービスも実施すれば、客単価の向上も期待できます。

また、クーポンの配信は、お店の存在を忘れているお客さんに対して、再び意識してもらうきっかけにもなります。お店の存在をアピールし、来店動機をつくるツールとして、クーポンの活用を検討してみましょう。ただし、頻繁にクーポンを配ると利益率低下の原因になってしまうため、注意が必要です。

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5. SNSやDMを活用して接触回数を増やす

SNSでの情報発信もリピーター獲得に影響します。既存のお客さんに向けて、季節限定メニューやいちおしメニューの情報、営業日時など店舗の情報を発信し、お客さんとコミュニケーションを重ねることで来店を促すことができます。お店のアカウントをフォローしてくれているお客さんが投稿内容を拡散してくれれば、新規のお客さんの来店にもつながります。

さらに、お客さんのメールアドレスや住所など連絡先が分かっている場合は、DMを送ることも検討してみましょう。クーポン付きのチラシやハガキを送ることで再来店を促進できます。

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6. キャンペーンやイベントを行う

独自のキャンペーンやイベントの実施も、リピーター獲得や新規顧客獲得に効果を発揮します。

例えば、「時間帯限定のメニューを提供する」「平日限定の割引を用意する」といった来店につながるキャンペーンを実施してみましょう。ユニークなキャンペーンを企画できれば、お店の認知度アップにつながる可能性もあります。

また、イベントは、他店と差別化を図り、お客さんの印象に残る施策の一つです。季節に合わせてビアガーデンを開催したり、周年イベントを実施したりすれば、リピーターだけでなく新たなお客さんの来店動機にもなるでしょう。ただし、イベントを実施するだけでは次の集客につながりにくいため、お店のSNSに登録を促すなど、その後のアプローチも考えてイベントを企画すると良いでしょう。

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リピーター獲得にはLINE公式アカウントの活用がおすすめ

カフェでスマホを見ている人たちの手元

前の章で紹介したような、再来店を促す施策を行う上で、LINE公式アカウントの豊富な機能が役立ちます。

LINE公式アカウントでは、友だち追加してくれたお客さんに対して、メッセージやクーポンを配信できるため、お客さんとの接触回数を増やし、再来店を促すことが可能です。また、「ショップカード」機能を活用し、ポイントカードサービスをお客さんに提供することで、リピート率の向上が狙えます。

他にも「LINEチャット」機能では、お客さんとLINE上で直接やりとりでき、予約の問い合わせにも対応することができます。さらに、メッセージを適切なタイミングで自動配信できる「ステップ配信」機能を使えば、お客さんが自店を忘れそうなタイミングでお店の情報を配信でき、再来店を促すコミュニケーションが可能です。

再来店を増やすには「CPM分析」が有効

分析データのグラフ

リピート率を高めるには、CPM(Customer Portfolio Management)分析も効果的です。

CPM分析とは、来店回数や来店頻度からお客さんを分類・分析し、優良顧客を育てるマーケティング方法のことで、リピーターの育成にも活用できます。

なんらかのツールでお客さんのデータを取得し蓄積する必要がありますが、CPM分析をもとにお客さんのお店の利用状況を把握できれば、お客さんに応じた適切な対策が取りやすくなります。

次の章では、CPM分析の方法について解説していきます。

お客さんを10種類に分類する

まずは、お客さんを来店回数や来店頻度、利用金額から10種類に分類します。以下の表を参考に、「期間」「購入金額」などを設定し、お客さんを割り振ってみましょう。

<CPM分析における顧客の分類>

現役(今もお店を利用しているお客さんの分類)

  • 初回現役客:設定した期間内で来店した新規のお客さん
  • よちよち現役客:設定した期間内で2回以上来店実績があるお客さん
  • コツコツ現役客:設定した期間内でリピート実績があるお客さん
  • 流行現役客:短期間で、設定した金額以上の飲食利用をしたお客さん
  • 優良現役客:長期間にわたり設定した金額以上の飲食利用があるお客さん

離脱(来店しなくなったお客さんの分類)

  • 初回離脱客:設定した期間内で来店したことがあるが、その後来なくなったお客さん
  • よちよち離脱客:設定した期間内で2回以上来店実績があるが、その後来なくなったお客さん
  • コツコツ離脱客:設定期間内でリピート実績があるが、その後来なくなったお客さん
  • 流行離脱客:短期間で設定した金額以上の飲食利用をしたが、その後来なくなったお客さん
  • 優良離脱客:長期間にわたり設定した金額以上の飲食利用があるが、その後来なくなったお客さん

分類したお客さんの割合や変化を分析する

CPM分析は一度だけでなく、長期的に繰り返し行うことが重要です。

例えば、季節の変わり目やイベントの前後、クーポンなどの来店施策を実施した直後は、お客さんの行動に変化が生まれます。そうした反応を定期的に分析し、上記で分類したお客さんの割合がどう変化しているか離脱が増えていないかなどを確認することで、お客さんの来店状態を把握することもできます。収集したデータを分類項目ごとにグラフにして、可視化するのもおすすめです。

段階に合わせて対策を行う

お客さんの分類ができたら、それぞれの段階に応じた施策を打ち出し、リピーター獲得を目指しましょう。

初回離脱客(1回の利用で離脱してしまうお客さん)が多い場合は、密にコミュニケーションを取ることで、来店のきっかけをつくれる可能性があります。短期間で何度も利用してくれる流行現役客に対しては、離脱を防ぐために、他のお客さんとは異なる特別感のあるクーポンやキャンペーンを打ち出すことも効果的です。

このように、お客さんの段階に応じて適切なサービスや集客施策を行い、「優良現役客」の増加を目指していきましょう。

まとめ:リピーターを増やすには、再来店を促す施策が鍵

談笑する店員とお客さん

お客さんが再来店するきっかけをつくり、リピーターとなってもらうためには、適切な施策を行うことが重要です。そのためにはまず、お客さんがお店に何を求めているのかを把握し、お客さんにとって「使い勝手のいい」お店にしていくことが重要です。

LINE公式アカウントなら、メッセージ配信クーポン配信など、リピーター獲得に効果がある施策を簡単に実施できます。また、ポイントカードの仕組みがつくれるショップカード機能もあるため、お客さんをリピーターへと育成していく上でも役立つでしょう。

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文:大瀧亜友美
編集:はてな編集部
編集協力:株式会社エクスライト